見出し画像

風俗で転職活動した話①

転職活動に至るまでの経緯


わたしが在籍のお店を辞めるときの理由は、「お店の方針と合わない」「スタッフが仕事できない」が主なものでした。そんなときたまたま運良く、そのときの在籍で出会ったキャストに別の店舗を勧められたり誘われたりしてお店を変えておりました。行く先々、本当に良いお店で、自分の成長に繋がったり、良い仲間に恵まれるなどして、この業界においてこれは本当に運が良いとしか言いようがありません。
そんな中でぬくぬく日々過ごしておりましたが、ある日Twitterを眺めていると、元キャストの講習員が新しくお店を立ち上げるというツイートを目にしました。その講習員は、●年連続待機なしという立派なプロフィールの方でした。
元キャストということで、働く側の気持ちがよくわかる。キャストが気持ちよく働くために必要なことや、病まずにお客様と良い関係性を築いた上で、たくさん稼ぐにはどうしたらいいか?苦手なことや困ったことの具体的な対処法などを教え、導いてくれる、頼もしい雰囲気が感じられました。
お店のコンセプトは「地雷なし」。「地雷」というのは、お客様に対していい加減な接客や手抜き接客や、時短をすることを指します。真面目に仕事に取り組み、かわいくてえっちな女の子ばかりを集める夢のようなコンセプトでした。
わたしはこの業界でいうと年齢が高めなので、記念受験のつもりで面接に行きました。一緒に働くことはできなくても、こんな素敵なお店を立ち上げる講習員はどんな人なのか、会って話してみたいと思いました。
実際にお会いしたその講習員の方は、小柄で人懐っこい笑顔の可愛らしい人でした。事前に記入したアンケートをもとに、面接は進んでゆきます。
そしてその場で合否が告げられました。「合格です」。
まさか受かるとは思っておらず、浮き足立ってその日は帰宅しました。それからはオープンに向けての準備です。
オープンまでの間に、キャストはお店にお金を支払って、プロのカメラマンによるパネル撮影と、元キャストの講習員による講習を全員受けなければなりませんでした。ただしこのお金は、お店オープン後に一定の条件を満たせば返金されるとのことでした。
それから、この業界では珍しい?(少なくともわたしは聞いたことなかったのですが)、写メ日記を書くごとに手当が出るシステムを採用していました。さらに、オープン日までに書いた日記の本数に応じて、オープンから●日目まで手取りに●●円プラスされる、ということでしたので、もうみんなこぞって日記を書いていました。オープニングメンバーが何人だったのかは覚えてないのですが、少なくとも30人以上のかわいく美しく、真面目でえっちな女性たちが毎日毎日ドコドコ日記を上げまくるものだから、自分が書いた日記が30分足らずで下へ下へと押し出されてゆきます。こんなの初めて。
さらに、宣伝のために、セクシー女優や風俗嬢とお酒が飲める某建物を貸し切って、新店舗のオープニングキャストたちで大々的なイベントを打つなどしておりました。
このときの新店舗の目標は「オープン初日全員完売」。そのためにできる手はすべて打ちまくり、とにかく毎日あらゆる手を尽くして宣伝しておりました。

そうして迎えたオープン初日。

わたしはありがたくも、以前の店舗から気に入ってくださっている本指名のお客様が何人も会いに来てくださり、楽しく初日を迎えることができました。

しかし問題はここからでした。

新規のお客さんが全然来ない。

当時のわたしは、出勤すれば毎回全枠完売するような超売れっ子というわけではありませんでした。そのため、毎月会いに来てくださる本指名様だけでは、とても食べていけるような稼ぎではありませんでした。
講習員いわく、「新店舗というのは、初めは全然電話が鳴らないもの。でも諦めずに毎日努力を続ければ、3ヶ月目あたりから、オープニングキャストがバンバン売れてゆく。」とのことでしたので、わたしはその言葉を信じておりました。苦手な写メ日記をぽちぽち頑張ったり。出勤してもだいたいみんな暇そうに待機所にいましたから、接客するときの服はここで買うのが良いとか、メイクや髪を巻くコテはどうのとか、写メ日記用の写真はこうやって撮ると映えるとか、そういった有益な情報の交換は日々行われておりました。質の良いキャストが揃っていましたので、その点はかなり勉強になりました。
しかし、オープンから3ヶ月が過ぎても、毎月来てくださる自分の本指名のお客様のローテーションを繰り返すばかりで、一向に生活は楽になりませんでした。風俗やってて困窮するって本当に謎なんですけど、そんなこともあるのです。
そんなある日、わたしは例の流行病に倒れてしまいました。運良く、生理休暇終了後の出勤の直前でしたので、当欠ということにはなってしまいましたが、感染中に誰かを接客したわけではありませんでした。高熱に朦朧としながらもお店に連絡をすると、

「当欠をしたのでお詫びの写メ日記を書いてください」
「騒ぎを大きくしたくないので、罹患したことはキャストにもお客さんにも伏せていてください」

と返事が来ました。
ここでわたしの中でなにかが終わり、もういいやもうしーーーーらね!やーーーーーめよ!!!という気持ちになりました。写メ日記はちゃんと書きました。それから、心配してくださったお客様には個別に連絡をしました。

そんなわけで、ここから風俗の転職活動が始まるのですが、ここまでが長すぎるので続きは次回にします。お読み下さりありがとうございます。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?