「審議拒否」とはなんですか？
審議拒否とは、議会や会議などで行われる審議や討論を拒否することを指します。
具体的には議案や提案などが議会や会議で審議される際に、一部の議員が審議を妨害するために発言を行わない、議事進行に従わない、委員会に参加しないなどの行為を行うことがあります。

メリットがないように思えますが、あるのでしょうか？
審議拒否を行う側にとっては政治的な主張や目的を達成する可能性があるというメリットがあります。具体的には、少数派の意見を主張することや、政府や多数派の意見に対する反対意見を強調することができます。
また、審議拒否は、議論や合意形成を遅延させることができるため、目的が合意形成ではなく審議の延期や時間稼ぎである場合には有効な戦術となることもあります。
しかし、審議拒否は議会や会議の運営を混乱させるため、合意形成や議論の質を低下させる可能性があります。審議拒否が継続すると議会や会議の信頼性を失い、民主主義の原則に反する行為となることもあります。

審議拒否が成功した例を教えてください
審議拒否が成功した例としては、1957年にアメリカ合衆国で行われた「南部州における公民権法案」があります。
当時、アメリカ南部の一部の州では人種差別が横行し、白人優位の人種差別的な法律や制度が存在していました。公民権法案は人種差別的な法律を撤廃することを目的とした法案でしたが、アメリカ南部の保守的な議員たちはこれに反対し、審議拒否を行いました。
しかし、審議拒否をすることで南部州の保守派議員たちは法案の可決を遅らせることに成功し、法案が可決されるまでに2年以上かかりました。
しかし、その遅延を経て、公民権法案は最終的に可決され、アメリカ南部の人種差別的な制度を撤廃する重要な法案となりました。
このように審議拒否は反対派の主張や目的を実現するために使われる場合があり、一定の成果を上げることがあります。

あ、ごめん。日本の事例をお願いします。
1998年に行われた「補正予算特別委員会」における野党による審議拒否が挙げられます。
当時、野党は当時の橋本龍太郎内閣の政策や姿勢に反発し、補正予算特別委員会で審議拒否を行いました。野党は委員会の議事進行を妨害するために、発言を行わなかったり、議事の進行に反対する動きを行ったりしました。
この審議拒否により補正予算特別委員会は一時的に中断され、予算案の審議が遅延しました。しかしその後、与党と野党の間で妥協が成立し審議は再開され、予算案は可決されました。
このように、審議拒否は野党などが政府や与党に対して抗議や反対意見を主張するために使われることがありますが、一定の遅延効果を生む一方で合意形成を妨げる可能性があることが示された事例の一つです。

ありがとう！勉強になりました！
どういたしまして！何か他に質問がありましたらいつでもお聞きください。