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映画「コンサート・フォー・ジョージ」を観てきた

日比谷シャンテ・シネ

2001年11月にジョージ・ハリスンが亡くなったとき、すでにジョン・レノンが40歳で亡くなっているので、ジョージもか‥と思ったけれど、今考えてみたら58歳って若い。若すぎる。一周忌の2002年11月にロイヤル・アルバート・ホールで開かれたライブは2003年11月に2枚組のDVDになっているので、映像としてはすでに知られているものだけれど、2022年に劇場用映画に再編成され、高音質リマスター版が海外で上映されて、ようやく今年日本でも上映がかなった。劇場用の音楽映画は劇場で見なくては。7月28日に公開されたのでなるべく早く観たかったけれど、ようやく時間がとれて日比谷シャンテ・シネまで観に行くことができた。

このコンサートで最も重要な存在はダーニ・ハリスンだと私は思っている。若い頃のジョージにうり二つ。最初に現在のダーニが出てきて、あんなにかわいかったのに、20年経っておじさんっぽくなったけど、ジョージに似てるのは変わらない。このコンサートではずっと出てるけれど、おじさんたちが楽しそうに演奏する中、一人スンとした顔で必死なのがかわいい。彼がいるといないとではコンサートの意味がかなり違うものになったと思う。エリック・クラプトンのおかげで開催できたのだから、本当はクラプトンが一番大事なんだろうけど‥。

映画は、みんなで楽しそうに演奏してるところが何よりいい。あの人数でちゃんと演奏が成り立っているのはすごい。みんな腕がいいのもあるけれど、ジョージの奥ゆかしい性格というか人徳かな。クラプトンは自分がメインだから出ずっぱりだけれど、今は亡きトム・ペティ、ELOのジェフ・リンもソロのパートでも前に出ようとしない。故ビリー・プレストンをビートルズに引っ張ってきたのもジョージだったな‥と思い出しつつ、あの俺様ポール・マッカートニーがトリプルキーボードの一翼でちゃんと演奏してたりするのはやっぱり驚く。演奏者の数、そして楽器の数。ギター何本?ベース何本?どれがリードギター?みたいなところにトリプルキーボードとトリプルドラム。結果的にスペクターサウンドになってるような‥。

このライブ、スターが出て2曲ずつ歌って引っ込む、みたいなライブではないところがまたよかった。ちゃんとリンゴもポールも最後まで残ってるし。映画のよかったところはシャンカールの“Arpan”と“The Inner Light”をあの位置に持って行ったところ。実際のライブは最初の方だった。みんなリラックスして演奏して、知ってる曲ばかりで楽しい~というところに、あの演奏を放り込まれると、ピリっとなって、思わず正座してみたくなるようなところがあった。比較的余裕な感じで演奏していたクラプトンが“Arpan”の時は必死な様子が見てとれて、それを暖かく見守るアヌーシュカ・シャンカールのチャーミングなこと。一方“The Innter Light”のシタール演奏時は非常にスリリングで目が離せない。

一番完コピだなと思ったのはジョー・ブラウンの“Here come the Sun”だったりする。そう言えば“Horse to the water”はジョージの生前最後の曲と言われてるけど、これをジョー・ブラウンの娘サム・ブラウンが歌う。この曲、サム・ブラウンのバージョンはCDには入ってなかった。

リンゴが出てきて、ポールが出てきて、二人が同じ壇上で演奏するのはルーフトップ以来と言われてたなぁとか思い出したり。ポールがウクレレでスタートした“Something”が途中からギターが入ってきたとき、ドキドキした。“While My Guitar Gently Weeps”のギター、原曲通りに演奏しようとして、でもやっぱりいろいろやってくれるクラプトン。いいよ、好きにやって、という気になる。

見終わって思ったのはやっぱりバングラディシュ・コンサートを思い出すなということ。私はビートルズが現役の頃はさすがに知らないけれど、ソロ活動の途中くらいからリアルタイムで追いついてきた。同時に一からビートルズを聴いてきて、代表的なブートレグに手を出すくらいにはなったけど、結果的に後からいろいろ出て必要なくなった。ジョージは「33 1/3」か「慈愛の輝き」くらいからリアルタイム。1991年の来日時に東京ドームに行ったけど、「Cloud Nine」の後ちょっとアルバム出してなくて、クラプトンが引っ張り出してきた感があったなぁ‥など、いろいろなことを思い出した映画でした。

Flyer

Concert for George
102min
2002.11.29 Royal Albert Hall
Directed by David Leland
Produced by Ray Cooper、Olivia Harrison、Jon Kamen、Brian Roylance
Cinematography : Chris Menges
Edited by Claire Ferguson
Musical Director by Eric Clapton
Concert audio producer : Jeff Lynne

SetList

  1. Opening : Sarve Shaam

  2. I Want to Tell You by Jeff Lynne

  3. If I Needed Someone by Eric Clapton

  4. Taxman by Tom Petty and The Heartbreakers

  5. Handle With Care by Tom Petty and The Heartbreakers with Jeff Lynne & Dhani Harrison

  6. Photograph by Ringo Starr

  7. Honey Don't by Ringo Starr

  8. Sit On My Face by Monty Python with Tom Hanks

  9. Here Comes the Sun by Joe Brown

  10. Horse To The Water bt Jools Holland & Sam Brown

  11. Beware Of Darkness by Eric Clapton

  12. Isn't It A Pity by Eric Clapton & Billy Preston

  13. For You Blue by Paul McCartney

  14. Something by Paul McCartney & Eric Clapton

  15. Arpan by Anoushka Shankar

  16. The Inner Light by Jeff Lynne & Anoushka Shankar

  17. My Sweet Loard by Billy Preston

  18. All Things Must Pass by Paul McCartney

  19. While My Guiter Gently Weeps by Paul McCartney & Eric Clapton

  20. I'll See You in My Dreams by Joe Brown

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