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今年も世界中で開催されたケイト・ブッシュ「嵐が丘の日」

The Most Wuthering Heights Day Ever

毎年7月30日には、ケイト・ブッシュ(Kate Bush)の誕生日を祝い世界中のケイトのファンが集まってダンスする「The Most Wuthering Heights Day Ever」(嵐が丘の日)というイベントがある。

最初が2016年だったので比較的新しいイベントだが、徐々に開催場所や参加人数も増えているようだ。
そして、2022年はケイトの「神秘の丘」(Running Up That Hill - A Deal With God)」がリバイバルで大ヒットしたこともあり、どれだけ盛り上がるのかとさらに注目を浴びていた。

7月30日のケイトの誕生日も過ぎ、YouTubeには世界各国の「The Most Wuthering Heights Day Ever」の様子がアップされ始めているので見ていきたい。

The Ultimate Kate Bush Experience - Shambush

その前に、このイベントの発祥から。

これは2013年にイギリスのブライトンで開催されたアートフェスティバル「Brighton Fringe」のプログラムの一つとして行われた「The Ultimate Kate Bush Experience」。
参加者はケイト・ブッシュが「嵐が丘(Wuthering Heights)」のMVで着ていた赤いドレスと黒いサッシュベルトに身を包み、MVでケイトが踊っていたようにダンスしてケイトへの敬意を表すというもの。

この企画はアート集団Shambushによるもので、”ケイト・ブッシュの赤いドレスを着た人間が同時に集まった人数” としては当時の世界記録だそうだ(Wikipediaによる)。

Wuthering Heights - Kate Bush

そのケイトによるオリジナルのMVがこれである。

ただしこれはVersion 1 とされるもの。
Most Wuthering Heights Everでファンたちが参照しているのはVerision 2(あるいはHeathバージョンとも)の方である。

赤いドレスに黒のサッシュベルト。森の中で身をくねらせ踊るケイト。
というはずだがMVを監督したNicholas Michael Absonとの間で今頃になって著作権問題が発生しているようだ。たぶん急にまたケイト・ブッシュが売れたからだろう。
Version 2 はYouTubeからどんどん削除されていて観ることができないものも多い。

記録によると1977年11月に撮影したようなのでケイト・ブッシュ19歳の時ということになる。
リンゼイ・ケンプの弟子でもあるので踊る姿もさまになっている。

in Melbourne, 2016 

2013年の「The Ultimate Kate Bush Experience」から3年後の2016年に、世界各地で初めて「The Most Wuthering Heights Day Ever」として開催されるようになった。最初の仕掛け人であるShambushが活躍したらしい。

この時に一番大規模だったのがオーストラリアのメルボルンでのもの。ケイトは幼少の頃にオーストラリアに住んでいた時期があったので、オーストラリア人たちも親近感を持っているのかもしれない。

映像を見てもらえば分かるが、”赤いドレス” ならなんでも良いらしい。ノースリーブで長袖でもOK。
ひげを生やした男性もいるし、事態が理解できていないらしい子どももいる。髪の色やスタイルまで同じなりきり派もいれば、体型だけ近年のケイトに似せた人もいる。
要するにケイトのファンたちがフリーダムになりきって楽しむイベントである。

The Most Wuthering Heights Day Ever, 2022

世界の1日はまずニュージーランド、オーストラリア、日本から始まる。日本でこのイベントは行われていないようなので、まずはオーストラリアのシドニーから。

動画を最後まで見ると分かるが、嵐が丘を踊った後、「神秘の丘」に曲が変わり、”Running Up That Hill” のフレーズに合わせてみんなで丘に駆け上がっていく。
まさに 「Running Up That Hill」リバイバル記念な2022年らしい演出である。

またテレビ番組でも取り上げられているのもこの「神秘の丘(Running Up That Hill - A Deal With God)」のヒットのおかげだろう。


次はスコットランドのエジンバラから。エミリー・ブロンテの小説「嵐が丘」の舞台はイングランド、ヨークシャーの荒野という設定だが、たぶんこのエジンバラ郊外の風景もそんなイギリスの荒野という感じ。
ロケーション的にはこの曲に一番似合っている気がする。


ダブリンもかなり大規模で今年のケイト・ブッシュの人気の盛り上がりが伺い知れる。


スウェーデンでも荒野でのイベント開催。

そして Running up that hill.


ベルリンもけっこう人が集まったようだ。

最後にギターを抱えて乱入してくるおばさんは、後ろの方でずっと目立つチャンスを伺っていて、最後にやっと思いがかなったようだ。


イタリアでも。
何か山の上でダンスしているようだ。


もちろんアメリカ大陸でも開催されている。
これはマサチューセッツ。

YouTubeなどで探してみると過去のイベントから最新のものまで、世界各地でファンたちがイベントを楽しんでいるのがよく分かる。
来年くらいには日本でも話題になるかな?


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