窓は結露するのが当たり前?

冬は窓が結露して大変な住宅も多いのではないでしょうか。
窓はなぜ結露するのでしょうか。
窓が結露する原因は窓の表面温度が低いためです。
室内の暖かい空気が窓の表面で冷やされ、露点温度以下(相対湿度100%)に下がると結露します。

ちょっと計算してみましょう。
単板の窓のガラスの熱貫流率(U値)が6W/㎡Kだとします。

外気温度が0度、室温が20度だとすると、窓の表面温度は以下の式で計算できます。
20-6/9×(20-0) = 6.7度

室温20度で相対湿度が50%の空気の露点温度は9.2度です。
露点温度よりも空気が冷やされると結露します。
そのため、U値が6の窓ですと結露してしまいます。

ここでは単に外気温と室温だけで窓表面温度を計算していますが、実際は窓近くの空気が冷やされ冷気流が発生し冷たい空気が下に流れます。
そうしますと窓は下に行くほど周辺の温度が下がるため窓の表面温度も更に下がります。
これに室内の上下温度差の影響も加わり、窓は下に行くほど結露しやすくなります。
特にベランダなど上下に長い窓の場合は、冷気流や上下温度差の影響が大きくなり、下側が結露しやすくなりますので注意が必要です。

たとえば冷気流などで窓周辺の温度が15度になったとします。
そうしますと窓表面の温度は
15-6/9×(15-0) = 5度
になり、更に結露が発生しやすくなります。

窓の結露を防ぐためには、窓の表面温度を上げなければなりません。
窓の表面温度を上げるためには、窓の断熱性能を高くする必要があります。
たとえば、ガラスのU値が2であれば、窓の表面温度は
20-2÷9×(20-0) = 15.6度
になります。窓の表面温度が高くなり、露点温度よりも高くなりますので結露しづらくなります。
窓の断熱性能が高くなると冷気流が少なくなりますし、室内の上下温度差も小さくなりますので、さらに結露しづらくなります。

残念ながら住宅建築後に窓の断熱性能を高くするのは難しいので、住宅を建てる場合はその地域にあった窓を選択することが非常に重要です。

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