サービス終了が決定した「Black Survival」を元ランカーが語る【ブラサバ】


2022年10月13日正午、7年続いてきた一つのソシャゲがサービス終了を告知した。

「Black Survival」、通称「ブラサバ」というスマホゲームだ。運営は韓国のNimble Neuron(2018年までArchBears)。2015年から韓国では配信されており、日本では2017年から配信されている。今年で7年目となる長寿ゲームだ。

この告知を昼休みに見たとき、ブラサバのことばかり考え、仕事でミスを連発してしまった。
多くの人の例に漏れず、私も最近はプレイをしていなかったが、3-4年前は毎日のようにプレイし、top100に名を連ねていた。そんな思い入れのあるゲームなので今回はつらつらと思い出を書いていきたい。

お前誰?

かいてんと申します。ブラサバは日本で配信が開始された3か月後(2017年8月末)から始め、シーズン4~シーズン8までは大体top100でした。(現在はシーズン11)

こんなブログ書いてたり、

こんな二次創作 (ss) を書いてたりしました。

どちらも私の想像よりも遥かに多くの人に読んでもらえました。(時には検索妨害だったり)一時は「ブラサバ 攻略」でググるとトップヒットしてたのには困惑するほどでした。過去に読んでくださった方、本当にありがとうございます。

シーズン7ルックバックと書いているが、おそらくシーズン4の時の記録
色々とバグっているこんなゲームだからサ終する
今シーズンやってないことがわかる
勝率は大体40%前後だった。なお、1ゲーム20分かかるのとほぼスアしか使っていないので
大体のプレイ時間がわかってしまう。数えたくない

ブラサバってどんなゲーム?

この記事にたどり着き、かつブラサバを知らない人はあまりいないと思うが、サービス終了が決定した Black Survival (ブラサバ)とはどんなゲームかついて記す。

過去の自分が書いた文章をそのまま載せよう。

 10人で「ルミア島」という閉鎖空間で生存を賭けたサバイバルを行うPvPのゲームです。大体ブラウザ版PUBGと捉えておけば大丈夫でしょう。 
 特徴として「操作が簡単」です。コマンド式リアルタイムRPGなのでエイムみたいな複雑な操作は必要ありません。また、「Not Pay to Win」を掲げており、課金による強さの違いはほぼありません。知識と判断力と運と回線で勝負するゲームです。あとはリセマラが不要なのでいつ始めても問題ありません。

 ソシャゲだと対人できないしつまらん! でもFPSとか格ゲーみたいな操作苦手だし……。という人にはおススメなゲームです。あと恐らくガチゲー寄りでゲーム時間は約20分です。上に運とか書きましたが、最初のうちは知識の方がウン百倍重要なのでこのページを読めば余裕で勝てます! 多分!

要約すると「スマホでできる FPS ではないバトロワ」となる。そして無課金でもできる Not Pay to Win のゲームだ。厳密には完全無課金だとキツイ
知識さえつければ勝てるのは本当で、上手さと操作があまり比例しないためほぼ知識のみで差がつく。実際自分が見てきた初心者は、草食リーグのうちに自分と遜色ない操作だった。

回復と熟練度(ダメージに直結)を貯め込むゲーム
画像は大体勝ち確の状況

ゲーム以外ではキャラクターのデザイン、設定が面白かった

自分のメインキャラのスア。このスキンは「お願い社長」というゲームで
デザインが盗用されている
人気が高い彰一。デフォルトスキンだが「極道の龍」(サ終済み)はじめ、
様々なゲームで盗用されている
個人的に好きなスキン(10年後のEleven)

キャラデザがいいと言っても好みがあると思うが、少なくとも多くのゲームでキャラデザが勝手に使われていたというゲームは中々聞かないと思う。

設定については、永遠に繰り返される殺し合い実験というコンセプトでルミア島内で最後の生存者になる(そして体を復元させられ、記憶を消されて再び実験に参加する)ことが目的だった。一癖二癖あるキャラの背景を読むことで妄想が捗る。かわいそうはかわいい

にゅーろんは早く訴えたほうがいいし、もっと設定を活かしてほしかった。


ブラサバの思い出

私が始めたのは2017年の8月末。知り合いが触っていたのがきっかけだった。
当時はルートを覚えれば簡単に勝てたため、lolの息抜きとして始めた自分にはぴったりだった。なお、そのうち lol が息抜きとなった。

2018年にセクハラ問題で韓国ランカーが一気に辞めたこと、かなり大きな改変(数字熟練度の廃止、回復のナーフ)が追い風だったのでこの頃にtop100に入れた。その後約3年間ほど大体はランカーだったと思う。

使用キャラは画像にもある通りスア。おそらくブラサバ全体で見ても1番か2番くらいには使用していたと思う。
ブラサバがスキンガチャを導入してから水着商法(上見たらわかる、すごいでかい)に手を出した。なけなしの金を突っ込んでガチャを回した。当たり前のように引けなかった。ガチャに本格的に手を出したのはこのゲームが最初で最後だったし、当時は引けなくて悔しい思いをした。(9か月後、ランカー報酬で手に入れた後からずっとこのスキンを使っていた)

使っていた戦法がかなり特殊で、通称「粗末教」と呼ばれる、バトロワなのに武器を途中まで作らない戦法が好みだった。分からん殺しなこともありかなり嫌われていたし、お気持ち空リプやゲーム内での煽りが飛んできたこともある。とはいえ概ね平和にはやれていた。

