いまだ訪れざるものの一例

言うなれば人はみな卵だからです。私たちは生きて存在していますが、己の運命たる次元にはまだ到達していません。我々は純粋な可能態であって、いまだ訪れざるものの一例にほかなりません。

ポール・オースター『ガラスの街』より。

運命、という言葉を、『輪るピングドラム』の台詞でしきりに聞くまでは、正視することも無かったように思われる。

萩の月 無言でつぶす女の眼

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