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広告会社に勤める傍ら美大に通っています。デザインやアートに興味がある風で、本当は社会学…

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広告会社に勤める傍ら美大に通っています。デザインやアートに興味がある風で、本当は社会学とか文化人類学とか記号論とかが好きです。そして今は詩とLINEスタンプが生きがいという、結構とっちらかっている人間です。でもとっちらかっているのもそんなに悪くないかなと思うようになりました。

マガジン

  • 言葉と文章を作ることについて

最近の記事

武蔵野美術大学 卒業制作展の展示物

武蔵野美術大学大学院に社会人大学院生として入学したのが2019年の4月。あっという間に卒業を迎えました(大学院なので正しくは修了です)。美大生にとって卒業制作展は一つの風物詩ですが、デザインの素養もアートの素養もない自分が、卒業制作をして展示するなんて想像もしていませんでした。 卒業制作では、修士研究のテーマだった「デザイン活動のパターン・ランゲージ」というものをカードと冊子にして展示しました。本当はカードも冊子も来場いただいた方全員にお配りしたかったのですが、量産ができず

    • ムサビの学び CLのリアル

      もうすぐ社会人学生として2年間通った武蔵野美術大学大学院 造形構想研究科 クリエイティブリーダーシップコース(通称CL)という、とても長い名前の大学院を卒業します。あっという間でした。ただでさえ仕事で忙しいのに、社会人が通う大学とは思えないくらい課題がハードで、息つくヒマもありませんでした。(それで時間をかければかけた分だけ良いものができるのか、評価されるのか、というとそんなことは全くないのが美大らしいところです) なんか分からないけど面白そう! ワクワクできそう! という

      • 森見登美彦的な創作プロセス 2

        前回(こちら)、作家の森見登美彦氏が、エッセイ集『太陽と乙女』の中で、自身と劇作家の上田誠氏の創作法について次のように語っている部分を紹介した。 ・自分が作りたい作品の全体構想をあらかじめ粒度高くFIXするなんてことはできない ・とりあえず作りはじめてみて、作りながら新たな発見を繰り返す。そういう風に制作は進めていくのである。 そして、私自身の考察として、「森見氏が言及しているのは、自身と上田氏の作品づくりのおけるプロセスであるが、実はこれ、あらゆるものを作るときに言える

        • 森見登美彦的な創作プロセス 1

          先日、小説家の森見登美彦氏の新作『四畳半タイムマシンブルース』が出版された。この本について少し調べたら、劇作家の上田誠氏の戯曲『サマータイムマシン・ブルース』が原案ということを知った。 『マータイムマシン・ブルース』は2005年に映画化もされていたらしいので、早速みてみた。み始めると、昔どこかで見みたことがある映画だった。 当時の感想は、「なんだか不思議な映画だなあ」というくらいだったのだが、15年近くたってみても同じだった。ある地方都市の大学サークルの部室に、突如タイムマ

        武蔵野美術大学 卒業制作展の展示物

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        • 言葉と文章を作ることについて
          2本

        記事

          ああ夏休み・・・って感じのサマータイムマシンブルース。今みたらエモい。そしてムロツヨシが普通の大学生やっている不思議さ。からの今夜は親バカ青春白書。

          ああ夏休み・・・って感じのサマータイムマシンブルース。今みたらエモい。そしてムロツヨシが普通の大学生やっている不思議さ。からの今夜は親バカ青春白書。

          過去への回帰ではない 未来型自然化社会

          武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップ特論 ユニバーサルデザイン総合研究所代表の赤池学先生 2020年8月17日(月)、ユニバーサルデザイン総合研究所代表の所長であり、科学ジャーナリストでもある赤池学先生のお話を伺った(著書「生物に学ぶイノベーション」など)。赤池先生はもともと生物学(昆虫発生学)、工学設計、美学を学んだ後、ジャーナリストとして働きながらユニバーサルデザインを学び、1996年にユニバーサルデザイン総合

          過去への回帰ではない 未来型自然化社会

          アフターデジタルはユートピアかディストピアか

          武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップ特論 株式会社beBit 藤井保文さん 2020年8月3日(月)、株式会社beBitの藤井保文さんのお話を伺った。藤井さんは、デジタル化が進んだ先の世界を描いた『アフターデジタル』とその続編で7月に発売されたばかりの『アフターデジタル2 UXと自由』の著者である。 東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 修士課程修了の後、2011年ビービットにコンサルタントとして入社。2014

