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インターンシップコンテンツはどうやって立案すればよいか?

「インターンシップは何をすればいいの?」
なかなか良いアイディアが浮かばない方も多いかもしれません。
インターンシップとは、学生が、その仕事に就く能力が自らに備わっているかどうかを見極めることを目的に、就業体験(企業の実務を体験すること)を行う活動と定義されます。
インターンシップは、会社説明だけではなく、体験をいれることが求められます。
人事担当者や経営層の頭を悩ませるのが、インターンシップの中身です。では、どのようなインターンシップが、学生に好印象を与えることができるのでしょうか。

インターンシップコンテンツの必要性とは?

インターンシップコンテンツとは、企業がインターンシップ生に向けて提供する、業務内容や職業体験に関する情報やワークのことです。
これらのコンテンツを通じて、学生は企業で働く前に、どのような業務に携わることになるのか、どのようなスキルを身に着けることができるのかを知ることができます。また、企業側にとっても、インターンシップ生に対してきちんと説明することで、業務内容を理解してもらい、スムーズな業務遂行ができるようになります。
採用のマッチングやエンゲージメントを高めるためには必要不可欠なファクターになります。

学生が好印象を頂くインターンシップとは?どのようなコンテンツが魅力的か?

「マイナビ 2024年卒大学生 広報活動開始前の活動調査」によると、対面型のインターンシップで好印象だった理由としては「社風が自分に合っていた」「やりたい仕事ができるから」「働いている人が自分に合っているから」と続いています。
数回のインターンシップで社風を理解できるわけではないので、好印象を作り出している因子は「現場社員の印象」「ワーク内容」であると推察します。
では、インターンシップのワーク内容はどんなところを意識すればよいのでしょうか。筆者は学生が成長を感じる項目に注目しています。
学生はインターンシップを通じて「主体性」「課題発見力」の成長を感じたと回答しています。
見方を変えると、「主体性」「課題発見力」を醸成できるワーク内容は、学生に満足をあたえ、会社の印象を良くすることができる可能性があります。
私の持論ですが、学生が感じる成長感と志望動機とは近い感情です。
インターンシップを通じてポジティブな印象をもてば、志望動機も高くなります。逆に違和感があると、そのままの印象で志望動機も下がります。
「良い成長体験をさせる」「現場社員の印象」などに注意しながら設計する必要があります。

インターンシップコンテンツ立案のための注意点とは?

インターンシップコンテンツの詳細設計に関しては別の機会にお話しますが、本稿では、詳細設計の前段階で入れるべき立案時に入れるべき要素を紹介します。
コンテンツの詳細設計をするにあたって入れるべき要件だと思ってください。6つの要素があります。
 
①    議論しやすい場づくり
初めて会う学生同士が、いきなり議論をスタートすることはできません。またグループワークの作法も知らない方もいるかもしれません。まずは自己紹介やアイスブレイクなどを入れ、グループワークの進め方の解説など行うことが必要です。
 
②    インプットとアウトプット
いきなり考えさせても良い成果物はうまれません。議論の素や要素をインプットする時間をつくることも大切です。例えば、座学などで情報提供するなど工夫が必要です。インプット後に議論の時間を与え、アウトプットさせると成果物そのもの精度が上がります。
 
③    混乱期~問題解決までのプロセスを体験
簡単にできる課題に対しては、学生はあまり興味を持ちません。ある程度の難易度を設定することが必要です。また、時間の経過とともにヒントやアドバイスをいれるなどし、インターンシップの最後にはある程度の成果物が出せる状態にするファシリテーションも必要です。インターンシップを通じて成長を感じてもらうことが大切になります。
 
④    フィードバック
どのようなフィードバックを誰が行うのかも重要の要素です。可能であれば現場社員がアドバザーとしてグループワークに参加することが良いでしょうか。終日参加が難しい場合は、インターンシップの会の最後に参加するだけでも構いません。
フィードバックする際には、ポジティブなコメントを心掛けましょう。
「どこが上手くいかなかったか認識はある?」など促す問いかけも効果的です。
「課題が見えているのであれば改善できるから大丈夫だよ」と労いの言葉をかける方法もあります。
(余談ですがZ世代は推しの文化の人たちです。ストレートにダメ出しをすると嫌われてしまいます。何か良い点をフィードバックしながら、もっとよくするためにはこうしたほうが良いと促していくことが大切になります。)

⑤    先輩社員との交流
前述した通り、学生は現場社員を通じて、社風や仕事のマッチングなどを見出そうとします。志望動機を醸成するためにも、現場社員の方との交流の機会を持つことは大切です。インターンシップのワークに参加できない場合は、会の終盤に先輩インタビューの時間をつくるだけでも効果があります。
 
⑥    1回ですべてを理解できないものとして設計する
ワンデーインターンシップで自社の仕事内容や魅力をすべて伝えることはできません。また、学生自身も1回だけで理解することはできません。可能であれば、難易度やレベル、コンテンツ内容を変えて、複数回実施する企画にすることが大切です。

成果を出すための実践的なアドバイス

「そうは言っても、インターンシップは何をすればいいのか、さっぱり思いつかない」
そんな時は、自社の新人教育や社内研修の教材を活用できないか社内資源を探すことも大切です。
・若手開発者が利用する議事録のテンプレート
・ドキュメンテーション教育の研修テキスト
・新人教育用の電話対応マニュアル
など実務を支援する教材をインターンシップで利用できないかアイディアを思案していく方法もあります。
要素やアイディアはあるけれどコンテンツ設計ができないという場合は、弊社グラビィがご提案することも可能です。

Web(オンライン)と対面(リアル)、どっちがいいの?

インターンシップを開催するにあたってWebと対面現地開催どちらがよいのか悩むかもしれません。
インターンシップのワークは広義の意味で研修とも解釈できます。マイナビの調査では、Web型でも効果自体に差は出ないと調査結果がでています。
コロナの集団感染リスクなどを考えると、母集団形成段階でのインターンシップはWeb型の方がリスクは少ないです。
ただし、Web型には専用のツールが必要になります。Web会議ツールに接続しながら、スムーズに進行するための仕掛けが必要になります。

まとめ

本稿は、「インターンシップコンテンツはどうやって立案すればよいか」という観点で、詳細設計する前に考えておくべき観点をお話しました。
・学生はインターンシップを通じて「主体性」「課題発見力」の成長を感じる(期待する)
・コンテンツは「良い成長体験をさせる」「現場社員の印象」などに注意しながら設計する
・6つの要素を踏まえて要件定義する
・コンテンツはWeb型でも効果は期待できる
 
次回は、インターンシップコンテンツの詳細設計する際のポイントに関してお伝えできればと思います。
本稿が皆さまも採用広報の一助になることを願っています。

参考サイト
マイナビ 2024年卒大学生 広報活動開始前の活動調査
https://saponet.mynavi.jp/column/detail/20230222094444.html
 
今さら聞けない!「インターンシップ」とは?
https://saponet.mynavi.jp/column/detail/20220415151946.html
 
学習効果の比較
https://hrd.mynavi.jp/products/online_training/

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