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#2 名前だけ聞いたらさっぱり何する職業か分からんランキング上位【中小企業診断士なるまで備忘録】

人はどうして生きるのか?
世の中には、なぜ?ナゼ?があふれている。
何故わたしは中小企業診断士という、正直「名前だけ聞いたらさっぱり何する職業か分からんランキング上位」に食い込んでくるであろう謎資格を取得し、あまつさえそれを仕事にしてやろうと思ったのか?
決意の炎は、鎮まらぬうちに叩く。
叩いて叩いて、炎の中から業物を取り出してしまおう。

これはおれが中小企業診断士になるまでの備忘録である②
(タイトル:スタンプエフェクトでドン)
(テーマsong:ブリッジ)

わたしは支援機関で働いている。
中小企業者などから経営の相談を受けたりする。
前回(第1回)において、中小企業診断士の仕事は、支援機関のスーパーサイヤ人的な立ち位置であると定義した。
わたしにサイヤ人の血が流れているかという疑念はあるが、おおむねそんなような業務を行うのが診断士だ。

今の仕事は、無茶苦茶分からないことは専門家に投げよう。
というスタンスで済んでいるのだが、診断士になれたとしたら丸投げされるほうになる。
それがサイヤ人の運命というのなら受け入れるしかない。
受け入れた上で、無茶苦茶分からないことはスペシャリストに投げようと思っている。
そうして柳のように来た球すべてをスルーしてやろうとも思っている。

さて話は変わって、診断士1次試験を受けた日に記憶は遡る。
わたしは愚かなことに、試験の全体像を知らぬままに、試験会場に向かった。
そうしてようやくこの資格が持つ特性を理解した。
というのは前回(第1回)にお話した内容だ。

診断士がどういう業務を行い、なぜ必要とされるのか?
ぶわーっと時間配分を気にしながら問題を解いていた脳裏で、わたしはいったい何を考えていたのか?というと。
「なぜこの試験問題はこんなに難解な構成になっているのか?」
なぜバラエティ豊かな7科目も必要とされるのか?ということだった。
そんなことを脳裏で考えながら受けているのだから、試験に通らなかったんだろう!?とは言わないで欲しい。
わたしのハートはスペランカーより脆い。

試験年度ごとに違いはあるのだろうが、用語の意味を問う問題が多いことに気付いた。
なぜ、用語の意味を問う必要があるのか。
正直言って、こんな小難しい用語、現場では使わない。
そもそも経営者と相対するとき、経営者○年生の人は、自分なりのメソッドがあるので、人の意見に耳を傾けることはあまりないだろう。ないように思う。
必然的に、経営者1年生と相対することが多くなる。
そうなれば、こんな小難しい用語を説明で使用したところで、誰も理解してくれない。

結局、その言葉の意味や裏側、側面について、言葉を尽くして説明しなければならない。
ただまあ、専門用語を現場で使うか使わないかはさておいて、診断士として経済を読み解くときに用語は知っておいた方がいい。たとえばビジネス書を読むときも、わたしは辞書を小脇に抱えながらでないと読めない。新聞やなんかも、恥ずかしながら、スマホ片手に読むこともざらだ。もちろんビジネス用語なんてすべて覚えていられないので、そういう読み方でもいい。そういう読み方を否定しているわけではない。

「チクショウ!この用語が思い出せねえ!」と一人で勝手に憤慨しそうになったし、「現場で使うかなあ?」と口を尖らせたが、診断士には必要な知識だから問われているのである。
現職場が、中小企業といっても小規模事業者からの相談が多く寄せられている現場のため、法人向けの知識だとか、全体経済の話とか、制度、法務の細かい部分などはあまり必要とされない。そう思い切り捨ててきた学習から、逃げてはいけない。それに気づいた試験でもあった。
次から次へと押し寄せてくる「今度しっかりと読んでおこう」と後回しにしてきた知識たち。それを秒針握りしめバッサバッサと切っていきながら、わたしは自責の念で身を焦がした。

「くそっ」
ギリッと奥歯を噛みしめ、自分は「診断士の仕事がどういうものか」「何が必要で、何を求めるのか」をまったく分かっていなかった。身近でその仕事を眺めて、理解した気になっていただけだ。
試験会場でひとり。わたしは深層意識の中、診断士と言う海にざぶんとその身を沈めていくのだった。刻一刻と回り続ける秒針を、肌で感じながらも。

(Go Next please wait...)

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