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新聞そして新聞紙、ついでにデジタル端末の今後を考える|コラム


デジタル化が進む中、発行部数が減り続けている新聞の今後を新聞読者の視点で勝手に考えます。


偉大なる紙、新聞紙


話を進める前に、読み終えた新聞について考えたいと思います。
これを省略してしまうと、度々製作される『黒革の手帖』のテレビドラマだけを見て、原作者である松本清張を評論するような、何とも言えない行き違いが生じ兼ねないからです。

情報を届けるという役割を終えた後の新聞紙
自由で多様な使い道があります。

  • 書き初めやポスター作りといった創作の下敷きとして

  • 丸めたり筒にしたりと自由工作の素材として

  • 揚げ物をする時、揚げ物をした後の油汚れの吸い取り紙として

  • ファンヒーターの灯油補給周りの敷き紙として

  • 雨に濡れた靴に突っ込んで、水気の吸い取り紙として

  • 宅配便を送る時の緩衝材として

その他、人それぞれで沢山の事例があることでしょう。
何故そうなのかと言えば、以下の三点が挙げられます。

  • 絶妙に空気を含んだ紙質

  • 既に役割を終えているという気軽さ

  • いつでもストックがあるという使い勝手の良さ

そしてもうひとつ重要なこと。
リサイクル網が確立されている点です。

"新聞紙" が有って当たり前の生活をしている方にとって、取って替わるものがあるのかが疑問です。

話が飛びますが、デジタル表示機が進化して、巻けたり畳めたりしても、はたまた眼鏡やゴーグルの中に表示できても、それは "新聞紙" の完全互換にはならないのです。

新聞を朝読む人は、朝の家事をしていない?!


いきなり決めつけから入りますが、凄くストイックな方や既にリタイヤされた方、或いは個別の事情がある方を除けば、概ね間違っていないと思います。

独身であろうと、同居人が有ろうと、朝の家事は必要です。
家事をしていないという人は、後回しにしているか、同居人に任せているか、はたまた放棄し荒れるに任せているかのいずれかでしょう。

新聞を読むのは、それが流し読みであっても時間がかかります。
忙しい朝の間に家事もこなして新聞を読むのは、至難の業です。

あえて言います。
朝は、新聞を読む時間があるのなら、少しでも家事をしましょう。
世の中の流れを知る為に新聞を読むのなら、目の前にある家事も世の中の流れのひとつです。
もっと言えば、消費活動の最前線です。
そこには経済があります。

ここで言う家事とは、"ごみ捨て担当" のような家を出る序での部分作業は該当しませんので、注意が必要です。
世代間の価値観が大きく異なるポイントかも知れません。

もはや情報の鮮度で勝てない新聞を読む必要はあるのか?


上述の決めつけに上乗せしていきます。

例えば、朝、新聞を読めないので、鞄に入れて勤務先へ持って行くとしましょう。
車通勤ならばラジオから、電車通勤ならばスマホから、鮮度の高い情報が次々と流れて来ます。

今どきは、電車内で新聞を折り畳んで読むのは少数派…というか、絶滅危惧種に近いように思います。

では、新聞をいつ読むか。
勤務先に早めに着いたら、始業時間までの間に。
また、午前中の休憩時間に。
或いは、昼休みに。

やっと眺める紙面には、ラジオかスマホで知った情報が並んでいます。
さあ、何の為に読むのでしょう。
こんな問いに対し、良く聞かれるのが、以下の回答ではないでしょうか。

  • 正確で詳細な情報を得る為

  • 客観的で幅広い情報を得る為

それにしては高くないですか? 最近の新聞。

夜に読んでも価値があると思える新聞を選んで


提案ですが、せっかくお金を払って新聞を読むのであれば、情報の鮮度が落ち切った夜になっても読む価値があると思えるものを選んで欲しいです。

具体的には、以下の新聞をお薦めします。

  • 居住地域の地方紙

  • 仕事や趣味に関係する専門紙(経済新聞、業界新聞、スポーツ新聞)

