窓は熱が入る場所

以前に「窓は熱が逃げる場所」という話を書きました。

窓は熱が逃げるだけでなく、日射が入るため熱が入る場所でもあります。
窓からどのくらい日射が入るかは、ガラスの日射熱取得率(η値)という数値で判断できます。
日射熱取得率は窓のカタログなどに書かれていることがあります。
カタログに日射熱取得率が書かれていなくても、窓の仕様でおおよその日射熱取得率がわかります。
たとえば、単板ガラス 0.88、複層ガラス 0.79、Low-E複層ガラス(日射取得型) 0.64、Low-E複層ガラス(日射遮蔽型) 0.40、熱線反射ガラス 0.23です。
日射熱取得率が小さいほど日射が遮られます。

窓から日射が入りますと、冬は暖房エネルギーの削減になりますが、夏は冷房エネルギーが増大します。
そのため、省エネのためには冬は日射と取り入れ、夏は日射を遮ることが理想です。
日射熱取得率が小さい窓を設置した場合、日射が入りづらくなりますので夏は省エネですが、冬は暖房費がかかります。また日射熱取得率が小さい窓は光も遮られますので、部屋は暗くなる弊害もあります。
そのため、住宅の場合は地域にもよりますが、積極的に日射熱取得率が小さい窓は選択することはあまりなく、レースカーテンやブラインドで日射を遮るのが一般的です。
レースカーテンなどの場合は開けたり閉めたりができますので、簡単に日射をコントロールできます。(レースカーテンやブラインドなどは室内で日射遮蔽するので弊害もあります。これは後日説明します)

冬に多くの日射を取り入れるためには、南面の窓の面積を大きくします。
住宅ではリビングの窓が大きいことが多いため、リビングが日当たりのいい場所にあれば、日射を多く取り入れられます。
住宅の周りに建物がなければ多くの日射が入りますが、通常は建物があり日射が遮られます。特に冬は太陽の高さ(太陽高度)が低くなりますので、建物に日射を遮られる時間が長くなります。
建物が遮られず日射を取り入れたい場合は、2階にリビングを設置する、トップライトを利用するなどの方法があります。
なお、日射を積極的に取り入れるようにすると、夏に日射が多く入ることになりますので、夏・冬のバランスが重要です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?