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44歳人妻がアイドルオーディションを受けた虚実入り混じる10の理由

先日「おやすみホログラム」の新メンバーオーディションを受けました。
タイトルに「〝アイドル〟オーディション」と書きましたが、これには異議を唱える人も多いかもしれないです。でも2021年7月10日現在wikiに【日本の女性アイドルグループ】との表記があるのでウソでもない。
いずれにせよ、なぜ44歳の中年女がそんなオーディションを受けたのか、その理由を書いていきます。

1.アイドルになる夢を諦められなかった
私はアイドルが好きです。小学校にあがる前から夜更かししてザ・ベストテンは欠かさず見て、聖子ちゃん明菜ちゃんに夢中になっていました。購読する学年誌に連載していた『歌って!ナナちゃん』という小学生アイドルが主人公のアイドル漫画も大好きで、ナナちゃんのその女児の妄想を体現したような立ち位置に憧れたものです。
実際、小学1年生の時に「わたしのゆめ」として「アイドルになりたい」としたためた記録が残っています。しかし、小学校の1年間で己の限界を見てしまったのか、現実を思い知ったのか定かではありませんが、2年生の時の「わたしのゆめ」には「じぶんのへやがほしい」と、急にリアル路線の願望を書き記しています。それ以降、『歌って!ナナちゃん』は楽しみつつも、自分にアイドル願望があったことなど忘れて暮らしていましたが、唐突に5、6歳の幼女時代の夢がよみがえり、アイドルを目指そうと思いたったのです。

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2.好きなアイドルと仲良くなりたかった
女オタがいつの間にかアイドルになっている…アイドル現場ではよくあることです。好きなアイドルに憧れ、自分もそんなアイドル目指して精進し、同じ舞台に立ち、SNSで「前からずっと大好きな〇〇の△△さんと一緒にお写真撮らせていただきました〜」と画像をUPする。いいよねアレ。TIF後TLに溢れるあのご一緒画像見るの好きなんや。つーか私も大好きなあの子やあの子と楽屋でご一緒した〜い♥ そんな思いを抱えていたところ、おやすみホログラムが性別年齢不問で新メンバー募集しているというのを見て、ワンチャンいくかと思いたったのです。

3.おやすみホログラムがとても好きだった
おやすみホログラムの現場に行き始めたのは、カナミルちゃんと八月ちゃんの2人体制になってすぐくらいからなんですけど、まずオガワさんの作る曲が好みなのです。2015年に出た1stアルバムは、どことなくダイナソーJr.っぽさを感じて、90年代オルタナ好きな自分に刺さりました。その音楽性も好ましいし、それがカナミルちゃんと八月ちゃんの声にもあっていてキュートだし、2人のキャラクターも個性的で可愛い。フロアが大いに沸くライブも、半裸になる酒クズがいたりして正直イヤだなーと感じる現場も過去には何度かあったけど基本とても楽しい。めちゃめちゃ通いつめてたわけではないですが、現場には定期的に通いチェキも撮り、新譜も出るたびに購入していました。ずーっともっと売れてもいいのにィと感じながら見守ってきた中での八月ちゃん脱退。おやホロ、どうなっちゃうンだろ…と案じていたところ、様々な人(人でなくても可)というようなやぶれかぶれにも見える新メン募集の報を見て、これはなにか私にもできることがあるのではと思いたったのです。

※自由度の高い新メンバー募集要項

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4.同世代で同性の仲間が欲しかった
1~3の理由からもわかるように、私はアイドルが好きで、いわゆる「地下アイドル」の現場に行ってます。比較的自分が行ってるような界隈は中年の女オタってのは少ないです。もちろんいなくはないし、自分より年上の人もいるし、twitter見てこの人同世代だな〜と感じる女性もちょいちょいみるけど、まぁアラフォー女性の趣味として女の子の地下アイドルってのは珍しいほうだと思う。というかこの歳で地下アイドルが好きなような女性はだいたい運営側説。ハロプロには多そうなんだけどな〜。あと、同世代の男は探すまでもなくめっちゃいる。
楽曲的に、自分のようなUSインディやシューゲやギターポップ好きが好きになりそうなアイドルもいっぱいいるけど、あまり女性は目立って流れてきてないように思うのです。20代の頃ZESTとかマキシマム・ジョイとかonsa巡ったり、渋谷や下北のライブハウスに足繁く通ったり、フジロックには1年目から行ってるような同世代女性、もっと地下アイドル聴いて現場に来てもいいのでは、と感じるのですが…。
また、そういったアイドルソングに関しては吉田豪さんなどがもうずっと散々紹介し続けてるので自分がどうこうしたいというわけではないのですが、44歳女がおやすみホログラムという【女性アイドルグループ】とwikiに書かれているグループに入ろうと行動することにより、仲間が見つかったり、同好の士が増えたらいいな、と思いたったのです。

5.コロナ禍で退屈していた
2020年頭からこのコロナ禍で色々なイベントがなくなり、出歩くことさえ憚られる日々が続いております。あまりに暇で、このままでは何も面白いことがないまま2021年も終わってしまう…という焦燥感にかられていた折、ナタリーニュースでおやホロ新メン募集の記事を見て、なんか楽しそうだし目指してみっか、と思いたったのです。

