16. シンメトリーを追いかけるアシンメトリー アシンメトリーに力を借りるシンメトリー
体調を崩して、ほとんどのことを一旦置いておいて、身体にあらわれる病状も、心の動きも流れにまかせてみていた。
その間に浮かんだ文章の種のいくつかだけはタイトルやかき出しまでメモのように残していて、これはその1つ、、続きをかいてみよう。
タイトルが浮かんだときは、日本庭園と西洋のお城などの庭 と お化粧 のことが頭にあったと思う。
野山の自然を理想の配置に収める、日本庭園は自然を写そうとしている部分にシンメトリーへの憧れを含んでいるように感じるし、
シンメトリーがベースにあるお城の庭はその広がりを構成する木々1本1本まで左右対称に作り込まれている印象が強く
でもトピアリーの内側の枝は左右非対称。
お化粧は、一見左右対称で実はそうではない人間の顔を、シンメトリーを目指して整え、描き足すことで美しいと感じる姿に近づくと言われている。
でもその均整に、ほくろや 横分けにした髪 片方だけのイヤリングは邪魔にはならずに魅力を添える。
内臓が多くは左右非対称なことも、
シンメトリーとアシンメトリーの両方を、目や 身体全体 心 が求めていることに関係があるのだろうな
この夏から秋への間の数日、ただただ横になっていた。体調は酷かったのに、目を開けたときに見た空も 太陽の光も 雲も 風の音も 星も 月も 夢のようにきれいで、そのことの方を覚えていたいと願っていたし、実際記憶に残っている。
起き上がれるようになった日、秋が来た。
とまらず動き 廻る 世界 宇宙
完全な球体に見える太陽を追い続けるような 追われ続けるような、アシンメトリーの表情の月
月の力を借りて生かされている地球
バランスは想像もできない大きな枠の中でいつも注意深く調整され、保たれていて
無い方がいいものは少ないのかも知れない
目に見えないものと見えるもの
どちらも同じだけ大切に想っていたいから
これ以上空気を汚したくない
見える星の数を減らしたくない
欠けてゆく月が寂しくないように
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