          アフターデジタルはユートピアかディストピアか

          大量生産・消費時代の金沢デザイナーのアウラ

          武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップ特論 株式会社雪花 上町達也さん 2020年8月3日(月)、secca inc(株式会社雪花)の上町達也さんのお話を伺った。上町さんは、先端の3Dデジタル技術や新素材に、金沢で育まれた伝統工芸技術を掛け合わせて新しいものづくりを追求している、Secca(雪花)の創業者兼デザイナーだ。上町さんのお話で印象に残っているのは、「自分の得意な領域で勝負をしないといけない」ということである

          大量生産・消費時代の金沢デザイナーのアウラ

          現代版 街づくりのパターン・ランゲージ

          武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップ特論 芦沢啓治建築設計事務所代表 石巻工房代表 芦沢啓治さん 2020年7月27日(月)、芦沢啓治建築設計事務所代表の芦沢啓治さんにお話を伺った。芦沢さんのバックグラウンドは建築や家具だが、視野の広い地域デザイナーでもある、というのがお話を伺った感想だ。 Made in Local横浜国立大学建築学科卒業後、1996年~architecture WORKSHOPに参加、2005

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          八女筑後の伝統を守るうなぎ

          武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップ特論 うなぎの寝床 代表取締役 白水高広さん 2020年7月20日(月)うなぎの寝床 代表取締役 白水高広さんのお話を伺った。白水さんは、うなぎの寝床を立ち上げる前から、福岡県南部(八女)・筑後地域の商品開発やブランディングに携わっており、「地域ブランディングの総合商社」だな、という印象を受けた。そう思っていたら、後でご本人が「地域文化商社」を目指しているとおっしゃっていたので、

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          アート思考とは No.2

          アート思考について。「『問い』を自らつくること」「自分なりのものの見方で世界を捉えること」とか言われます。パブロ・ピカソの「子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ。」という名言に言及されます。米津さん、シンプルに言ってました。4:55くらいから。「別にいいじゃないですか。空に種まいたって」

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          アート思考とは No.1

          デザイン思考とアート思考創造的な思考プロセスをメソッド化した「デザイン思考」と「アート思考」。「デザイン思考」は少し先進的な取り組みをしている企業ならば内側で定着し、実践されて始めている感がある。一方「アート思考」については言葉がようやく普及しはじめた段階で、定義はまだ曖昧なのではないだろうか。一つの例として、(株)Saltでは以下のように整理している。(→参照) この2つの思考法は視点・立脚点の違いであるとし、どちらが優れているというわけではない。両者を使い分け、あるいは

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          防災デザイナーのクリエイティビティ

          武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップ特論 国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 嘱託研究員/教官、鉄道系サービス会社BC研究センター 主任研究員/人命安全研究会・座長デイビッド・佐伯 潤 先生 2020年7月13日(月)、国士舘大学のデイビッド・佐伯 潤さんのお話を伺った。この方は、防災やBC 、人命救助まわりで様々な肩書きをお持ちだが、つまるところ「防災のデザイナー」だと認識した。でも「防災のデザイナー」とはどん

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          東大の文化人類学者、アメ横の人になる

          武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップ特論 アメ横 呑める魚屋「魚草」 代表 大橋磨州さん 2020年7月6日(月)、アメ横で呑める魚屋「魚草(うおくさ)」を営む大橋磨州さんのお話を伺った。この回は、大橋さんのプロフィールをご紹介いただいた時点で、すでにワクワクした。 アメ横のフィールドワーカー 大橋磨州さん ・東京大学文化人類学 大学院中退。  ・修士論文のフィールドワークでアメ横に入り、その魅力に魅了され、中退

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          社会の手触り

          武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップ特論 株式会社インフォバーン 取締役 京都支社長 INFOBAHN DESIGN LAB.(IDL)主管 デザイン・ストラデジスト 井登友一さん 2020年6月29日(月)、株式会社インフォバーン京都市社長 井登友一さんのお話を伺った。井登さんのバックグラウンドは社会学である。社会学の中でもシカゴ学派にルーツを持つ質的調査を学ばれていた。もともと新聞記者を目指し、同志社文学部社会

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          DisegnoデザインのMalinconia憂鬱

          武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップ特論 九州大学芸術工学研究院の古賀徹さん 2020年6月22日(月)、九州大学芸術工学研究院の古賀徹先生に「インダストリアル以後のデザインとリーダーシップ」というテーマでお話を伺った。ただ個人的な所感は内容をまとめると、「哲学とデザイン」についてである。 古賀先生の専門は哲学である。以前読んだ『デザインに哲学は必要か』(2019年 武蔵野美術大学出版)という書籍の1章を古賀先生が

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