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かぼちゃスープ:玉ねぎを入れるか

1. かぼちゃスープ

この時期に欲しくなるのは… そう、かぼちゃスープです。秋はかぼちゃスイーツが出てきて、冬にはかぼちゃスープが出てきます。かぼちゃは甘くて素晴らしい。私は自分ではかぼちゃ料理ほぼ作りませんが、家庭で出てくるようなシンプルなものでも十分美味しいですね。例えばかぼちゃをレンチンしてマッシュして適当に砂糖と卵と生クリーム加えて混ぜれば最高のかぼちゃペーストになってくれます。そのまま食べても良いしスイートポテトみたいにしても最高です。普通に茹でるだけでももちろんOK。

それはさておき、最近YouTubeでかぼちゃスープの動画を見た私は是非作ってみようと思い立ちました。祖父母の家を訪れたときよく飲んでいたんですが、自分で作ったことはなかったものですから。そうして今まで何度か作っていますが、そうですね、シンプルに美味しいです。所謂レストランとかで出てくるようなものではないかもしれませんが、混じり気なくとても良いお料理だと思います。

以下では今回私が特に参考にしたブラッスリー ポール・ボキューズ・銀座さんの星野 晃彦シェフの動画をご紹介します。

2. レシピ動画

栗かぼちゃのスープ 星野 晃彦シェフ

動画ではシェフが細かい点についてもお話しされていますので出来ればご自身で見て頂きたいですが、19分以上あるので大変だ・面倒だ、という方のためにざっくりとした手順を以下に書いておきます:

1. かぼちゃの種、皮をとり均等な厚さにカットする。
2. 上記の量の1/10のバター+塩でじっくり炒める。
3. 水分が抜けてきたらかぼちゃが丁度隠れるくらいの水を入れる。
4. かぼちゃが少し出てくるくらいまで(動画では20m)弱火でコトコト。
5. 4までいったら生クリームを適量入れ、沸かせる。調味。
6. ミキサーに入れ、シノワで濾す。
7. お好みで水、牛乳、生クリームなど加えて完成。

ご覧の通り、かぼちゃ以外の野菜が使われていません。意外に思われる方も多いのではないでしょうか。玉ねぎを使うレシピが圧倒的に多いですからね。星野シェフによると、フランスでは玉ねぎ等を入れて甘みを補強するが、日本の栗はホクホクしてとても甘いので、それだけで十分だということ。

このスープは実際にお店でも出されていた様で、もちろんそれぞれの材料の質あってこそですが、文字通り素材の味を最大限引き出した絶品スープと言える訳です。

3. レシピのポイント

私が動画を見て、また自分でも作ってみて感じたこのお料理のポイントを3つ挙げます:
① しっかりかぼちゃの水分を出してあげる
② 水を入れてからは沸かさない
③ こまめに味を見る

① しっかりかぼちゃの水分を出してあげる

シェフが最初かぼちゃに塩してることからも分かるように、まずはかぼちゃの持っている水分を出して旨みを凝縮させることが重要です。特にこのレシピは玉ねぎなど他に甘みを追加できる食材がないので、この工程が不可欠。玉ねぎを炒めるときに塩をして浸透圧が何とやら、というのは比較的よく耳にしますが、かぼちゃでその思考はなかったです。

② 水を入れてからは沸かさない

星野シェフ含め複数のシェフによると、水などで出汁を取ったり食材の旨みを出してあげるとき、いきなり沸騰させるよりも温度が低いところからごく弱火でコトコトやって、段々と100°に近づけていく方がその過程で旨みがより出やすいらしいのです。それが本当なら、この工程も非常に重要。せっかくじっくりかぼちゃの旨みを凝縮させたのにボコボコやってしまっては十分にその旨みが引き出せません。

③ こまめに味を見る

これはこの料理に限りませんが、自分でも味を確認するのが大切。全て〜gと決めても良いのですが、今回のように水を大量に加えたり材料によって甘みの出方が違うものは特にこまめに味見したりしたほうが良いと思います。全て定量で固定してしまうと火加減によってより詰まったり薄かったり、かぼちゃの種類によって甘みが強かったり弱かったりと、誤差が出る可能性があるので。あくまで目安程度に考えておくのが良さそうです。

4. 個人的なアレンジ

オリジナルのレシピで作れる方はそれで良いのですが、一人暮らしをしている大学生は、定期的に作りたい料理に生クリームはなかなか使えません。高いですので。そこで成分は同じ牛乳を使う訳ですが、生クリームの乳脂肪分が40%程度なのに対して牛乳は高くても4%強ですから、当然コクが足りません。なので私はバターの割合をオリジナルの1/10から1/8にしました。

またコトコトもかなり長い時間やります。1時間くらい。牛乳を加える前にできるだけ濃厚にしてプラマイゼロにもっていこうという魂胆です。効果あるのかな。まあ水が少なくなる分に関しては後から足せるので、様子を見ながら。生クリーム使っちゃえば全て解決しますが、色々自分でやってみるのも楽しいんじゃないかと思う訳です。

5. まとめ

私は何かの料理を初めて作るときはいくつかのレシピを見て平均を取るというか、それぞれから少しずつ要素を取り出して作ります。今回かぼちゃスープの動画を複数見比べて改めて興味深く思ったのは、一つの料理にも料理人の数だけバリエーションがあるということです。ベーシックに玉ねぎが入るもの、入らないもの、ニンニクやオリーブ油が入るもの。材料だけでなく材料を入れる順番や時間、火加減など違いは多岐にわたります。様々なシェフの考えを聞くのはとても面白いですね。

私はこの料理を玉ねぎ無しで作って美味しいものができた。でも玉ねぎを入れても美味しくなるのは知っています。そこは好みの問題なので。普段よく作っていて熟知していると思っている料理でも、いつもと違う方法で作ってみると、新たな発見ができるかもしれません。

今回は以上です。ここまで読んで下さった方がいらっしゃれば、感謝します。

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