ショートストーリー 02_我気多クシテ君女神也
転勤してそろそろ2か月になろうとしていた。
思えばあの日、人事部長に呼び出され転勤の打診を受けた。妻にはこの後すぐにLINEでメッセージを送信したが、既読がつくまでもなく、メッセージをもらうまでもなく、この後家族がどうなるのかは明らかだった。
片田舎への単身赴任。ようやく今の生活慣れてきたところだ。
これまで、東京を離れたことなど一度もなかった私にとって、この田舎暮らしは何もかもが新鮮で、いや、新鮮過ぎて「本当にここは同じ国にあるのだろうか。」と錯覚するほどだった。
一番驚