業の秘剣 第一片 閉ざされた秘密
序章
──秘剣の秘密は閉ざされた。誰も見知らぬ闇の奥へ──
太陽と砂の国、国の王たちは何代にも何代にも渡り国を治め続けた。
しかし、太陽の国の王たちは限りある命を恐れた。限りある命を永遠のものとせんと、王たちは様々な知略、策略を講じたと。
西の国の果てから東の国の果てから不老不死になると伝わる薬を取り寄せては試し、効果の現れんままに王たちは地下の墓地への中への沈んでいった。
だがあるとき、戦火が起こった、東の果ての国との戦争である。
東の果ての軍将は強かった。鉄仮面を身にまとい。驚きの軍力を持って太陽と砂の国を制圧せんとした。
しかし、太陽と砂の国の砂漠が拒み、戦いは長引いた。
ある日、太陽と砂の国が東の果ての国に奇襲を掛ける事ができた。鉄仮面の軍将は一本の矢を胸に負った。
軍将はよろめき、奇襲は成功したかに見えたが、鉄仮面の軍将は後ろに下がった。
そして、しばらく経ったころ、鉄仮面の軍将は何事もなかったかのように陣に戻ったのだ。そして、再び式をとる。
このとき東の果ての軍は後ろに引いたが、敵将の鉄仮面の奥には何か秘密が眠っているのではないかという推測を経た。
次なる奇襲を太陽と砂の国は虎視眈々と練った。
東の果ての国は消耗している。次の戦いで最後にせんと。
だが予想に反して、次の攻撃は東の果ての国からだった。
馬に乗った騎兵たちが突撃してきた。奇襲を正面から受けた。しかし、太陽と砂の国の守りは固かった、すぐさま攻勢に転じると、騎馬隊を次々と破り、ついに軍将の首を取る目前にきた。
そして、軍将の首が跳ねられた。太陽と砂の国の将軍は跳ねられた首の鉄仮面の中身を確認した。
未だ誰もその鉄仮面の姿をみたものはいない。
鉄仮面の中には、なんと若々しい青年が入っていた。
鉄仮面の軍将はかなりの歳のはず、そもそも鉄仮面の下に永遠の命を宿していると思われていた。
そして、太陽と砂の国の将軍は鉄仮面の軍将の手から離れた、凛々しい鉄の剣に目が止まった。
そして凛々しい鉄の剣を手に取ると、不思議な感覚を覚えた。
まるでこの剣が命を持っているよな、そして更に命を欲しているような。
太陽と砂の国の将軍は命じた。
「鉄仮面の軍将の秘密は鉄仮面にあり!これを厳重に国に持ち帰るぞー!」
そして自らは一番の魔を放っているであろう、凛々しい鉄の剣を懐に収めた。
一時の東の果ての国の軍将との戦いの勝利である。
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