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カフェの軸はメニュー。(CCP編)

飲食店である以上その中核は何を差し置いても食べ物・飲み物だし、お店の姿勢としてそうであるべきだと思っています。色んなサービスはあくまで枝葉。カフェにしたって「あそこは美味しいからまた行きたい」と思って頂けることが大前提で、それにプラスして「あそこなら〇〇があるし」とか「〇〇できるし」とポジティブなイメージが付いてくるような場所になれると良いなぁと思います。

食べ物の好き嫌いは人の数だけあるので100%正解や正道は無いと思いますが、まずは自分が良いなと思えるものを一つ一つ丁寧に。そして日々クオリティーを上げていけるように意識をしていきたいですね。

そんなこんなで今回はCCPではどのようなメニューを作っているのか、作ってきたのかをご紹介します。

白いビーフストロガノフ

オープン当初からあるメニューの一つ。ですが何度もバージョンアップを繰り返していて当初のものとはかなり違ったものになっています。使う材料もそうですし、手間は何倍にも…。それが美味しさに繋がるためならエンヤコラ。自慢の一皿です。

牛すね肉を圧力鍋で煮込むわけですが、これをやる前に煮込むための「ベジブロス」という野菜を使っただし汁を作ります。これに炒めた牛すね肉と実は鶏もも肉も投入。鶏ももは煮込みが終わったら取り出して、後述する別の料理に使います。
野菜のうまみやお肉のうまみをぎゅっと詰め込んだお鍋の中に、別でじっくり炒めた沢山の玉ねぎとマッシュルームをいれて更にぐつぐつ。最後にサワークリームで味付けしてフィニッシュ。
お肉は頬張ればとろけるような柔らかさに、野菜の味わいもぎゅーっと詰め込まれたスープとサワークリームで味付けされた爽やかな風味がとにかくご飯と合います。

「白い」と書いていますが、本来ビーフストロガノフはサワークリームで味付けをするので白い料理なんです。ではなぜわざわざ「白い」と付けているかというと、日本ではデミグラスソースを使った茶色いものも「ビーフストロガノフ」として提供されているお店も多いなぁと思っているからです。実際お出しすると「わー!ほんとに白い!」というお言葉をいただくことも多いので、世間的にそういう認識なんだろうと感じています。
名前も見た目も、当然味も。少しでもお客様の印象に残ったら良いなぁと思っています。

キッシュプレート

プレートの内容を変えたり一時期下げたりしましたが、こちらもオープン当初からあるメニュー。現在はたっぷりのサラダやスープと自家製パンも付けたプレートで、特に女性のファンの多い一皿です。

キッシュは具の内容を変えることで様々な味わいを楽しめますし、「日々変わる」という点でマンネリ化しがちなメニューに少しでも変化を出せる貴重な料理です。
生地から自家製。作る技術の向上と共に少しずつ生地を薄めにしてよりサクサク感が出るように。また、沢山の具を詰め込んだジューシーな味わいを楽しめるように型も大型化するなどビーフストロガノフと同様に何度もバージョンアップを繰り返してる自慢の一品です。

ドリア(ほうれん草とベーコン/シーフード)

これだけ写真を撮っていないんですよね…。
CCPは「なるべく自分達で作れるものは自分達で作る」をモットーにしているので、こちらのバターライスやホワイトソースも自家製。一皿ずつ盛り付けまで完了させたものを予め仕込みしておき、オーダーが入ったら温めて焼き上げています。
始めた当初は具の準備までしか仕込みをしていませんでしたが、現在のやり方にすることで、提供までの時間や手間を大幅に削減できました。どうしても焼き上げに時間がかかってしまうメニューなので、なるべくお待たせしないよう試行錯誤して作られている一皿です。

鶏肉の甘辛炒め丼

ビーフストロガノフの説明で出てきた鶏もも肉。野菜や牛肉のうまみがギュッと染み込んでおり、且つ圧力鍋でしっかり煮込むので触るとホロホロに崩れます。そこまで美味しく柔らかくなったお肉を使わない手はありません。

確か…何かの料理本で見たお肉の甘辛炒めのレシピを参考にしています。それは豚肉とかだったと思いますが…。ビーフストロガノフやドリアとは別の、「the どんぶり」を作りたかったので今の形になりました。
ただ鶏肉があればできる、という単純なものではなく美味しいもののために手間をかけるのがCCP流。

味付けで使うお醤油と山椒の香ばしさが、最後に盛り付けるたっぷりの大葉とベストマッチ。ご飯との相性も抜群です。

シフォンケーキ

ビーフストロガノフと同様にオープン当初からあるメニュー。
単純なスポンジケーキとは一味違う、ふんわり食感とやさしい味わい。その奥深さに魅了され、突き詰めようと今も日々奮闘中です。
様々なシフォンケーキのレシピ本を読み漁り、都内のシフォンケーキで有名なお店を食べ歩き、CCPならどうしたら良いかを考えつつレシピも試行錯誤。型を変えたりしながら今の形に落ち着きました。
ここまでの味と食感は他ではそう簡単に味わえないという自負があります。

シンプルなプレーンだけではなく材料に少し手を加えることで様々な味わいや色を楽しめるのも面白いところです。CCPではその種類が…恐らく20以上はあると思います。季節的に無理、みたいなものもありますが、その幅広さも作って楽しい・食べて美味しいとなる部分だと思います。

1ピースも大きめ。2ピースともなると見た目もかなりたっぷり。食べられるかな…と思いきや、シフォンケーキのふんわり感を楽しんでいるうちにペロリと食べ終わってしまいますよ。

