トイレに潜みし忍びの話
突然だが、『NARUTO』と言う漫画をご存知だろうか?
うずまきナルトという、1人の少年が火影を目指し、仲間や先生と一緒に強大な敵に立ち向かう、世界的に人気の激アツ青春忍者漫画だ。
作者は岸本斉史先生
余談になるが、岸本先生と『ONE PIECE』の作者、尾田栄一郎先生は同学年だ。
「アディダスとプーマの社長が実は兄弟」と知った時みたいなワクワクを抱いてくれた人とは仲良くなれそうだから、今度一緒にカラオケにでも行きましょう。
ーーカラオケーー
1曲目はどっちが歌う?
全然俺でもええよ!
お!んじゃ、1曲目任せたわ!
何歌うん?
ん?
このイントロは…
歌うたいのバラッドけ!
俺、女ちゃうねん!笑
今日だってあなたーを、やないねん!笑
俺の事オトしに来てるやん!笑
随分気持ち良さそうに歌いますね、あんさん
いや、濡れた目で俺の事見んなや!笑
女や無い言うてるやん!笑
あぁ!愛〜してるぅぅ〜〜♪
いや〜、歌上手いっすね!
でも、距離置きましょう。
1曲目でバラード歌う人とは仲良くなれませんわ。
お会計、僕の分、ここに置いときますんで。
あざっした。
『NARUTO』の話に戻ろう。
いや、話しかけて来んで下さいって。
今、『NARUTO』の話してるんですから。
何でって、この前も言うたじゃないですか。
1曲目でバラード入れたからっすよ。
別にバラードが悪い訳や無いんですよ。
僕も好きですし、僕も歌います。
ただ、1曲目では無いやん?って話なんすよ
皆んなが知ってて、良い塩梅に盛り上がれる曲が欲しいんですよ。
僕なら、ポルノグラフィティ辺り入れますかね
分かってくれます?
そうです。ソレを踏まえて、今度カラオケ行ったら1曲目に何歌うか教えて下さい。
回答聞いた上で、仲良くするか決めますわ。
え?
プリンセスプリンセスの?
M?
Mかーーい!!
ゴリゴリのバラードや無いかい!!
もうアンタや無くて、1曲目で盛り上がれる選曲出来る友達が、「欲〜し〜い〜よ〜♪」って
エエ加減にせい!笑
(下らない日常会話さえ、しっかりと笑いを取りに行くスタンスを持ち続けるマインドを見せつける事で、芸人としてのスキルをここに置いていく。)
ここまで遠慮無くお互いボケてツッコめたら仲良くなれますね。
以下、本題
僕には大好きなカップラーメンがある。
恐らく、皆んなも好きだろう。
蒙古タンメン中本だ。
友達が食べていて、初めて貰って食べた時の衝撃と感想は未だに覚えている。
「うんま!」
「麺、太っ!」
「豆腐入ってんじゃん!爆笑」
って感じだった。
僕は蒙古タンメンに魅了され、初めて食べたその時から5年近く経つが、僕のカップラーメンランキングの1位に君臨している。
ちなみに、2位は麺づくりの鶏だし塩味だ。
本当に僅差だが、蒙古タンメンはボリュームが多いのもポイントなのだ。
僕の地元、宮城県には蒙古タンメン中本のお店が無い為、いつか蒙古タンメン中本のお店で食べることが僕の夢になっていた。
その夢が叶ったのは今年の5月の事だ。
4月に相方と2人で上京し、1ヶ月が経った頃、僕達の生活リズムは完全に昼夜逆転していた。
今が何時かも分からない状態で、眠くなってもお酒を飲んで、お腹が減って無くても何かしら食べてた。
そんな狂った体内時計の調整と、溜まりに溜まった毒素を抜く為、僕たちは『リセットDAY』
という日を設けることにした。
確実に9時には起きて、22時には寝る。
その為に、日中は体力の消費を目的とした街の散策。
より多くの汗をかく為に、蒙古タンメン中本(店舗)&サウナといった、当時の僕たちにはスーパーにハードで、尚且つ、スペシャルに楽しみなスケジュールだった。
ちゃんと朝に起きるのは本当にしんどい。
全世界の働く大人は出社するだけで、互いに褒め合えば良いのだ。
僕たちはタングステンくらい重いまぶたを上げて、東京都は上野駅へと向かった。
そして、アメ横を2時間ほど散策した後、蒙古タンメン中本御徒町店へと向かった。
基本的に並んで何かを食べた事が無い僕たちだったが、蒙古タンメン中本への憧れとリセットDAY成功の為、30分は並んだ。
いつもカップラーメンのパッケージで見てた人が壁にプリントされてあったり、カップラーメンのパッケージでしか見ない字体がデカデカと目の前にあり、僕は興奮していた。
レンタルDVD屋に行って、初めて18禁コーナーに入った時に
「うわぁぁ!エロサイトの中に居るみたい!」
と思った時と同じ感覚だ。
この感覚が分かる人とは是非とも一緒にカラオケに行きたい。
そして、男らしく気持ちの良い接客を受け、席に通してもらい、僕たちは、初めての店舗中本を味わったのだ。
当たり前だが、カップラーメンとは味が違っ
た。
味噌感?はカップラーメンの方が強い気がしたが、辛味は店舗の方がずっと上だった。
上に乗った野菜の量も想像よりも多かったし、かなり辛いのに旨みがソレに勝っている為、箸が止まらなかった。
中総体くらい噴き出てくる汗をティッシュで拭いながら、スープまで完飲した。
結果として、初めての店舗中本は大満足に終わった。
お店を後にし、僕たちは鶯谷のサウナへと向かった。
もう、汗は出ないと思っていたが、中本でたくさん水を飲んでいたのもあり、サウナでは高総体くらい汗をかいた。
帰りの電車に乗っている段階でかなりの眠気に襲われていたが、それはリセットDAYが順調に進捗しているサインでもあったので、嬉しさもあった。
家に着き、夜に何を食べたか覚えていないが、より眠気を増進させる為に、1杯だけビールを飲んだ気がする。
そして僕達は目標としていた22時に僕たちは床につき、眠ることが出来たのだ。
そして、リセットDAYは無事に大成功!!
…とは、なら無かったのだ。
深夜2時、僕は目が覚めた。
ものすっごいお腹が痛かった。
眠っている相方を起こさない様、トイレに駆け込み、少し気張ると、肛門が焼ける程熱くなったのだ。
原因は蒙古タンメンの辛味だろう。
まさに蒙古襲来。
肛門が焼け切れたかと思った。
肛門からクナイを抜かれたのかと思った。
いや、抜かれていた。
僕らが早くに寝たのを好機と伺い、水遁の術でも使ったのだろう、忍者が便器の中に潜んでいたのだ。
僕は眠っている相方を起こすまいと、声を殺し、痛みを耐えた。
長い格闘の末、僕がトイレを出たのは1時間後の事だった。
結局、僕がちゃんと寝られたのは4時頃となり、リセットDAYは失敗に終わった。
とうとう僕は昼夜逆転した生活リズムを開き直って逆手に取り、今は夜勤バイトをしている。
え?
夜勤バイトとは言いつつ、本当はアンタも忍者やってんじゃ無いかって?笑
もし、そうだとしてもお前に言う訳ないっしょ!笑
今日はこの辺でっ!ドロンっ!!
ってか?笑
え?
ガチなやつ?
ソレは、ナイショでござる!
ってか?笑
マジで?
………あ、普通に空調サービスのバイト。
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