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「はぁ?」のビジネスモデル

10年ちかく前の話である。
あるところに、アレックスという名の、学費に悩む大学生がいた。

アレックス君は、やけくそ気味に、何も書かれていないウェブサイトで広告主を募集した。

「はぁ?」ですよね。

こんなふうにやった。

  1. ほぼ何も書いてないウェブサイトを立てる。

  2. そのウェブサイトを大きな「看板」とみなし、広告主を募集する。

  3. 広告の注文があったら、その広告主のバナーをウェブサイトに飾り、URLをリンクさせる

  4. 広告料金は、面積に応じて決める

するとどうなったか。
なぜか広告主が殺到した。

広告料金は、1ピクセルあたり1ドル。
ウェブサイトの「看板」のページは、全部で100万ピクセルの広さがあった。
それがすべて広告で埋まった。

アレックス君が手にした広告売上は、
1ドル x 100万ピクセル= 100万ドル
今の為替だと1億5千万円ほどになる。

広告で埋まったアレックス君のサイトは、今でも見ることができる。

The Million Dollar Homepage
(百万ドルホームページ)

https://www.milliondollarhomepage.com/

アレックス君は、ある意味ふざけた方法で大金を稼いだわけだが、当の本人もこんな方法でうまくいくとは思っていなかったようだ。

アレックス君がうまくやったのを見て、
「自分も似たようなことをやろう。二番煎じ上等!」
と考えた輩はたくさんいただろう。

第一、元手がほとんどかからない。
税金の心配だけしていればいい。
失敗してもダメージがないのだから、やらない理由はない。
ダメでもともと、サイトだけ立てておけばいいじゃないか。

ということで、おそらく、われわれの知らないところに、このテのウェブサイトが無数に立ち上がっているのではないかと思われる。

その中に、筆者の知る限りでは唯一、二番煎じが成功したように見える例があるので、以下に紹介する。

厳密にはこれは二番煎じではないかもしれない。
アイルランドの2人の大学生、ドネリー君とマンロー君のケースだ。

どうやら研究論文の材料にするつもりだったらしいが、ドネリー君とマンロー君は、英単語をネット上で販売した。

もう1度、言おう。

この2人は、英単語を売りに出した。

「はぁ?」ですよね。

こういうやり方だ。

  1. ウェブ上に辞書を載せる。

  2. その中の単語を売りに出す。

  3. 購入者は、その単語に、自社のサイトへのリンクを貼ることができる。

たとえばもし、筆者が「moon(月)」という単語を買ったとしよう。
すると、ウェブ上のその辞書の moon のところに、日本ビジネスモデル鑑定士協会へのリンクが貼られる。
この協会と moon(月)には何の関係もないのだが、リンクを貼ることができる。

そんなものに金を出す人はいるのか?
いた。1万人ほど。

この企画には
「ビッグ・ワード・プロジェクト」
という名前がついていたようだ。

期間限定のサイトだったらしく、現在は見ることができない。



(ChatGPT-4で動きます)

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