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ジャパンディスプレイが生み出した革新。


 先日、株式会社ジャパンディスプレイ(JDI)は千葉県に所在する茂原工場にて今年12月より次世代有機EL「eLEAP」の量産開始を発表。それと並行する形で14インチ型ノートPC用のeLEAPも開発しました。
そこで「eLEAPはどこがどうスゴいのか?」を分かりやすく解説していきます。

そもそもジャパンディスプレイ(JDI)って?

ソニー、パナソニック、日立といった大企業の液晶事業を政府系ファンドである産業革新機構(現 産業革新投資機構)の主導の元で統合し誕生した液晶ディスプレイメーカーです。
日本を代表するメーカーが結集したため「日の丸液晶」と呼ばれる事が多くあります。
ディスプレイ売上高ランキングは2021年度時点で世界9位。
同社は現在、株式会社JOLEDの開発部門を引き継ぎ、より優れた製品開発に尽力しています。
赤字は続いていますが技術に関しては世界でも上位であると言えます。

そもそもeLEAPって?

 ジャパンディスプレイの技術力を結集し、有機ELのメリットはそのままに更なる高性能化を図った次世代有機ELです。次の項目ではそのeLEAPがどうすごいのかについて分かりやすく解説していきます。

eLEAPのココがスゴい①長寿命

ジャパンディスプレイ公式サイトより引用

 従来の有機ELと同じ輝度でeLEAPを使用した場合では寿命は3倍と大幅な飛躍を遂げています。また信頼性も高くなっています。

eLEAPのココがスゴい②超高輝度

ジャパンディスプレイ公式サイトより引用

 従来の有機ELと比較して2倍の発光エリアを実現。これは世界初となる快挙です。また14インチ型ノートPC用eLEAPは従来の3倍の発光エリアを備え、屋外でも快適な使用ができるようになりました。

eLEAPのココがスゴい③かなりエコでコスパいいとかいろいろ…


ジャパンディスプレイ公式サイトより引用


 従来の有機ELはメタルマスクと呼ばれる治具が使用されており、それを再利用する際には大量の有機材料を使用して洗浄する必要がありました。
一方でeLEAPはメタルマスクを一切使用しないため、従来品と同じ条件で月に3万枚を生産するとした場合、杉の成木1700万本の吸収量に相当する年間15万トンの二酸化炭素を削減でき、より環境に配慮しながら生産ができるのです。これはコスト面でも大きなメリットとなります。
 そしてeLEAPの生産方式だと従来では困難であった自由形状デザインや高精細化、ディスプレイサイズの大型化も実現可能となりました。
eLEAPの生産方式はただエコであるだけではなく、様々な点において従来の有機ELを超越していると言えます。

eLEAPの特徴まとめ

・長寿命
・超高輝度
・エコ
・コスパいい
・従来できないこともできる
・日本製(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でも「日本製は最高」と言われている)

 ジャパンディスプレイがアピールする「世界初、世界一」はただのキャッチコピーではなく、事実が伴ったものとなっているのです。これから先、eLEAPが様々な所で活躍する事に期待したいです。

余談 私がeLEAPに期待する事

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 今後スマートフォン向けのeLEAPの開発、量産も開始すると発表にもあるように、将来的にはeLEAPを搭載した機種がメーカーから発売される可能性が高く、eLEAP自体も多くのメーカーより高い関心が示されており、引き合いもあったとのことでその可能性はより高まっています。
 筆者としてはXperia(ソニーのスマホブランド)にも搭載されてほしい製品です。仮に搭載されればXperiaの特徴であるBRAVIA(SONYのテレビブランド)譲りの映像美が新たなステージに突入することが目に見えています。
 そして有機ELの課題であった焼き付きや屋外等での明るさ不足といった面もeLEAPで解決されるので性能がより高くなるのではと期待大です。
ってことでソニーさんは早くeLEAPを採用してください。お願いします!

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