6.弟が勝手に応募した
80年代の明星とかのインタビューを読むと、アイドルになったきっかけとして家族が勝手に応募した、というのが少なからずあります。今見るとなーんかうそくせーー、そこまでして自分で自分のことをイケるー可愛いーと思ってたりギラついた野心があること隠したいんか、と感じますが、そういう時代だったのでしょう。そういや、矢沢あい先生の名作『バラードまでそばにいて』でも、主人公がアイドルコンテストを受けるきっかけは賞品のコンパチブルプレーヤーが欲しいというものでした。主人公というのはそういう「そんなつもりじゃなかったのに」感がありつつ勝っていくのが気持ちよいという風潮があったようです。今は、変に斜に構えたりせず、素直にやる気をもって真摯に挑むのが支持されます。でも今回は実際に弟(おやホロバスにも参加してるオタク)が、姉ちゃんがおやホロ入ったら面白いし、と勝手に応募したら一次審査が通ってしまったので、じゃあせっかくだし二次審査にもいくか、と思いたったのです。

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『歌って!ナナちゃん』を読み返したら、ナナちゃんはなんとマッチに勧められていた。

(まだあと4つありますが、お時間ある人は読んでいってください)

7.お金が必要だった
氷河期世代の貧困!中年クライシス!仮想通貨で稼げ!会社で70歳まで生き残る方法!…といったSPA!の毎号の特集の完全なターゲット世代であり、常に不安を煽られております。自分も現在定職を持って仕事はしているし会社員の夫もいるのですが、株での失敗や田舎の老親への仕送りもあり、これから先の人生を考えると副業もしていかなければ立ち行きません。44歳人妻という属性を活かして熟女キャバクラで働こうとしたのですが、世の男性が求める「熟女」に見合うだけの実力を兼ね備えておらず、その願いも叶えられませんでした。そんな折、おやホロの新メン募集のニュースを目にし、もしかしたらこれを副業にできるかもしれない…と思いたったのです。

8.新宿ロフトの舞台に立ちたかった
おやすみホログラムの新メン募集要項を読んだところ、第一次審査に合格すると、第二次審査は新宿ロフトのバースペースでの公開オーディションになるとのこと。私の中で新宿ロフトといえば『大きなビートの木の下で』を読んで以来、BOØWY(当時は暴威)がデビューライブを行った場所として憧れの地です。上京して初めて新宿ロフトに行った時は、ここがあの…!と感動に震えたものです。場所は移転しているとはいえ、そんな聖地・新宿ロフトの舞台に立てるチャンスなんて普通のおばはんにはなかなかありません。そんなDreamin’を叶えるべく、オーディションへの応募を思いたったのです。

9.夫を楽しませたかった
2021年になり、夫が深刻な病に冒されていることが判明し、一気に目の前が暗くなり、気がおかしくなるほど辛い毎日を過ごすことになりました。私でこんなに辛いのに、大変な治療を続けていかなければならない夫はどれだけしんどいだろう、なにか少しでも楽しい気持ちにしてあげることはできないだろうか。そう悩んでいた時にふと思いついて入院中の夫(おやホロ好き)に「私がおやホロの新メンバーに応募したら楽しくなる?」とLINEしたら「楽しい」「公開オーディション見たい」そう返事がきました。人前に出ることなんて苦手だし恥ずかしいし、なにがしかのオーディションを受けることなんて考えたこともなかった人生だけど、夫が楽しんでくれるならなんでもやろう、と応募を思いたったのです。

10.承認欲求の高まり
44年も生きてきて、これといって目立った活躍も、自慢できることもない地味な生活をしてきました。本名でグーグル検索しても、同姓同名の地方の中学生がなにかのスポーツ大会で賞をとった、というような情報しか出てこず、自分自身が成したことはどこにも何も残っていません。人生も折り返し地点を過ぎて、気力体力は落ちる一方、マスクのヒモ跡は布団に入るまで残り続けるほど肌の弾力は無くなり、目はかすみ、白髪は増え、爪はガタつき、かかとはガサつき、歯は抜け、聞き間違いと言い間違いは増え続け、変な時間に目は覚め、全身は衰えているのになぜか20代の頃永久脱毛したすね毛は復活してきたり、とにかく人間として下降線上にいることだけは間違いないことがわかってきました。このまま何もしなければ、もう人から褒められたりチヤホヤされたりすることは一生ない…いや、行動したって難しい。このままでいいと思ってないのなら、何もしないよりは何かしたほうがマシだし後悔もないだろう。そういう考えに至った私は、その「何か」としておやホロのオーディションを受けようと思いたったのです。


以上が、私がオーディションを受けた理由ですが、タイトルにも書いたように、これには虚実が入り混じっています。
そして結果として、残念ながらおやすみホログラムのメンバーにはなれませんでしたが、なかなか面白い経験だったので、そのこともまた今度、元気とやる気があれば書きたいと思います。                                                                 ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました!


本日2021年7月10日、さきほどおやホロ新体制ライブ見てきました。

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5人編成となったおやすみホログラム、今後も楽しみです!

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