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マルチ商法をおちょくっていたら、とんでもなく危険な集団の真相に迫ることになった話 ~事業家集団(新橋)編④~

前記事:マルチ商法をおちょくっていたら、とんでもなく危険な集団の真相に迫ることになった話 ~事業家集団(新橋)編③~

最初から読む:マルチ商法をおちょくっていたら、とんでもなく危険な集団の真相に迫ることになった話 ~ライ○バンテージ編①~

今回の体験をベースにした小説:マルチ商法女と戦っていたら、もっととんでもないものと戦うことになってしまった件

このシリーズは、大仏がとあるマルチ商法女をおちょくり撃退したことから、それと知らずにとんでもなく危険な集団と接触していたことを知り、その真相に迫るという、ハイパースペクタクルファンタジックサスペンスロマンである!

前回、脱会者と接触したことでshi○b○sh○がマルチの巣窟だったことを知った僕は、さらに調査を進めたのだった。

この数ヶ月、ネットに情報があると聞けば寝る暇を惜しんで検索を重ね、東に脱会者がいると聞けば接触し、西にモ○ワン参加者がいると聞けば酒を酌み交わし、北に勧誘用のダイニングバーがあると聞けば飲みに行き、南に彼らのオーガニックショップがあると聞けば潜入し...と調査を進めた結果をここにまとめたいと思う。

まず、この集団は一体何なのか!?ということだが、彼らは元々モ○ーアというマルチ商法のワ○ダーラ○ドという販売チームだった。「元々」というのは、今はもうマルチ商法ではないからだ。というのも、この後記載するようなことが原因なのか、モ○ーアからは契約解除されてしまい、今は「事業家集団 環○」として活動している。彼らの概要を、勧誘〜どっぷり浸かるまでの流れを追って説明しよう。(色々な証言を総合しているため、時期やチームによって細部が異なる可能性がある点については了承されたい)

1. 街コン、読書会、異業種交流会、日本酒会、居酒屋、ラーメン屋、路上(ナンパかよ!)で声を掛けられ、LINEを交換させられる。
→ この集団は5000〜7000人程度の規模と言われており、東京と大阪でこれだけの人数が毎日のように活動しているため、特に街コンにはかなりの確率で潜んでいる。また、この新規人脈を攻めるスタイルが昔のマルチのイメージと違うところだ。

2. サシでの食事(ラーメン屋やカフェが多い)や飲み会、パーティー、合コン、バブルサッカー、フットサルなどで距離を縮めてくる。
→ 僕が新橋の店に誘われていたのはまさにこれ。またサシの食事は特定の店やカフェが多く、サシ飲みはなかった。恐らく金が掛かるためだと思われる。現在持っている不満や将来の夢などを聞かれ、勧誘者のこと(特に何のビジネスをしているか)はあまり教えてくれない。そして、この時聞かれた内容は、次に出てくる師匠に報告されている。

3.  見込みがある(起業志向がある、現状に不満がありリセット願望があるなど)と思われると、「師匠」に紹介される。また、このあたりでおすすめの本を紹介される。
→ 僕がこのフェーズでブチ切れてしまったため、この後のフェーズに進むことはなかった。ちなみに、カフェで30分刻みの師匠枠を取り、次々と顔合わせすることが多いようだ。ここで紹介される本は「金持ち父さん貧乏父さん」、「ハイスコア」、「○○はすぐにやめなさい」、「トップ1%の人だけが知っているお金の真実」「稲盛和夫の自己啓発本」など。とにかく「雇われでいてはいけない、経営者になって他人に働いてもらうほうが金も時間も手に入る。凡人でも考え方さえ変えれば無限に階級上昇できる。」という考え方で染めていく。これはマルチの典型パターンだが、上位者になったとしても実際にはチームの維持のためダウンのケアやセミナーへの出席を行わなくてはならず、「これで不労所得と言えるのか?」となりがちである。また、僕の場合は中学時代にナポレオン・ヒルにハマって自己啓発本の基本的な考え方は知っており、 十代後半で金持ち父さんは読破済みなので、これらを勧められたことがあったが「自己啓発本は中学の時ハマって受験に役立てたし、金持ち父さんは18か19の時に読んだわ。ESBIクワドラントだろ?」と言ったら「読むの早いね〜(汗」と返されて終わった。それに自己啓発って元を辿るとニューソートあたりの宗教思想に行き着いたりして結局宗教なんですけどね。まあこれは長くなるのでここでは省略しよう。

