熱伝導率とは?

前回断熱材の話をしましたので、今日は断熱性能を表す熱伝導率について説明いたします。
熱伝導率とは材料の断熱性能を表す数値で、数値が小さいほど熱が通りづらい、つまり断熱性能が高いことを表しています。

省エネルギー基準(省エネ基準)の「概要と用語の定義」では、熱伝導率は以下のように説明されています。
「内外の温度差1度の場合において1平方メートル当たりに材料内を熱伝導により移動する熱量をワットで表した数値をいう。」
非常に難解ですね。
建築関係の仕事をしているのでなければこのような定義を覚える必要はなく、熱伝導率が小さいほど断熱性能が高いということだけ覚えておいてください。

一つ忘れないで欲しいのは、熱伝導率に厚さは考慮されていないということです。
厚さを考慮する場合は熱抵抗(R値)を計算しますが、これは後日ご説明します。
熱伝導率は厚さを考慮していないので、同じ厚さの材料の断熱性能を比較するのに使われます。

断熱材の性能を比較してみましょう。
グラスウール断熱材16Kの熱伝導率: 0.045(W/mK)
押出法ポリスチレンフォーム保温板3種の熱伝導率: 0.028(W/mK)
それぞれの断熱材の厚さが同じだとしますと、0.045÷0.028=1.6… で、グラスウールが1.6倍熱を通しやすいということがわかります。

昔は単に断熱材の厚さだけで断熱性能を比較していましたが、現在は様々な断熱材を選択でき、それぞれの熱伝導率は異なりますので、数値的な比較も必要になります。
その基本となるのが熱伝導率です。

実際の住宅の断熱性能は、さらに材料の厚さや熱橋(熱が逃げやすい場所)などを考慮する必要があり、より複雑な計算(熱抵抗、熱貫流率)が必要になります。
熱伝導率はこれらの計算のベースにもなります。

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