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【詩】思い出の仮置き

わたしが手放し
転がり落ちた

記憶
感情
ぬくもり

そしてあなたの
まなざし

鮮やかな香りを放ちながら
存在を主張するものたち

逃れたいのか
逃れられないのか

もう一度
拾いたいのか
何度でも
捨ててしまいたいのか

わたしの行く先々に
ゆらゆらとたちあがり

また
影のように
追ってくるものたち

そう
あなたたちも
居場所が欲しかった

なまなましい香りは

胸に眠る
沈香のようなものに
なるのかも
定かではないので

今は

わたしの部屋の片隅に
凝っている
時間の中へ

どうぞ
お入りください


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