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追い詰められた話 3

とりあえずその日は仕事どころではなく
身内の恥を晒すことになるが会社に
事情を説明して有休を取った

警察からの連絡がないまま
そろそろ9時になろうとする頃
再び伯父に電話をしてみた

やはり来ていないという
...が何かおかしいと私の直観が騒ぐ

こういう事があった場合、母方の兄姉は
結束力が強くいつもなら大騒ぎになるのに
母が家出して行方不明だと言っているのに
なんだか妙に冷静でシレッとしている

そこで隣県の警察に電話して
昨日からの事を話し伯父の家を
直接確認してきてほしいとお願いした

すると、、、ビンゴ!
やはりそこに母はいた

警察の話によると
最初伯父は「来ていない」と言っていたが
捜索願が出されていて全国に母の情報が
回っている事を伝えたところ
驚いて白状したのだという

なんでも
「寂しいと言っている母親を
 放っておくような娘には少し思い知らせて
 やればいいと思ったから黙っていた」
と言ったらしい

は???それ、大人のする事?
私達が姉妹そろって一睡もせずに
どれだけ心配したか分かってる?

程なくして母の妹の叔母から電話があった
やけにヘラヘラとした話し方にイラついた
堪忍袋の緒がブチ切れて
私の中の不動明王が目覚めた

「アンタ達、いい歳して何してくれてんの!
 こっちがどれだけ心配したと思ってる!?
 子供のかくれんぼじゃないんだよ!
 自分達がやったこと分かってんの!?
 母に言っといて!
 迎えになんて行かないから!
 自分で行ったんだから
 自分で帰って来いって!!!」

およそ叔母に対する発言ではないが
怒りに震えていた私は止まらなかった

一気にまくし立てる私のあまりの剣幕に
叔母は電話口で泣き出してしまった

その後母の姉である伯母と話した時に
『私には私の生活がある』と伝えたら

「お前の生活なんてどうでもいい!
 親が寂しがってるんだから家に帰ってやれ!
 お前の人生なんかどうだっていいんだよ!」

という言葉をくらった

『お前の人生なんかどうだっていい』
この一言に一瞬本気で母の兄妹を呪った

▶「人生最大の危機に陥った話1」に続く



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