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飯縄山登山

秋の休日、当店すぐ近くの飯縄いいづな山に登ってきました。

飯縄山は標高1917m、地元の子供たちが学校登山などで登る「入門」的な山で、かの「飯縄いづな大権現」(飯縄大明神)が祀られています。
ちなみに、「権現」は「仏が、神という仮の姿をとって現れること」、「明神」は「神が、神として明らかな姿で現れていること」を指し、どちらも仏教用語で神仏習合における神の称号。
「飯縄権現」は、戦国武将を魅了した「勝利の神」であり、また「いいづな」の語源がこの山で採れたといわれる食べられる砂「飯砂いずな」に由来するという説から、「保食神うけもちのかみ」(食物の神)も祀られているようです。
以上、ここに暮らし始めてから知りました。ごめんなさい。

当店から約1キロほどの場所に登山口があり、この山の麓でわたしは店を営んでいることですし、年に1度は登ろうと思っているのですが、たしか去年は登りませんでした。ごめんなさい。

コースタイムは上り2時間半、下り1時間半。
子供たちも登る山とはいえ、やや急峻な岩場もあり、「入門じゃないよね~。けっこうキツイよね~」という声も多く聞かれます。

朝6時過ぎ、意気揚々と一人歩き始めると、登山口前でお散歩中のご近所ワンコに遭遇。

黒ラブの13歳。
昨年交通事故で骨盤骨折した時には、
下の世話もお手伝いしたけれど、
元気になって良かったね。
ひとしきり撫で回す。


ここが登山口、いよいよスタート。

登山口には鳥居があり、帽子を取ってお辞儀してから入山します。
「飯縄大明神」
こんな道もあれば、……
こんな道もあり、……
こんな岩場も登ります。
岩の高さはわたしの身長(165㎝)位かな?
第十一佛

森の中を進んでいくと、登山道沿いに全部で13体ある石仏に出会います。
全てにお参りすると願い事が叶うそうです。
わたしは登るのに夢中で、ほとんどの石仏をスルーしてしまいました。

紅葉する森

それにしても、一人で黙々と登っているといろんなことを考えます。
この飯縄山のように、ほぼ毎年登っている「知っている山」は、初めて登る「未知の山」を前にしたワクワク感はありませんが、「ここまで来たらあとどれぐらい」とペース配分ができるので、とても登りやすいです。
そしてふと、「山」を「仕事」や「人」に変えても同じかもしれない、などと妄想開始。
「あのはやっかいだった」「あのの時は元気だったなあ」「あのは挫折したね」「でもあのは乗り越えたかも」などと過去のいろんな「=仕事、人間関係」を思い出しながら、一歩一歩踏みしめていきます。
今も何らかの「山」を登っているのかなと考え、「いやいや、もう人生は後半。登るより降りているところかも」と思ってみたり。

途中で見下ろすわれらが暮らす森。
ゴルフ場の下、写真中央下あたりに当店があるかも?

標高が上がると森を抜けて見晴らしがよくなります。
少し雲が多くなってしまいましたが、富士山、八ヶ岳、見えました。

左奥にうっすらと富士山。
その右手前に八ヶ岳。
その周辺にお住まいの皆様のことを思いました。
奥に雪をかぶっている北アルプス。
地球の表面はこんな感じ。
奥に富士山と八ヶ岳。
その手前に薄靄をかぶってきらめく長野市街。

そしてついに頂上付近へ。
頂上手前には、飯縄神社奥宮があります。
ここはちゃんとお参りしました。

雪に埋もれるのでこんな造りです。
奥宮から約10分歩いて飯縄山山頂。

下山時は登りよりも気を遣い、足を置く場所に慎重になります。
それでも、麓に近づいた頃にうっかり転んでしまいました。
といっても、落ち葉が敷き詰められた緩い傾斜で滑って、ゆっくりと尻もちをついた程度です。
静かな森の中で1人で転んでも、誰も見ていないのですが、森全体にしっかりと見つめられているような気がしてなんだか恥ずかしかったです。

現場。
この後歩きながらスマホの画像を確認中に、また転びました……。

そして衝撃だったのは転んだことではなく、転んだ後にすぐに起き上がれなかったこと。
疲労の溜まった脚がまったく言うことを聞かなくて、ビックリするほど踏ん張りが利きませんでした。
脚の筋力低下が著しいようです……。鍛えよう。

人生も、折り返しを過ぎた下り坂でコケるのは、やはりキツいものなのでしょう。若い時なら回復も早かろう痛手も、人生の後半で体験すると復帰は難儀。
けれども時間はかかっても、多少怪我をしたとしても、元気になれればよいのです。
どんなことも「いつの日か 全てがかわいく思えるさ」と藤井風も歌っています。
早くその境地に辿り着きたい。

春・夏・秋・冬、どの季節も登った飯縄山ですが、秋が一番良い気がします。
蚊はいないし、雪はないし、森は適度に明るいし。
おすすめです。

そして下山後は、麓にある当店にて下山後の美味しい珈琲で一服などいかがでしょう。
「勝利と食の神」を祀る神社にあやかろうと必死の店主。
お待ちしております。


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