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コルトレイク

今日は朝から、久しぶりの快晴。ちょうどバイトも休みの日だったので、ここぞとばかり国鉄の無料パスを利用して、フランスとの国境にほど近いコルトレイクへ行ってきました。

フランスとの国境近く…といっても小さな国のことなので、直行列車に乗ればブリュッセルから1時間弱で着いてしまいます。でも今朝は少し回り道をする列車に乗ったので(直行に乗り遅れた)1時間半以上かかってしまいました。まあ特に急ぐ理由もなし、ベルギー国内でも行ったことのないエリアの風景を車窓から楽しむことができて、かえって良かった気がします。

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↑車窓から見えた、名前も知らない田舎の村の教会。

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コルトレイクに到着して、さっそく街の中心にあるマルクト広場へ。カテドラルの塔が威容を誇っています。

小さいながら歴史のある街で、中心地にはこのカテドラル以外にも様々な歴史的建造物があります。中でも世界遺産に登録されているのがベギンホフ。ベギン会の居住区だったエリアです。

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ベギン会というのは、中世に存在した女性の互助集団みたいなもので、さまざまな境遇の女性たちが手に職をつけたり働く場を得たりできる組織だったようです。キリスト教ベースですが、修道女にはならず、世俗身分のま敬虔な信者としての共同生活が送れるように、専用の居住区が作られたのです。

ベギン会はベルギーで非常に盛んだったようで、ほとんどの主要都市にベギンホフがあったのですが、特によく保存されているのがフランドル地方で、ここコルトレイクのベギンホフも、今では一般の人々が住む住居としてそのまま利用されています。こんな歴史的な、ほとんど博物館みたいなエリアに住むって、どんな感じなんでしょうね。

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トップ画像に使ったこの二つのずんぐりした塔も、コルトレイクのシンボルのひとつ。中世の城塞都市に出入りする人の流れを管理していた城門です。ちなみにこの川はライエ川(フランス語ではリス川)。画面右端の建設クレーンがちと興ざめですが、晴天のおかげで塔と空の雲が水面に映り込んで美しかったので、つい何度もシャッターを切ってしまいました。

ベルギーは今月から準ロックダウンとも言うべき状況で、カフェやレストランが閉鎖されているので、この塔を結ぶ橋のたもとのベンチで、テイクアウトのサンドウィッチのランチをとり、さらに川沿いの散歩を続けます。

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旧市街地から少し離れたこのエリアは再開発が進んで、近代的な集合住宅の建設ラッシュになっています。なにしろブリュッセルまで電車で1時間、車でも1時間半ぐらいだし、フランスのリールはもっと近いので、ベッドタウンとして人気を集めているようです。川沿いに係留されたボートも、なかなか雰囲気のある景観を作り出しています。

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川の中州にある公園から対岸へ向かう歩道橋。大きなS字型の曲線が美しいつり橋です。この橋も、いろんな角度からたくさん撮ったので、別の記事で画像をアップしようと思ってます。

やっぱり街の中に川が流れてるって、いいですね。ブリュッセルには圧倒的に川が足りない! ホントはブリュッセルだってセンナ川という大きな川の中州に砦ができたのが起源なんですよ。でもその川は今では、暗渠になってしまって見えないんです。

あのブリュッセルのグランプラスの近くに大きな川が流れていて、晴れた日には気持ちよく散歩できるように整備されていたら、ブリュッセルはもっと観光地として人気が出たんじゃないかな~…なんてことを、考えてしまうのでした。