住宅のすき間の大きさを測る方法(気密測定器)

住宅を高気密化するためには、まず住宅のすき間の大きさを確認しなければなりません。
住宅のすき間は小さなすき間が様々な場所にありますので、定規で測れるようなものではありません。
そのため、気密測定器という機械を使用して測ります。

気密測定の原理は単純です。
まず、送風機(パワーのある扇風機のようなもの)を窓やドアに設置します。
送風機で住宅内の空気を外に出すと、外気と住宅内で圧力差が生じます。
すき間が小さな住宅は少し送風機を回すだけでも圧力差は大きくなりますが、すき間だらけの住宅はいくら送風機を回しても圧力差は小さいままです。
気密測定器はこのような原理を利用し、住宅のすき間の大きさを測定します。

現在気密測定の方法はJISで規定されています。(JIS A2201)
基本的には気密測定器で圧力差を変えて圧力差と風量を5点測定します。
その5点のデータから計算で総相当隙間面積(αA)を求めます。
αAを延べ床面積で割ったものが相当隙間面積(C値)です。
一般的に住宅のすき間の大きさはC値で表します。

C値は高気密な住宅ほど小さくなります。
時代や工法にもよりますが古い住宅で高気密化していなければ、C値は5~10cm2/m2くらいだったと思います。
現在高気密化工事をしていない住宅ですと、はっきりしたデータがありませんが、C値2~6くらいかと思われます。
特に高気密化していなくても昔よりもすき間が小さくなってきているのは、一つは窓の気密性能が高くなったこと、もう一つは合板などのボードが使用されるようになったことが影響しているようです。
高気密住宅ですと、C値は0.1~1くらいの住宅が多いようです
高気密化が普及し始めた当時はC値0.1は夢のような数値でしたが、現在は0.1~0.3くらいの工務店さんも増えてきています。

どこまでC値を小さくする必要があるのかは、目的(断熱、結露防止、換気、熱交換など)によって異なりますが、基本的に小さいに越したことはありません。


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