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オフを極める (マシン不使用)

ジェルネイルオフは、塗布したジェルとネイリストによってやり方は様々ですが、化学的見地から私が考えている究極のジェルネイルオフをご紹介します。

【究極のジェルネイルオフのポイント】
■スピーディー
単なる早さには意味がありません。
素敵なサロンでも通用する、クレバーな速さが必要です。
またネイリストの施術が慌ただしかったら、お客様は寛げるでしょうか。
必要かつ、道理に叶ったやり方があります。

■爪にやさしい
剥がさないのは論外です。
つけっぱなしのジェルは、1年間掃除しないエアコンフィルターだと思ってください。
また人間は髪や爪に微量の有害物を排出します。そこに通気性の悪い蓋をすれば、その排出の妨げになります。


①Calgelはベース、カラー、カラー、トップの4層仕上げですが、トップ層をファイルで完全に削ります。早く削りたい気持ちはわかりますが、マシンを使うと微粒子化されたダストが出ます。あなたの使っているカラージェルが化粧品ならいざ知らず、もし雑貨カラーであったら、皮膚刺激性、遺伝子変異原性、発がん性物質が含まれているかもしれません。また昨今ナノマテリアルのリスクがリスク先進国の欧州で注視されています。

今まで自然界に存在しなかった小さなサイズの物質が、人間が発展させた機械・技術により存在するようになってきました。その小さな物質が、人の細胞の奥の奥に入り込んで今まで起こらなかったような悪さをするのです。

このリスクを抑えるためにも、トップ層、カラー層は手で丁寧に削りましょう。大丈夫です。そんなに時間がかかることではありません。お客様とコミュニケーションを取りながら、楽しんで削ってください。



リムーバーを温めるマシンを使います
もちろん、リムーバーを浸み込ませたコットンを爪にのせてアルミホイルで巻くオーソドックスなやり方でもOKですが、リムーバーを温めるマシンを使った方が圧倒的に上手く早く効率的にオフができます。それに、アルミホイルを切り出す準備が必要なく、切ったアルミホイルを保管するスペースも不要。コットンも使用しません。ということは、その2つを買う手間も省けます。そのかわりリムーバーを少し多く使いますが、言っても1人20mL程度。コストと手間を考えると圧倒的な省力化です。


③ペロンと剥けたジェルをウッドスティックやネイルピーラーで取り除きます。このときの剥け方が凄いんです。メタルプッシャーでガリガリとこそげ落とすような事をする必要がありません。このガリガリする工程ってお客様の視線気になりませんか?ジェルを塗る前に「ノンサンディング」だとしても、オフの時うまくジェルが膨潤せずにガリガリしたら台無しです。


④油脂分、水分を補給して終了。これ超重要です。
アセトンが爪や指に触れることは大した問題ではありません。

アセトンは両親媒性物質と言って水分も油脂分も取り去ってしまうとても便利な性質を持っているので、指先から水分・油脂分を取り除いてしまいます。水分・油分がなくなった指は、防御機能がとても低下した状態なので、そのままにしておくと色々な弊害が及びます。なんといってもバリアゼロですから。

ゴホゴホしている人が何人もいる満員電車にノーマスクで乗るような感じです。

「アセトン
  =両親媒性物質→バリアを取り払う→いろんなリスクが大きくなる」


ここを物凄く省略して「アセトン=悪」みたいに言われてしまっているのですが誤りです。


試しに、自分の爪を切ったら、その爪を1晩リムーバーに浸してみてください。翌朝見てもなーんにもなっていませんから。


しかもアセトンは化学式CH3CHOと、炭素・水素・酸素でできているので燃やしても放っておいても環境に優しく、そもそも生物は身体の中で作り出しているような物質です。危ないわけがありません。

アセトン


前置きが長くなってしまいましたが、リムーブマシンをご紹介します。
超便利ですよ。


これらの作業から永遠に解放されます

 ・アルミホイルとコットンを買う
 ・それを保管しておく
 ・アルミホイルを切る
 ・コットンにリムーバーを浸す
 ・爪にのせてアルミホイルで巻く × 10回
 ・アルミホイルを不燃ごみとして出す

しかも、リムーブ後のCalgelの取れ方が今まで以上!
15分経ってマシンから引き上げた手を見たお客様とあなたは、喜びの瞬間が共有できます。


もちろん、オフした後はハンドローションとキューティクルオイルで、アセトンで取り除かれた水分・油分の補給をしっかりやってください。それをすれば大丈夫です。もちろん皮膚や粘膜が弱い方や、化学物質に敏感な方はこの限りではありませんが、いつもコットン+アルミオフで問題がない方でしたら大丈夫です。

アセトンのような便利な物質を理不尽に忌み嫌って避けているのは勿体ないです。火事になるからと火を使わないで料理する人、危ないからと刃物を使わないで料理する人と同じです。


性質を理解して、上手に使う。
これができるのが人間のです。
叡智ですね。


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