4. 何度か師匠と顔合わせし、「起業して夢を叶えるんだ!!」というモードになったらついに「弟子入り」となる。が、この時点でも全てが明かされることはない。弟子入りすると毎週土日に行われるセミナーに出席することになる。これは経営やコミュニケーションスキルに関するセミナーで、1ヶ月で全カリキュラムが完了する。その後内容が変わるかというとそんなことはなく、毎回同じである。また、「ビジネスを始める前に仲間やファンを作っておき、起業後に役立てる。」という考え方から、チームビルディングを始めることになる。これがつまり勧誘である。直下に9人、全体で50人(これを9系50人と呼ぶ)以上のチームを作ると起業が許可される。
→ セミナー自体は勉強になるという人が多かった。ただ内容を少し聞いた限りでは、正直わざわざこの集団に入らないと得られない知識かというと、そういうものでもない印象だ。サラリーマンも受ける研修や、仕事術の本を読んでいれば身に着けられそうだと思った(少なくとも僕は同じような内容を会社の研修で受けたことがあった)。
また起業に許可がいる、しかもその基準がチームの人数というのもよく分からない。初めて起業許可制について聞いた時は「師匠も納得する、しっかりしたビジネスモデルを考えたら起業が許可され投資してもらえる」ような仕組みかと思ったら全く違って驚いた。

5. 毎月1回、幕張メッセ(来年から福井に会場が変わるらしい)で行われる全国会議があり、一定の条件(一人暮らしで30万円貯金あり、あと土日に時間が取れること)を満たすと参加することとなる。そして数ヶ月経ち、毎月一定の収入があると「自己投資」の名目で月に15万円分師匠の店からシャンプーやサプリを買うように勧められる。また、自分のダウンが使った金額に応じて、集団内で使えるマイルが還元される。
→ 15万円の自己投資については、一応強制ではないというのがミソで、強制ではなくても洗脳されていると買い込んでしまう(何しろ日常のほとんどの時間をこの集団にぶちこんでいるのだ)。実際にはこれが師匠・紹介者の最終目的であると考えられる。20代も少なくない集団で、15万円も払ったら普通は生活できない。従ってダブルワークをやったり、借金をしたりして捻出することになり、また住居費節約のためシェアハウスに住む人も多く、このシェアハウスの大家が師匠になっていることもある。借金をしてやめていく人も多い。
そして最後のマイルの制度、マルチなら現金還元のところを何故かマイルで還元というあたり、むしろマルチより厳しいのではないかと思っている。

6. 全国セミナーの他にもA○Kという会社の自己啓発セミナー受講も勧められ、これが高額である。詳しくは次回以降で記載したいが、自己啓発セミナーとマルチは根が同じであり、またこのA○Kのセミナーはいわくつきだ。

7. セミナー・勧誘漬けの生活を送り、無事9系50人を達成するとめでたく起業が許可され、仲間が店に来てくれる。
→ はずなのだが、実際には9系50人を達成するのはかなりハードルが高く、自己投資の費用がかさんでやめていく人が多い。

これがこの集団の概要である。概要だけで3000文字近く使ってしまったため今回は一旦ここまでとし、僕の第一印象を述べたい。

これ、事業家集団というより互助会じゃね???

そして、僕が昔から興味を持っているカルト宗教にも近いものを感じている。次回以降は追加の情報を入れながらツッコミ・考察を行っていきたい。また、今調べている限りの関連店舗も紹介したい。

to be continued...

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