見出し画像

さあ、押入れを始めよう

徳島に「おとなり3」という私設図書館があります。このおとなり3の2階の畳の間の貴重な収納スペースにバーを作る許可が下りましたので、この押し入れをBARにすることにします。

そもそも、現在私は持病による長期入院後、免疫を抑える薬をまだ多く飲んでいるため自宅療養中で、体調も優れない日が続いています。鬱々とする中、ストレスが溜まりすぎたせいか「唇と舌にピアスを入れたい」としか思えなくなってしまい、口の中に消しゴムを入れ、外からニードルで突き刺す、などのノウハウを検索する日々でした。それがこの「押し入れBAR」計画を思いついてから、どう出オチで見た人を爆笑させるかしか考えられなくなっています。

私は真面目に生きていると、バランスが取れなくなり、何かで歪ませて調節しようとします。この前、大好物であるナマコを生きたままもらい、それを生まれて初めてさばきました。生きてるうちは柔らかいのに、死ぬととたんに固くなり、あのコリコリとした食感となります。ナマコの生を奪い、包丁を入れた時にナマコの体液が噴出したのを浴び、死後硬直を確認し、酢で食う。この一連の流れを体験し、生きたナマコをそのままかじって食うという妄想にとりつかれました。何口目でナマコは固くなるのか、一口目はどこからかじろうか、ナマコに痛覚があったらできないな、両端をかみちぎってぷっと吐き出そう、本当は嫌だけどギリギリ勇気を出せばできること、新しい体験ができること、新しい知識が増えること、光景がグロテスクなこと、そのバランスが絶秒でもうこれしかない、私はこの妄想を実現して歪ませて自分を取り戻さなくてはいけないのです。でも、次々舞い込んでくる企画やイメージ、湧き出るアイデアが実現できそうで、私の「歪み調整」は必要なくなっている、そんな感覚があります。私の人生は始まってしまったのかもしれません。それが徳島にとって幸か不幸かはさておき。

これは過去に、おとなり3で「ソンモ展」というものを開催してからというもの、次々に私の世界が広がり具現化していく喜びを書いたものですが、自分を歪ませて調整する代わりに、どんどんおとなり3が歪んでいくという珍現象が起こっています。もちろん私だけが悪いんじゃないけど、今じゃ、変人ホイホイと言われる珍スポットになっています。そして新たに、2階の押入れがBARになります。

私といえば出オチ、とにかく出オチ重視なんで、BARが完成して大方の反応が済んでから、その手記でもまとめるかと思っていたんですが、森さん(おとなり3館長)が仲間内で誰が一番noteで稼げるかという競争を始めるらしくて、私も誘われたので、出オチとかよりお金が欲しいので、さっそくポリシー捨て、こと細やかにBAR開店の軌跡を記していきたいと思います。だってお金が欲しいです。

というわけで、おとなり3Slackに新設された「#押し入れバー」チャンネルを読み返したところ、初日の早朝にまず書いてあったのがこれでした。

どんな内装がいいか、テーブルはどうするか、お酒はどこに置くか、そういったことはまずおいておいて、「メニューオプション 豚ずる定」を100円で提供するというアイデアです。
山野一の「四丁目の夕日」の1シーンからのインスパイアで、ドリンクを出す際に親指を漬けて、ビチャッと置くサービスをドリンク代+100円で提供するのです。オーダーが入ったら、きちんと指をアルコールスプレーするという仕草も込めて、私の「いとおかし」を刺激するのでとても良いと思ったのですが、森さんに「意味がわからなかった」と言われました。

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?