分岐ルートC

「もう少し休んで行く?」
「いいえ。もう十分。」
「そっか。もう行くのか。少し寂しい。」
「何を寝惚けたこと言ってるの。一緒に行くんだよ。」
「え?」
「早く支度して。」
「ええっ、ちょっと急過ぎない?」
「とにかく行くよ。」
「ちょっと待って。」
「大丈夫だよ。大切なことは後でわかるから。」
「そうなの?」
「そういうものだよ。」
「そうかあ…そうか?」
「長いこと待たせてしまったね。」
「待ってた、のかな。」
「待ってたでしょう。ずっと。」
「そうはっきり言われるとそんな気がしてくる。」
「一緒にいないとこれから困ったことが起きるんだよ。」
「何が起きる?」
「あなたが何もかも見逃す。」
「それは困るなあ。」
「でしょう?」
「何かの予感がある?」
「あるよ。」
「やっと新しい扉が開きそうなの。」
「まだ開かないかもしれないよ。」
「開かなければこじ開けるだけだ。」
「強引だなあ…。」
「頼もしいでしょう?」
「まあね。」
「もちろん、手伝ってもらうよ。一人じゃ頑張れない。」

「うん。任せて。」