ニートが異世界で籠城戦するってよ!

【高度な引きこもり少年、なにもやってないのに突然の死!】
【本文】
 俺、佐藤裕也。
 無職ひきこもり。
 いつ学校をやめたかまったく思い出せない。気がついたら、部屋に引きこもってネトゲをするようになっていた。
 部屋に引きこもるようになって一日二十時間はゲームをするようになったと思う。
 銃でゾンビを倒していくものや、現代戦をテーマにしたバトルロワイヤルオンライン、ファンタジーオンラインRPGからギャルゲーと呼ばれるものまで。
 ネトゲに没頭していると、フレンドがどんどん増えていった。ネトゲ内課金も増やしていった。でもまだ物足りない気がした。
 俺はババアに、ネトゲ用のVRヘッドギアを買ってこさせた。どこを見てもネトゲ世界に浸れるヘッドギアは、俺のゲームライフはさらに快適になっていく。
 一日二十四時間。ゲームをしたいときにゲームをして、寝たいときに寝る。ゲーム以外は飯も食べないし、トイレに行くのもおっくうでペットボトルに用を足すこともある。そんな毎日だ。
 ヘッドギアを付けたままネトゲ世界の中で寝起きしたこともあった。寝ながらゲームをしたこともあった。そうすればシチュエーションによっては、草地に隠れて敵を探している最強の戦士コマンドーになりきれると思ったからだ。
 でも俺は最強の兵士コマンドーにはなれなかった。ヘッドギアの中ではゲーム画面が広がっている。
 死因は尿意を我慢し続けた事による急性膀胱炎。俺はゲームをしながら、死んでいた!

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