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成すべきこと

私が現時点でというか、定年までにすべきことは、非常に明確ですが、それゆえに重要な事柄であり、今後の日本にとって一番必要なものでもあります。

それは、技術者として経験してきたことを、次の世代に残すということです。

いま日本は、技術、特に電気・電子回路に関するものに関しては空洞化していると過言ではないと思っています。
私の場合は、特にその中でも特殊な分野に入るであろうAC/DC電源やDC/DC電源の技術者ですのでそれを次の世代に残していくということになります。

電源(特に充電器やACアダプタと呼ばれるもの)は、皆さんの身の回りにあるものを見ていただくとわかる通りほとんどのラベルに
「Made in China」
と記載されていると思います。
その中には日本で設計され、中国で製造されたものもあるとは思いますが、ほとんどは中国で設計・製造されたものです。

いま日本で一から電源を設計できる技術者は非常に少ないと思います。
それは、2000年初頭に企業が中国深圳に人件費の問題で製造移管してしまったからです。

私自身ブランクがありますので完全ではありませんが、トランスやチョークコイルの設計までやっていたので、設計は勘を取り戻すのに時間がかかるかもしれませんが、部品選定はできますし、どんなことに気を付ければよいかぐらいはわかります。

いまでは残念ながらシミュレーションに頼り設計する方も増えているようですが、実際に自分で定数などを変更し、オシロスコープなどの計測機器で波形の変化を品質工学を用いて設計し、経験することの方がよほど身につくと思っています。

成功体験は実はどうでもよくて、自分が経験した苦労や失敗談を次の世代に残すことで、どんな点に注意して部品選定すればよいか、回路設計をすればよいかということが身につくのです。

私一人の力は微々たるものですが、これを次の世代に残すことが私のなすべきことだと思っています。

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