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「化物」

初めまして。中央大学第二演劇研究会一年の大森渓(おおもりけい)と申します。
秋公演では役者と舞台補佐を兼任しております。

ブログを書くといっても何を書けばいいのかわからない。パソコンに向かう自分の顔にしか目がいかない。軽い自己紹介でもしようと思うが、「お前なんて知ったこっちゃない」と、もう一人のシニカルな我が囁くのだ。そんな自意識との闘いのなか、文字として紡がないといけないわけである。なんと厭わしいことだ。

大学生活が始まってから早半年。知らない土地に引っ越し、哲学を齧ったり、フットサルサークルに入るも大学生ノリに辟易して結局やめ、どう行き着いたのか演劇を始めたり、そんなことをしているうちにあっという間に今日まで来てしまった。

日に日にカオスの極まる自分の思想。それは他人とコミュニケーションをとればとるほど深まっていく。好奇心のがらんどうを埋めようとする快感。それと裏腹に、自分の知見の浅さや思慮の足りなさ、なんといっても他人を知った気になっていた自分の烏滸がましさに嫌気が指す。所詮社会というものは、仮初に塗れていて、目に映るものはたかが自分の理想に過ぎないのではないか、それが真実であれば私はこの世において何を知りうることができるのか。そんなことばかり頭に過るのである。

星野源さんの「化物」という曲がある。私が中学生の時に初めて知り、なんとなく良い曲だな、と思っていた曲にすぎなかったのだが、上述のような私の心中に何年越しになるだろう、ものすごく応えてくるのだ。

風呂場で泡立つ 胸の奥騒ぐ

誰かこの声を聞いてよ
今も高鳴る
体中で響く
思い描くものが
明日を連れてきて
奈落の底から
化けた僕をせり上げていく
知らぬ僕をせり上げてく

「化物」(作詞作曲/星野源)より引用

人間など仮初の自分を纏った化物にすぎないのだ。そう割り切ってみる。
そして、そんな人間が、舞台の上では自我からかけ離れたキャラクターに化けるのである。化物がさらに化けるのである。
なんて馬鹿げているのであろうか。

「化けた僕をせり上げていく、知らぬ僕をせり上げてく」
この一節に私が演劇をする意味が詰まっているようにも思える。
うまく言語化できない思いをこの曲は全て背負ってくれているような気さえする。

と、思いを巡らせているうちに自分でも何を書いているのかよくわからなくなってきました。とりあえず演劇を通じて色々な変化を楽しみたい。これに尽きます。

以上、演劇初学者の痴れ言でした。

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中央大学第二演劇研究会 2023年度秋公演
 『枝折り』
演出・脚本: 三谷陸人
日時: 11月9日(木) 18:00
   11月10日(金) 18:00
   11月11日(土) 13:00/18:00
   11月12日(日) 12:00/16:00
会場: シアターバビロンの流れのほとりにて
予約サイト

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