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ウェブメディアは専門家をスカウトする場所なのです~日テレのスッキリに出演した経緯

先日「100日後に死ぬワニ」という漫画が話題になりました。掲載が終わった途端に映画化やら書籍化やらの話が始まって、裏で大手広告代理店が動いていた、という話まで出てきて炎上する騒動もありました。

>>100日後に死ぬワニ、感動と炎上の理由は「物語」にある

この騒動は「初めから大手広告代理店が始めた企画だったのでは?」と思い込んでる人も多いと思います。私は関係者ではないので分かりませんが、Twitterで話題になった無名の漫画家に編集者等が声を掛ける、ということはごく普通にあります。これは自分からすると当たり前の話ですが知らない人も多いと思います。

少し前には人気ブロガーが本を出すという大きな流れがありました。今ならSNSのフォロワーが多いインフルエンサーやYoutuberがあらゆるメディアで大人気です。ただSNSのフォロワーを増やすのは相当大変です。個人ブログでアクセスを増やすことも同様です。

では一般人にはマスマーケットにアプローチする手段は無いのかというと、実はあります。それが「大手ウェブメディアでの記事執筆」です。SNSと並んでウェブメディアもスカウトの場なのです。

■ウェブメディアで記事を書くと取材依頼が来る理由

テレビや新聞、雑誌などでは毎日多数のニュースを報じています。ニュースを作るのは主に新聞記者やテレビ記者ですが、社内ではまかないきれない専門的な情報をもつ人材も必要です。それがニュースにコメントをしたり、解説をする専門家です。ニュース番組や情報番組ではあらゆる情報を扱うので、全ての専門家を社内で雇うのは到底無理な訳です。

ではどうやってスカウトするかというとウェブメディアです。メディアの人はメディアをみて情報を収集をします。たとえば、バラエティ番組の出演者ならSNSやYoutubeで発掘しても問題ないかもしれませんが、ニュースや新聞ならば一定以上の専門知識や信頼度(実績)がある人が出演条件です。するとスカウトはウェブメディアで記事を書いている専門家が対象になります。

当然誰でも良いわけではなく、コメントをしてほしいニュースについて記事を書いている人が対象です。たとえば、ニュース番組のスタッフが「軽減税率についてどのような問題があるかコメントをしてほしい」と考えた場合、専門家を探すならば税理士がターゲットになります。じゃあ税理士なら誰でも良いかというと当然そんなことは無く、その人が軽減税率についてどのような考えを持っているか知る必要があります。

で、ここが重要なんですが、ニュース番組の多くはトレンド情報を扱うので「今日取材したものを明日流す」という時間軸で動いています。なので日本全国の税理士に片っ端から声を掛けて軽減税率について語って欲しいんですけど出来ますか? と確認してる時間はありません。初めから軽減税率について情報発信をしている人に絞って取材依頼をします。

すると、日本国内に約8万人もいる税理士の中からターゲットになるのは、ウェブメディアで軽減税率について持論を語っている税理士のみ、という事になります。数人から数十人くらいがターゲットになるでしょうか。テレビに出ている人はツテやコネで決まる、テレビスタッフや書籍編集者は幅広い人脈を持っていてその中から選んでいる、と思っている人もいますが、これは完全に妄想です

もしすべての編集者やテレビスタッフが豊富な人脈を持っているなら、ウェブメディアで書き手不足なんておこりませんし、テレビスタッフと面識のない筆者に出演依頼なんて来ません。大手経済誌の編集者に話を聞いても、書き手や専門家の確保は本当に大変だと言います。スカウトはするものの、紹介や行き当たりばったりで探しているケースがほとんどです。

■スッキリに出演した経緯

筆者が昨年のクリスマスにスッキリ(日本テレビ)に出演して食べログの問題点について語った際も、ウェブの記事がきっかけで取材依頼が来ました。

この時は、まずは自分が「ITmedia ビジネスオンライン」で食べログに関する記事を書きました。それを見た「SPA!」という雑誌が取材に来てインタビューが記事になりウェブサイトにも掲載されました。その後、読売新聞で食べログ問題が大きく取り上げられると「SPA!」と「ITmedia ビジネスオンライン」の記事を読んだスッキリのスタッフから取材の依頼メールが来ました。12月24日に取材依頼が来て「先ほどメールを送ったんですが届きましたか?すぐに取材は可能ですか?」と電話もかかってきてその日の夜に収録、そして翌日の朝に放送です。

私はビジネスに関する記事、企業を分析する記事は多数書いていますが、筆者のようなファイナンシャルプランナーは必ずしもそういった分野の専門家とは思われていません。それでも声がかかった理由は、質の高い記事を書いていたから、他に分析記事を書いている人がいなかったから、ということになります。実際、テレビスタッフとの打ち合わせで他に食べログ問題を取り上げているフード系ライターやビジネス系の記事を書いている専門家はほぼゼロだった、と聞いています。

ウェブで記事を書いていると記事をきっかけに取材や別の仕事につながる事は“ごく普通に”あります。以前、長距離バスで事故が相次いだ際、運転手の労務管理にどのような問題があるのか、自社運営サイトで社労士の榊さんという方が記事を書いた事があります。すると記事を書いたその日の夜に電話が来て、明日の朝にこの問題を放送するので可能なら今すぐ取材は出来ないか?という事になり慌ててテレビ局に行くという状況でした。

新聞でもテレビでも、それなりに専門知識のある記者が記事を書いていますから、わざわざ専門家を呼ばなくても良い場合もあるのですが、専門家が語る事によって説得力を持たせる、という事はごく普通に行われます。つまり専門家にはメディア出演のニーズがある訳です。そしてそのニーズはツテやコネで決まるのではなく、情報発信を新聞記者やディレクターの見える場所で行っているかどうか?という部分で決まります。

当然のことながら取材が来るのは読まれる記事、面白い記事、専門家として能力が証明出来ている記事であることが前提です。個人ブログに記事を書いて取材が来るケースも極めてまれです。私がこのオンラインサロンで執筆を学んでウェブメディアで記事を書いて下さい、としつこく説明しているのはそれが理由です。

オンラインサロンはただ勉強をするだけではなく、書き手としてスカウト・オーディションをする場所であり、そして育成の場でもあります。記事を書ける人にはどんどん執筆の仕事を振ります。現在すでに3人が執筆中です。実践と学びを同時に行い、短期間で優秀な書き手になれる仕組み整えています。

このオンラインサロンから各種メディアで活躍する多数の専門家が出ることを期待しています。

中嶋よしふみ FP&ウェブメディア編集長、ビジネスライティング勉強会オーナー


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(文:中嶋よしふみ、編集:ビジネスライティング勉強会)