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ブリュッセル・オメガング2023

毎年6月の最終週に行われる歴史的なお祭り、ブリュッセル・オメガング。中世のコスチュームに身を包んだ人々が中心街をパレードした後、グランプラスでショウが行われます。これは1549年に神聖ローマ皇帝カール5世がこの地を訪れた際の歓迎セレモニーを再現する歴史絵巻。
私はブリュッセルに住んで十数年、夫はかれこれ20年。二人ともパレードは何度も見物したけれど、このショウはちゃんと見たことがありませんでした(一度だけ遠巻きに立ち見したことがあるのみ)。今年はぜひ観覧席に座って見てみたい…というわけで、年明け早々にチケットを予約。そして昨晩、夫と共にグランプラスでお祭りを満喫してきました。
以下、写真とキャプションのみで綴っていきます。

グランプラスに儲けられた観覧席。こちらはステージを横から見る感じになりますが、
私たちは旧市庁舎を背にしてショウを真正面から見る席(少しお値段が高い)を予約しました。
旧市庁舎の反対側にある「王の家」の前には、皇帝陛下(カール5世)の玉座を中央に、
王侯貴族の席が設けられています。役に扮しているのは実際のベルギー貴族の方々らしいです。
ちょっと霞んでいるのは、両脇でスモークを炊いているためです。
臣下の諸侯らが勢ぞろいしたところで、皇帝カール5世と、その息子フィリップ殿下のご到着。
ここからいよいよショウの始まりです。
踊りや楽器の演奏に紛れ込んでパントマイムをしたり、客席に入り込んで冗談を飛ばしたり、
最初から最後まで休まず動き回っていた道化師さん。誰よりご本人が楽しそうでしたw
従者に扮した若者たちが音楽に合わせて大きな旗を一斉に振る演技。そして、その旗を…
空中高く放り上げて、落とすことなくキャッチ!
この芸はパレードでも個別に見せてくれますが、これだけの数の旗が一斉に宙を舞うと圧巻です。
民衆の踊り。まさにペテル・ブリューゲルの絵の世界です。
カール5世の数多の領地の旗のお披露目、ブラバント公領の各種ギルドの紹介などが続きます
パレードでもおなじみの、聖グドゥールの巨大人形。ブリュッセルの守護神です。
いよいよ空が暗くなってきて、ショウも佳境に入ります
パレードでは見ることのできない竹馬の行進。いちばん高い竹馬は3メートルぐらいでしょうか。
ショウのメインイベントらしい竹馬でのバトル。
体当たりしたり、自分の竹馬で相手の竹馬を払ったりして、どんどん相手を落としていき、
最後まで落ちずに残った人が勝ち。今年の優勝者は女性でした。
竹馬バトルが終わると、ここまでに出演した人々が全員ステージに集まってきます。
スモークの煙にライトの光が幾筋も浮かび上がって、幻想的な光景
広場の中央から打ち上げ花火。上空で花開くタイプではなく、単純なロケット花火でした。
フィナーレでは周囲の建物もライトアップ。午後11時半ごろの終演でした。
振り返れば旧市庁舎の塔にもこんな光の模様が映し出されていました。

上に乗せた写真の場面以外にも、器楽演奏による人々のダンスがあったり、メゾ・ソプラノとテノールの歌手による肉声での歌が聞けたり、バンシュのカーニバルで有名な「ジル」たちが登場したりと、なかなか盛りだくさんなショウでした。見物人だけでなく、それぞれの出演者自身が大いに楽しんでいるのが分かって、会場全体が陽気に盛り上がって楽しかったです。

ちなみに、最初に乗せた観覧席の写真は開演前だったので空席が目立つようですが、ショウが始まる頃にはすっかり満席になっていました。立ち見エリアにも見物人がぎっしりで、このお祭りの人気の高さを実感しました。