  • 全国紙ならば自身の特性に合う記事が充実しているもの

地方紙は、地域の情報を丁寧に取材しています。
安全に係わる情報、地方行財政の現状と課題、これからの行事や心温まる出来事の紹介等が幅広く記事になっています。
スマホやラジオ等から流れて来る地域の情報を集めて、ここまでの幅と深さを揃えるとすれば、それはそれでひと苦労でしょう。
色々と済んだ夜にこそ落ち着いて読むのが楽しい記事も多いです。

専門紙は、そもそも情報の鮮度が影響するのは最初の数面に限られるでしょうから、その日のうちに読むことができれば、目的は達することができるでしょう。

問題は全国紙です。
夜に落ち着いて読む段では、情報の鮮度が落ち切っていますから、大抵が流し読みになってしまいます。
ですから、国際情勢の取材力が高いとか、特定のプロ野球チームについての内容が濃いとか、ご自身の重視する事柄、趣味嗜好等が合うものを選ぶことが唯一のポイントではないでしょうか。

だったらデジタル新聞で良いのでは?


難しい問題です。

鮮度の高い情報と客観的で幅広い情報を同時に提供する仕掛けになっていなければなりません。
これは、ほぼ大手検索サイトの作りに近いです。

大手検索サイトには鮮度の高い情報が沢山表示されていますが、興味のない記事に目を通すかというと、なかなかそういうことにもならないでしょう。

あの新聞ならではの段組みが重要なのです。
新聞ならではの段組みを保ちながら、情報の鮮度を担保するということができれば、デジタル新聞は、確たる地位を得られることでしょう。

ただし、これまで触れたように、情報の鮮度を求めている人ばかりではありませんし、紙としての新聞に価値を見出している人も、まだまだ多いと思われます。

新聞を離れる人、デジタル新聞に移行する人、まだまだ新聞紙を愛読する人、と別れていく過渡期で、どのような形に落ち着くかは、新聞紙面の作られ方次第なのかも知れません。

新聞を読む為のデジタル端末はどうなっていくのか?


今後を考える上で、このことも外せません。
デジタル端末は成熟しているのでしょうか?

スマートフォン
新聞を読むという観点で見ると、少なくともスマホは、小さ過ぎますし、持ちにくいです。
新聞の影響ではないと思いますが、最近のスマホは、スマホの定義が分からなくなる程に画面が大きくなっています。
これは機能の向上に対し、画面サイズが足りなくなっていることの現れかと思われます。
また、持ちにくさをケースやカバーに解決してもらう図式が定着しています。
更には、ストラップをケースやカバーに付ける傾向も強まっています。
高機能化による大型化と、各種決済機能集約の為の持ち運びやすさという観点で、そろそろ分岐点に差し掛かるように思えます。
つまり、まだまだ成熟しているとは言えないのではないでしょうか。

タブレット端末
新聞にはこちらの方が向いているのではないでしょうか。
例えば、タブレット端末と連係した腕時計型端末をセットで運用すれば、高機能化による大型化と、各種決済機能集約の為の持ち運びやすさを両立できます。
更に、タブレット端末が進化して、丸められたり、畳めたりできるようになれば、格段に扱いやすくなるでしょう。
こちらも、もっともっと成熟できる余地があると言えます。

まとめ


あまり触れませんでしたが、スポーツ新聞というのは独特です。
一般的なスポーツ新聞だけでなく、競馬新聞や競艇新聞など、特化したものもありますし、それぞれ中を開くとスポーツ以外の記事が多いのも特徴です。

またチラシの文化も軽視できません。
配達される新聞よりも枚数が多いことすらあります。

世の中の流れと同様に、新聞も多種多様になって行かざるを得ないのでしょう。

もはやどこからどこまでが新聞なのかが分からなくなる程に、様々に形を変えながら、続いていくことでしょう。

一読者としては、自身に合ったものを選択し続けていくのみです。

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