「わたしが台所に立つ理由」
きっかけは、今回もツイッターだった。
相互フォロワーであるライターの遠藤哲夫さんからのDMによると、「暮しの手帖」編集部に「ぶたやまかあさん」の話をしたら、取材させてほしいという話になったので連絡先を教えてほしいとの事。
「暮しの手帖」…だと…?
いやいやいや、まさか。
本当だった。
なんと、第5世紀(暮しの手帖は100号で1世紀)の第1号、巻頭特集の1人だという…!!
マジかよ。
担当編集さんと何度かメールを交わし、取材日が決まった。
そこから先は、怒涛の片付けと断捨離の日々である。
ゴールデンウィークの間のDIYによる増築と模様替えもダブったので、まるで引越しのような騒動だった。
一ヶ月をかけて、台所とその周りを磨き上げたところではたと気がついた。
自分が汚い。
ちょうど取材前日に、こちらもツイッターで知り合ったマダム達とのお食事会を企画していた。
その中のお一人に、コスメフリークがいらっしゃる事を思い出した。
「いおりさん、お化粧の仕方教えて…!」
既に会合場所へ向かって家を出ていた彼女は、コスメ道具一式を取りに引き返す羽目になる。
その後のイタリアンレストランでのメイク講習会のドタバタは、マダムのお一人、ヤギさんがまとめてくれた。
https://note.mu/ygsn/n/n85def6403fb1
こうしてぶたやまはメイクを覚えた。
取材当日、慣れないメイクで担当編集さん、カメラマンさん、ライターの室谷明津子さんをお迎えする。
「家族でいるところを取材させてほしい」との事だったので、夫と子供たちも控えている。
夫は、「俺は協力するけど関係ない。出来るだけ映りたくない」と後ろ向きである。
子供たちは、ウチの子供たちは、お客さんに慣れすぎて、緊張感がまるでない。
冷や汗がとまらない。
ライターの室谷さんのインタビューは素敵だった。
面白い事を言おうとしなくていい、思っている事をそのまま話していいという気持ちにすぐになった。
質問に答えているうちに、どんどん落ち着いてくる。
私にとって料理とはなんなのか、どんな気持ちで毎日台所に立っているのかが、明らかになってくる。
思っていた以上に大きかったのは、夫や母の存在だった。
私の作るものが自分の好きなものに偏ったり、新しい味に挑戦したり出来るのは、母や夫が昔ながらの味や子供たちの好きな味を担当してくれているからなのだ。
この人がいるから好き放題ができる。
それは、もちろん担当編集さんも室谷さんもすぐにわかったのだろうと思う。
予定していた「ぶたやまライス」を作って食べるという工程の最中に「ご主人も何か一品作ってほしい」とリクエストが来たのだ。
この時の夫のイヤそうな顔といったらなかった。
娘が「フライが食べたい」と、助け船を出してくれたのは本当に助かった。
冷凍庫から半調理品のフライを出して夫が揚げていく。
おかげで、いまだかつてないほと豪華なぶたやまライスが出来上がったのだった。
プロのカメラマンと同じライティングで写真を撮らせてもらう。
とりあえず読んでみてください。
7/25発売の「暮しの手帖 第5世紀1号」記念特大号、どうぞよろしくお願いします。
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