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家族というチームを作るキャンプ

Noteが #キャンプの楽しみ方  というお題をくれたので
せっかくだから家族形成に役立った私達のキャンプの方法を記載していこうと思う。

元々、海外ひとり旅が好きな人間同士が夫婦になり、子供が生まれた。

我が子はどちらかというと、手がかかるタイプでじっとしていない男の子。
外食へ行くことすらできなかった。
1分たりともじっと座れない。
騒ぐ。いや、叫ぶ。
小さなアパートに住んでいると、それがストレスになり
夫婦仲は正直悪かった。
「こいつは病気か?いい加減にしろ!警察呼ばれるやろ!!」

夫は子どもを怒鳴り散らしていた。
その態度にイライラし、言葉を返すとさらに悪化するので
子どもを連れて公園に行ったりするが、私の体力にも限界があった。

気晴らしに海外に行きたくても、
じっとしていられない子どもと飛行機に乗ることは
難しく、国内旅行が精一杯だった。
しかも、車じゃないと騒ぐので、車のみの移動だった。
でも、酔いやすく、30分以上乗ると必ず吐いた。

さて、私たちが住んでいるのは、静岡県。
富士山噴火に津波、大地震!!山に川に海がある。
日本どこにいても災害がくるけれど、
絶対に災害がくるぞ!!と言われている県の代表と言っても過言ではない。

初めて静岡に来て、市役所に行った時にヘルメットが手に取れる場所に
ズラ〜〜〜〜〜と並んでいるのを見て、南海トラフ!!
ちびまる子ちゃんが言ってたやつや!と感心した。

話が逸れた。戻そう。

子供が2歳過ぎた頃から、災害対策として
「テントでも生活できるように!!」という目的でキャンプをスタートした。
初めは最悪だった。

4月の終わり。
夜はまだ寒いのを理解せず、夏用の寝袋を準備して行った。
焼きそばくらいなら作れるだろう・・・と材料を持っていったが、
火を起こせない。
着火剤も何も準備せず、墨に火がつかなかった。

ようやく、火起こしできたと思ったけれど、
火加減が分からず、ベチャベチャの焼きそばが出来た。

火も起こされへん!』
大阪の母が昔、父に文句を言ってたのを思い出した。BBQしようとしたが、
火がつかず、結局諦めて食べに行った。
それ以来、父と二度とBBQをしたことはない。

この名台詞は言ってはいけない・・・そう思いながらも、
そのネタを夫にしたら、気に入って
火も起こされへん!』と言いながら、焼きそばを作ってくれた。

夜は寒くて眠れなかったが、2歳の息子はグーグー眠っていた。
大人二人は真っ青になりながら
寒過ぎやな。4月はまだ寒いな。
よく眠れてんな。こんなに寒いのに・・・。
と我が子を見て感心した。
外に出たら、みんなダウンを着ていた。
4月はまだ寒い。夜はダウンが必要だ。
キャンプの日記に記載して、忘れないようにメモした。

明らかに失敗をしたキャンプだったが、上手くいかなかったことで
夫のキャンプ熱に火がついた。

それから日があればキャンプ場を探し、
キャンプをするようになった。
コロナ時代がやってくる1年前くらいの話。

一年で20回は行ったと思う。
まだ、キャンプブームはなく、その週の真ん中くらいで天気を見て、
場所を決めて予約が出来ていた。

初めは火に近づくことが危ない!ということすら理解できていない
息子だったけれど、段々と自分でもできることが増えた。
一緒にテントを張ったり、洗い物をしたり、簡単な野菜を切ったり

生きること=行動すること

をキャンプをする中で学んで行っている。
子供が騒ぐことで、閉塞感を感じていた家から

広大な自然の中に行くことで、大人達も気が安らぎ、
キャンプだけでなく、山登りをしてからキャンプをしたり、観光をしたり、
川に入ったり、魚を釣ったり、キャンプの仕方も変わってきた。
自然の中に身を置くことで、自分がどれだけ小さな存在かを気づくことができる。
そして、体の中の細胞が生きている・・・と実感することができる。
生きている・・・というよりは、生かされていると気づく。
火がないと生きていけない。
風呂は入った方が気持ちが良い。
水は大切にしないと資源には限界がある。
ゴミは最小限に。買い物も最小限に。
雨風凌げるのは素晴らしい日常だ。


そんなことにも気がつかされる。

そして、毎回感じるのは、子どもの成長がどんどん目に見えていくことだった。
火起こしできやすい葉っぱを探せるようになったり、
虫や動物に興味を持ったり、鳥の声に気が付いたり。
明らかに自然の中に体を置くことは心にも体にも良い状況だった。

自然にお手伝いが家の中でも増えていった。
もちろん、2歳だった子供が5歳になり成長していっている・・・
ということもあるが、「自分のことは自分でやる」
ということをキャンプで学んだ。

コロナ禍に突入し、キャンプが人気となり、
簡単にキャンプ場が予約出来なくなったので
行く回数は減ってきたけれど、

50回以上行ったキャンプでは
家族というチームが出来てきて、
阿吽の呼吸で次は何をする・・・というのが
分かってきている。

ギスギスしていた毎日だったけれど、
キャンプのおかげで家族というチームが形成されたと言っても
過言ではない。

夫婦仲が悪い人はぜひ、キャンプを勧めたい。
自然の中では必ず『協力しないと生きていけない』
ということに気付かされる。

道具は最小限の方が面白い。
そのほうが生きている実感が湧く。
知恵も出る。
面白みが出てくる。

何かを忘れたハプニングがあれば、余計に楽しめる。
周りのキャンプをしている人たちの声を聞くのも面白い。
さまざまな人の価値観や生活を知れる。

「実は嫁とうまく行ってない人のお悩みトーク」
「何の集まりか分からないけど、胸にシールであだ名を貼っているグルキャン」
「ソロキャンなのにめっちゃ家族キャンプの近くにテントを張ってくる謎の人物」
「彼氏がいるのに男陣の中に一人混じっている謎の女性」
「オシャレキャンパー」
「太鼓やらギターやらを持ってきて騒ぎ立てる謎の集団」
「カブトムシを採る為に人のテントの敷地内まで侵入してくる良い大人」
「残飯を平気で捨てて帰る人」

家の中だけに篭ってたら聞こえてこない声の数々。
普段なら出会えない人たちの生活が見える。
そして、そこから学べる。

キャンプ道具を買うか迷っていたら、
考えて欲しい。

災害にあった時、どこでどう寝泊まりするか?

そう夫に言われ、納得した。
そして、良い家族チーム形成が出来てきた。

これが私のキャンプの楽しみ方だ。

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