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驚きに満ちたエジプト料理を知るための10皿【肉料理編】

先日、中東・クルド料理から10皿選んで紹介するという記事を書いてみた。記事リンクをつけてつぶやいたツイッターに対して、「トルコやイランの料理ばかりじゃないか」というお叱りのようなコメントもいただいた。

そう、その通りだ。トルコとかイランとか国で区切って、食文化を紹介すること自体、ナンセンスなのである。特に陸続きの地域では、「この国境線から向こうでは、ケバブは食べない」などということはありえないのである。

だから、国家を持ってない人々でくくった「クルド料理」を一番最初に紹介したのは、とてもよかったと思う。トルコのクルド人が食べる料理は、トルコ人の料理と共通点があり、イランのクルド人が食べるものは、ペルシャ人の料理に影響されているのだ。料理に国境はない。

で、あるのだから、この企画では、食べた場所(国)をベースにして、そこの料理を取り上げる、という原則を取っていきたい。だから、割と最近、入ってきたとみられる料理でもあっても、その国の料理をいうとらえ方をしていく。

前置きが長くなってしまったが、第2回に入る。今度はエジプトを取り上げたい。私が6年以上暮らした国なので、いろいろ思い入れもある。一回ではとても取り上げきれないと思うので、何回かに分けたい。

①シャワルマ

第1回は【肉料理編】である。はじめてアラブ圏に行って、食べ物で何に感動したかというと、やっぱり「シャワルマ」なのである。


肉の塊がぐるぐると回転して、それを店員がナイフでそぎ切る。それを野菜などと一緒にパンにはさんで食べる。トルコではドネルケバブ、イランではキャバブ・トルキーという。そのエンタメ性に感動して、カイロに住み始めてまもなく、「シャワルマ考」というエッセイをカイロ日本人会の機関紙「パピルス」に寄稿したことがあるほどだ。

エジプトでは、コッペパンやバンズにはさんでくれるところが多いが、シリア地方では薄いパンで春巻きのようにロール状になっていて上品に出てくるし、パレスチナ・ガザ地区は、厚手の平たいパンに巻かれていてワイルド。微妙な地域性があるのも面白い。

②モンバール

ファストフード系というと、モンバールも捨てがたい。ごはんを羊や牛の腸に詰めたものだから、肉料理といえないかも知れないが、肉の脂が味のポイントであることは確か。

③ハワウシ

脂を味わうという意味では、ハワウシというファストフードもある。

エジプトの「肉まん」という人もいるが、メンチカツっぽくもあるような気がする。

④コフタ

コフタはトルコでキョフテと呼ばれる羊のひき肉を棒状にして焼いたものだが、下の写真のように煮込んで食べることもある。

⑤チキンカツのポテチがけ

確か、「コットレット」と呼ばれていたと思うが、いわゆるカツレツもある。ここで下の写真に注目してほしいのだが、ポテトチップスをふりかけているのだ。

油で揚げたチキンカツに、ポテチまでかけるのか、と最初は驚くが、エジプト人は概して濃く、脂っこい味付けが好きだ。それに結構、いける。

⑥鶏焼き

鶏肉は庶民にとってまだまだ贅沢品ではあるが、最も身近な肉かも知れない。


まるごと串刺しにして、オーブンでぐるぐる回して焼く機械が店頭を飾っている店も多い。下の写真はイラク・クルディスタンのもので、エジプトのものではないが、基本は同じ。


⑦ウサギとモロヘイヤ

ウサギは、モロヘイヤスープと一緒に煮込むのが有名。写真は焼いたウサギがご飯の上に出てきて、モロヘイヤスープをかけて食べるという趣向だった。

⑧羊のスネ肉のグリル

羊は、それこそいろいろな調理法があると思うが、がっつり食べるならば、骨付きのスネ肉もいい。意外に脂っことはなく、肉自身のおいしさを楽しめる。

⑨ハトのグリル(ハマーム・マシュウィ)

エジプトというと、なんといっても鳩料理。腹にご飯を詰めて焼く「マハシ」と開いて焼く「マシュウィ」がある。

「骨っぽい」と嫌う人もいるようだが、私は大好き。やはり、「マハシ」の脂がしみ込んだご飯がおいしい。

⑩ギリシャ風・鶏串焼き

さて最後の一品。歴史をみても明らかなように、エジプトはギリシャと物理的以上に距離が近い。特に、地中海に面した街アレクサンドリアには、ギリシャ料理店が結構目立つ。

ほかにも、シリア・レバノン料理、モロッコ料理、リビア料理、イエメン料理など、他のアラブ諸国の料理を食べることができるのも、かつて「アラブの都」といわれた大都会カイロならではかもしれない。

洗練度が高いと評価されるシリア料理などに比べ「エジプト料理は…」と及び腰になる方もいるということはよく知っているが、ナイル川が潤したエジプトの大地が生んだ食文化はとても個性的で魅力的だと思う。

さて、今日はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございます。

初回のクルド料理編はこちらになります。エジプト編はまだまだ続いていきますので、乞うご期待。

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シュクラン!(アラビア語で「ありがとう」)
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カフェバグダッド

中東(オリエント)の奥行きの深さを、文化、歴史を交えて日本に紹介していきたいと考えています。近くて、遠い、両者の関係を深める助けになるんじゃないかと思います。旅をしている気持ちになれるようなエッセイも、トラベル情報を織り込みながら書いていきます。

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