シフォンサンド

シフォンケーキをメインの一つに据えようと決めた時にできたシフォンのアレンジメニュー。今は「チョコバナナ」と「ベリーベリー」の2種。

生クリームとバナナとチョコソースって相性抜群だと思うんですよね。クレープ等でもよく見かけるこのトリオはシフォンケーキのふわふわ感にもよく合います。
ベリーベリーは苺が手に入る時期とそうじゃない時期で若干内容が変わります。苺・ラズベリーのペアか、ラズベリー・ブルーベリーのペア。そこに自家製のフランボワーズソースをたっぷりと。

見た目も豪華で、美味しい嬉しいという一皿です。

クレームブリュレ

オープン当初から長い間プリンアラモードをお出ししておりました。私がプリン好きということもあり、シンプルながらも食べ応えがあって美味しいプリンを目指して作ったメニューです。
ただこちらは一緒に合わせるフルーツの扱いが中々難しく、足の早いものはすぐにダメになってしまったり…。ロスの削減も兼ねてフルーツを使わない、そしてより濃厚な美味しさのクレームブリュレに変更しまいた。

こちらはご注文が入ってから表面に三温糖をまぶしてバーナーでこんがり焼き上げます。(キャラメリゼといいます)
キャラメリゼされた表面は少し冷ますことでカチコチに。表面の甘苦くパリパリのキャラメル部分に中身のみっしり詰まったプリン。バニラビーンズとラムの風味もばっちり感じる濃厚なスイーツに仕上がりました。個人的にクレームブリュレとカフェラテのセットはシフォンケーキとコーヒーのセットと同じくらいおススメだと思っています。

アフォガート

こちらはバニラアイスにエスプレッソをかけて食べるスイーツ。

エスプレッソはCCPのブレンドの一つ「ライト」ブレンドという少し軽くあっさりめに仕上げた豆を使っています。こちらでエスプレッソを淹れると酸味と苦み、香ばしさのバランスが良い味わいになります。CCPの標準的な味として定めている「スタンダード」ブレンドを使うと、ちょっと苦みが出過ぎてしまうんです。個人的にドリップで淹れるならスタンダードがおススメですが、エスプレッソでは違います。淹れ方でこうも判断が変わるのがコーヒーの面白いところですね。

こちらをバニラアイスにかけると冷たさと温かさ、香ばしさと甘苦さ、鼻から抜けるコーヒーとバニラの風味などバランスよく楽しめるスイーツになります。

今は下げてしまったものたち

ここからは現在お出ししていませんが、過去メニューブックに上がったものを。これで全部ではなく、写真などが存在するもののみですが…もはやレシピの存在すら怪しいものも。なんだかんだ色んなもの作ってるなぁと思います。
説明は殆ど省いちゃいますが、ご紹介だけ。

パスタ

オープン当初からブックカフェにするまでありました。沢山のレシピを編み出しましたが、今はお休み中です。もっちりした生パスタを使った人気のメニューでした。

三種のデリとご飯セット

キッシュを下げていた時期にビーフストロガノフと双璧をなすお食事としてお出ししていました。日替わりでデリの内容が変わるプレートで、お肉系、お魚系、サラダ系などおかずの内容をばらけさせることでメニューに変化を出せるものとして重宝しました。

自家製パンの厚切りピザトースト

自家製のトマトソースと自家製のパンを贅沢に使ってピザトーストに。トマトソースはにんにくにオリーブオイル、玉ねぎ、トマト缶とシンプルながらもじっくり手間暇かけて作っていました。実は自慢の一品。現在は下げております。

アボカドとサーモンのサンドイッチ

パンサラダ スープ付き

豚角煮茶漬け

プリンアラモード

ココアとバナナのパウンドケーキ

季節のフルーツコンポート

こちらはリンゴのコンポート。フルーツは旬のものということで、桃やプラム、いちじくなど様々なものを使いました。

レモンとマスカルポーネのムース

さつまいものタルト 黒ごまジェラート添え

オレンジのパンナコッタ ゼリーとの二層仕立て

スフレチーズケーキ

ベイクドチーズケーキ

レアチーズケーキ

抹茶のババロア

ガトーショコラ

ブルーベリーのマスカルポーネムース

紅ほっぺとミルクのシフォンケーキ

「東京スイーツパス」というスイーツ系の割引チケットが付いた小冊子の企画で「静岡の苺を使ったスイーツ」という特集の際に作った一皿。CCP史上一番豪華で見栄えのする一皿だと思います。大人気でした。

コーヒーゼリーオレフロート

こちらはそろそろ再開しようと思います!しばしお待ちを。

写真は超大事

こうやって並べてみると、写真のクオリティーでいつごろのメニューか察しが付く感じが…。パッと見て美味しそう!と思って頂くには見せ方や撮り方も大事です。
いつかその辺も記事に書いたり…せっかくならもっと詳しい人に書いてもらうのも面白いかもなぁなんて思ったりしてます。

メニューは試行錯誤の連続

季節や流行もそうだし、自身の技術、それに人員や設備などを含めたタイミングのようなものもありますし。とにかくずっと試行錯誤していかなくてはいけないもので、止まってしまってはいけないものなんだろうと思います。

美味しさや見た目だけを追求してはダメで、各種素材や調理したものの保存方法や保存場所。それに使う器や提供までのフローや所要時間。仕込みにかかる手間や原価と売値。ご家庭で一度だけ美味しく作る!というものと全く違うレベルで考えなくてはいけません。それが大変で難しいところであり、且つ楽しいところでもあると思います。

Cafe Cross Pointも日々精進の心意気を忘れずに頑張りたいと思います。

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