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ボエームより私の名はミミ

“Si, mi chiamano Mimi”
「ええ、私の名はミミ」
Aria di Mimi dall’Opera “La Boheme” di Puccini
プッチーニ作曲オペラ「ラ・ボエーム」より
ミミのアリア

Si, mi chiamano Mimi
ええ、私はミミと呼ばれています
ma il mio nome è Lucia
でも私の名はルチアなんです
La storia mia è breve
私の話は短いです
A tela o a seta ricamo in casa e fuori
家や外でキャンバスや絹に刺繍をします
Son tranquilla e lieta
私は物静かで幸せです
ed è mio svago far gigli e rose
そして私の趣味はゆりや薔薇を作ること
Mi piacion quelle cose
ああいうことが好きなんです
che han si dolce malia
というのは、そう、甘い魅惑とか
cha parlano d’amor
愛を語ったり
di primavere
春を語るもの
che parlano di sogni e di chimere
夢や幻想について語るものも
quelle cose che han nome poesia
そういう、「詩」って名を持つもの
Lei mi indende?
おわかりになる?

Mi chiamano Mimi
私はミミと呼ばれています
Il perché, non so.
なぜかって...それは知らないの

Sola mi fo il pranzo da me stessa
一人、家で食事をし
non vado sempre a messa
ミサにはいつも行くわけではありません
ma prego assai Signor.
でも、神様にはお祈りします
Vivo sola soletta.
ただひとり、一人っきりで生活しています
Là in una bianca cameretta
あそこの白い小さなお部屋で
guardo sui tetti e in cielo
屋根や空を見ています。

Ma quando vien lo sgelo
でも、雪が解ける頃になると
il primo sole è mio!
最初の太陽は私のものなの!
il primo bacio dell’aprile è mio!
4月の最初のくちづけは私のものなの!
il primo sole è mio!
最初のお日様は私のものなの!
Germoglia in un vaso una rosa
花瓶の薔薇がつぼみをつけると
foglia a foglia la spio
葉を一枚いちまい観察するの
così gentil il profumo d'un fior
花の香りはこんなにやさしい
Ma i fior ch’io faccio ahimè
でも私が作るお花は残念だけど
non hanno odore
香りがないの

Altro di me non saprei narrare
私についてほかにもう言うことはありません
Sono la sua vicina che
あなたのご近所さんで
la vien fuori d’ora a importunare
変な時間にお邪魔にくる困ったさんです

私のHPの題名にも使っていたこのアリア。
かわいい自己紹介のアリアでお気に入りです。
屋根裏に住んでるお針子のミミ。
前から気になってた詩人のロドルフォの家に明かりを分けてもらいにやってきます。
いかにもというように、私は詩が好きで、一人っきりで住んでいてと迫るのがいやらしいとかわざとらしいとか言う人もいます。
でも、ずっと気になってたロドルフォと知り合いになりたくて、明かりがなくなったのを言い訳に思い切って彼の家までやってきた彼女。
火を分けてもらってそそくさと帰ったのではせっかく勇気を奮って戸をたたいたのが無駄ではないですか。
よくロドルフォがわざと火を消す演出で観客を笑わせますが、私的にはミミだって、帰りたくなくてわざと火を消して戻ってきたのかも知れないと思ったりします。
もちろん、今日はとりあえず顔見知りになるだけで満足して、おいおい、街で会ったら挨拶して、お茶でも一緒にして...
現実ならそれでいいんだけど、オペラだからちゃっちゃかことを運ぶ必要があるんですよね。
というわけで、私はミミがしたたかだとか、わざとらしいとかは思いません。
好きな人にアタックする勇気を絞って、行動に移した女の子のすごく自然な姿だと思います。
後半の、自分の世界に入ってしまうところ、気持ちいいですね。
ひたすら自分の声に酔って歌います。
ただ、終わり近くで「ああ、悲しいかな私の花には香りがない」というところで、「ahimè」って嘆きの感嘆詞が入るからか、なんとも切なそうに悲しそうに歌う人が多いですが、そんなドラマティックな話じゃないと思うんです。
私はここをちょっと軽く笑いながら「えへ」というか「うふ」というかそんな感じに「ahime’」を歌います。
ロドルフォに嘆きを訴えに来たのではないんだから、「一人ぼっちなの、相手をしてくれる?」くらいの感じでなくっちゃね。
最後のフレーズも歌い上げるんじゃなく、たらたらっと笑顔で語ってしまう。

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