数秘でみるセレブの半生/エレン・デジェネレス 「自分に正直に生きる」②

その①はこちらです↓

「5と8のコンビネーションの力」

ディステニーナンバー  (運命数) #8

挑戦と開拓をテーマに持つ「8」は、不可能を実現する人と言われます。(以下デスティニ-)また、物事の具現化が高いのが特徴で、良くも悪くも宣言し意図したことが実際に起こってしまうのですが、デスティニーナンバー(運命数)8を持つエレン自身も驚くようなエピソードを持っています。

22歳の時、同棲していた恋人が突然の事故で帰らぬ人になりました。エレンは諸事情からアパートの退去を余儀なくされてしまい、地下のノミだらけのアパートに止むを得ず引っ越しました。恋人がもう居ないという深い喪失感と、恋人の代わりに自分の目の前にはノミがいるというどうにも理解できない現状に思わず、
『神よ、これは一体どういう意味なのですか?』
と神様に電話をして質問したい衝動にかられます。この時つぶやいた神との架空の会話をコメディ用に構成したものが、後にテレビデビューのきっかけになるのですが、当時のエレンには知る由もありません。このネタを書き上げ、エレンは自分自身に向かってはっきりとこう宣言したそうです。
「私はジョニー・カーソンのナイトショーでこのネタをやります。番組史上初の女性コメディアンとして、彼に、さあどうぞこちらに、と言われるの!」

その6年後、エレンが前に宣言した通り、本当にジョニー・カーソンのプライムタイムショーに初のコメディエンヌとして出演が叶ったのはお見事でした。彼女の場合は具現化パワーが強い「4」を他のコアナンバーに3つも持っているので、現実化へ拍車がかかったのかもしれません。

変化のバース5と不可能を可能にするデスティニーの8が組み合わさると、時に自身の変容を通して理想の実現化の力が色濃く出てきます。また5も8もどちらとも挑戦する力強さを持つので、5が未知の世界を切り開き、実現に向けて切磋琢磨する8が後押しをしたコンビネーションが働き、エレンのカミングアウトも世間で大きなセンセーションを巻き起こすことになったのかもしれません。数字のパワーバランスを取るためにブリッジナンバー(8-5=3)である3をうまく使う、つまり、人々に笑いや喜びを与えることで、新しい展開を生む力が極めてうまく出たのでしょう。

また、エレンにはその人の良さ、場の可能性を最大限に引き出すデスティニー8ならではのマジカルな才能があります。彼女の人気番組「エレンの部屋」には、オバマ元大統領夫妻をはじめ、名だたるハリウッドスターやSNSで話題の人達、悩みを抱えた一般視聴者など、分野を越えたあらゆる世代の方が出演しました。憧れのスターにご対面できるサプライズを視聴者に届ける時もあれば、生活が不安な親子に新車や小切手をプレゼントするなど、関わる人達を精神的、物質的に豊かにする8のマジック。自分だけでなく他人の人生も豊かに変える力があります。

加えて、実は5は芸能度数も高いナンバーです。
「カミングアウトはギフトだった」と、後に母ベティが著作で記しているように、辛い時期はあったけれど、それによって拡大する人生の幅と豊かさ。突出したコミュニケーション力で人を楽しませるエレンにとって、コメディエンヌはまさにTrue Calling(天職)と言えます。

自分らしくいられる場所

Soul Number <ソウルナンバー>  #4 (40) 

「4」は、植物が太陽を浴び、地面に根っこをしっかりと張っているような堅実さがあります。ソウルナンバーに4を持つ人は(以下ソウル)どんな場所でも根を張って生きる事を魂で求めます。同じようにエレンには過去、本当の居場所探しを促されるような出来事が起こりました。「キャリアを失わないために自分のセクシャリティを隠し続ける」「母の再婚相手に性的なハラスメントを受けて家出する」「父の再婚相手から”うちの小さな娘に影響があってはいけない”という理由で追い出される」など、これらの要因によって居場所の定まらない時期を長く経験しています。

先に母親にカミングアウトをしたのは20歳の頃です。自分のセクシャリティを自覚してからまだ時間が経っておらず、母親と海岸を歩きながら、泣いて告白したそうです。母ベティも実の母といえど、突然の娘のカミングアウトに驚きを隠せず、わかってはいても本当に理解するのに時間を要したといいます。

変化を好むバース5と安心感を求めてしまうソウル4は実は逆相の関係です。逆相というのは、簡単に言えば「相反する相性」のことですが、変化を望んでいるのにも関わらず、どこかで今の現状や自分のペースを壊したくない!という気持ちが出やすくなります。本当の自分を求め、変化を望んでいるのにもかかわらず自分自身にOKが出せない、そんな現状にずっと戸惑いを感じていたのかもしれません。外部からの抑制と内からの衝動を数多く体験して来た事が想像できます。

運命の出会い

楽しく華があり、会話はウィット、エレンは本当に魅力的でした。コアナンバーに自由奔放なバース5を持つ故に、愛情面では目移りしがちに見えますが、実際のエレンは一途で誠実な人でした。ソウル4らしく、本当に自分が落ち着ける関係を探します。運命の出会いは幾つか訪れており、その中でも特にエレンに影響を与えたのは、初めて同棲した恋人キャサリンと、現在の妻のポーシャ・デ・ロッシでしょう。

事故でキャサリンが悲劇的な死を遂げてから、長い間エレンは罪悪感と喪失感に苛まれていました。しかし現在は、自分のライフワークを得るきっかけを与えてくれたキャサリンに深く感謝し、次第に負の気持ちを昇華させることができたといいます。ポーシャに関して言えば、最初は相手の一目ぼれだったようですが、出会ってから実際に交際に至るまでなんと4年もの年月がかかっています。ポーシャ自身も、過去に自分のセクシャリティを公表できずに悩み、摂食障害で体重が37キロまで落ち込んだ一人です。エレンは精神的にもサポートしています。

「 『他人がどう思うかどうかなんて気にしない。自分が自分であること以上に良いことなんてなく、誰かのふりをする必要なんてないのよ』エレンがそう私に言った言葉は、男であるとか女であるとかの前に、人間として誰もが一度は思い、欲求してやまないことでした。」妻であるポーシャは、エレンと出会った当時を振り返りながらそう語ります。

2008年5月、 カリフォルニア州最高裁が「同性婚を認めないのは州憲法違反」との判決を下し、二人はようやく同性婚を果たします。
「籍を入れた人ならだれでも知っていますが、そこには違いがあります。二人をしっかり繋ぎ留めるものがあると安心するのです。私は死ぬまで彼女と一緒にいるでしょう。」

自分に正直でいられる、最も落ち着ける場所にエレンがたどり着いた瞬間でした。

その③↓へ続きます。