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中東シネマ倶楽部

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中東(オリエント)地域の映画レビュー、映画祭リポートをお届けします。
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記事一覧

イランの大自然の中で、夢の実現に格闘する女性…「メークアップ・アーティスト」

イランの映画監督、ジャファール・ナジャフィ監督のドキュメンタリー作品。イラン南部ザグロス…

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歌あり踊りあり、それでいて深い社会批評…エジプト映画「炎のアンダルシア」

イスラーム映画祭がきのう終了した。今回、鑑賞したのは計5本。1本づつレビューを書いて、no…

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進行中の戦争の現場で撮影されたフィクション…レバノン映画「戦禍の下で」

イスラーム映画祭の2日目はレバノン映画「戦禍の下で」。フィリップ・アラクティンジ監督(Phi…

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浴場から描かれる凄惨なテロの時代…「私は今も、密かに煙草を吸っている」

今年のイスラーム映画祭が、東京・渋谷のユーロスペース(ユーロライブ)で開幕した。初日の16…

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戦火にほんろうされるシリア人の苦難……映画「葬送のカーネーション」

暗い灰色の雲が垂れ込める荒涼とした草原地帯を走る車の上には、木製の棺が載せられている。冷…

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トルコの雪国が舞台の映画「About Dry Grasses」

東京フィルメックス2023に出品された中東映画2作のひとつ。約3時間の大作で、長いといえば長か…

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退廃したイラン?変わらないイラン?...映画「クリティカル・ゾーン」

東京フィルメックスがいよいよ開幕。まず、イラン映画「クリティカル・ゾーン」をみた。 革命による政体転換から40数年。イスラム国家イランの現実を凝った映像で表現する。メガロポリスの首都テヘランを車で縦横に走り回って取り引きする麻薬の売人と、彼と関わる人々を通じて。 作品に登場するさまざまな人物、たとえば、麻薬密輸に手を貸すキャビン・アテンダントなど、さすがに、登場人物たちは誇張されすぎだろう、という声もあるかも知れない。実際はどうなのだろう。 私自身、イランに何年か住んだこ

『TATAMI』などイラン関連映画3作品が受賞…東京国際映画祭2023

東京国際映画祭のクロージング・セレモニーが1日行われ、各賞が以下のように発表された。 ★…

かつてのイラン映画らしい緩やかな作風...『ロクサナ』

今年の東京国際映画祭に出品されたイラン映画の中で、もっともイラン映画らしい作品という印象…

「俳優が演じること」とは?...イラン映画『マリア』

【ちょっとネタバレ】 この映画は、28歳のメヘディ・アスガリ・アズガディ監督のデビュー作だ…

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アメリカンなイラン母娘年代記『ペルシャン・バージョン』

イランで起きたイスラム革命(1979年)をきっかけに、イスラム体制を嫌うイラン人たちが海外へ亡…

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個人と国家の関係問う女子柔道の映画『TATAMI』

今年の東京国際映画祭は、イスラエル・パレスチナ紛争がガザ地区の状況を巡り国際的な大きな関…

アゼルバイジャンの幻想的な映画『鳥たちへの説教』

観ていて、とても不思議な感覚におちいる映画だった。今年の東京国際映画祭コンペティション出…

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東京フィルメックス2023-中東映画ラインナップ

今年の東京フィルメックス(TOKYO FILMEX)は11月19日(日)から26日(日)まで開催される。 きのうの夕方、上映作品が発表されたので、例によって、中東関連映画のラインナップを紹介したい。イランとトルコの2作品。 【コンペティション】 「クリティカル・ゾーン」(イラン) 公式HPによると、「ドキュメンタリー的な要素と超現実的な筆致を同居させながら、抑圧が続く社会の水面下でくすぶっている人々、とりわけ若い世代の人々の苦悩や欲望を直接的かつ直感的に描き出」した作品。