既プレイヤーなら右上の大同類聚方が半壊しているおかしさがわかるかも

ブログや二次創作(運営の方針として二次創作に寛容だった)をしたのもこのゲームが初めてだった。おまけ程度だったがキャラに魅力があり舞台となるルミア島の設定、実験の目的等が性癖にマッチしていた。むしろこのゲームのおかげで性癖が成長したと言い切りたい。

ブログも ss も思っていた以上に多くの人に読んでもらえてよかったし、今こうして noteを書いている理由でもある。

サービス終了が告知されたときに、多くの悲しみのツイートが流れた。具体的にはスパムアカウントがトレンドワードと勘違いして、スパムツイートに「ブラサバ」と書いていた。多分初めての事だったと思う。

なんでサービス終了したの?

多くの人はサービス終了が決定した原因を知らないはずだ。自分が考える原因を簡単に書いていきたい。しかし私も現役プレイヤーではないので、語り手として力不足なことは承知してほしい。(一応、シーズン11プレシーズンの大規模改変のときには70回ほどプレイしていた)

大きく分けて3つの要因がある。

  1. 新規に厳しいゲームであり、加えて既存プレイヤーを引き留めるアップデート、イベント等がなかった

  2. 運営会社が変わった際、「ブラサバ」というゲームではなくキャラと設定(IP)にしか興味がなかった

  3. ゲーム自体が死に体になってから大規模改変をしたが、新規プレイヤーは戻ってこず、既存プレイヤーはプレイを辞めた

他にもたくさんの問題点があった(宣伝をしない、お手軽なゲームが好まれる昨今の風潮に合わない、過剰な実力ゲー、単純に人がいない等)が、大まかに分けるとこの3つが原因となっている。

1.新規に厳しいゲームであり、加えて既存プレイヤーを引き留めるアップデート、イベント等がなかった

新規が最初に行うチュートリアルが、あまりにも酷い。このゲームはアイテムを集めて、装備や回復等を製作し生き残るサバイバルゲームなのだが、チュートリアルでは簡単なもの(お湯)を作成し、相手を攻撃するだけしかない
さらにリアルタイムで進むゲームのため、悠長にアイテムの製作レシピを見直したりできない。必然的に効率の良いアイテム制作ルートを考えて覚える必要があるが、初心者にはあまりにも高いハードルである。
途中で少し改善はされたが、依然として初心者には厳しいゲームだった。いくら500万DLしてようが新規プレイヤーが続くわけがない
一応、初心者がググったときに初心者の攻略情報がでてくるが、いわゆる企業系 wiki は存在せず個人で運営しているサイトしかない。情報を集めるのも難しく、多くの人は即座にブラサバをアンインストールしたと思う。
個人的にはチュートリアルは長いほどダレるので、ありがたかった。

既存プレイヤーにも厳しかった。かなりの実力ゲー(10人のバトロワゲーなのに1位の勝率が7割を超えており、多くのtop100ランカーも 30-40% の勝率があった)であった。運でも勝てることがある他のサバイバルゲーとは違い、逆転することがかなり困難なゲーム性だった。

ゲーム内のイベントもほぼなかったと言っていい。アップデート自体はチーム戦の実装、ラビュリントスという一人用モードの実装、アグライアパスというシナリオを読むモード等があったが、4-5年かけて増えたモードがこれだけということで察してほしい。

書き出すとキリがないのでこのあたりで終わっておく。
2.運営会社が変わった際、「ブラサバ」というゲームではなくキャラと設定(IP)にしか興味がなかった

サービス開始してからしばらくは ArchBears(通称:あちべあ、AB)という会社が運営していた。あちべあ社長がセクハラ問題で大炎上し、一時はサービス終了直前までいった。2018年3月頃のことになる。
その後、AB が Nimble Neuron (通称:にんぶる、にゅーろん)に買収されたが、にゅーろんの方針は「ブラサバのキャラを用いて新しいゲームを作る」であった。結果、できたゲームが「Eternal Return」となる。

https://playeternalreturn.com/main?hl=ja-JP

当然、新規ゲームを作るため既存のゲーム(ブラサバ)の運営には力を入れなくなる。結果として集金力の一つであるガチャの更新が頻繁に行われ、ゲーム自体をもっとよくしていく動きが鈍かった。
運営を擁護すると、チュートリアルの改編や UI の改善等行ってはいたが、根本的な部分がどうすることもできなかった。

なお、ブラサバの屍の上に作られた Eternal Return もかなり厳しい状況が続いている。(ゲームとしては結構面白いが、バトロワな割に実力ゲーであることや逆転がしにくいこと、チュートリアルが優しくないといったブラサバの負の部分がしっかり受け継がれている。悲しい)

こちらも書き出すとキリがないのでこのあたりで終わっておく。

3.ゲーム自体が死に体になってから大規模改変をしたが、新規プレイヤーは戻ってこず、既存プレイヤーはプレイを辞めた

2022年2月に、大規模改変が実施された。

この時点で、AppStore 月の売り上げが100万を切るといったかなり厳しい状況が続いていたと記憶している。
そんな状況でゲームをもっと面白くするために大規模な改変が行われた。具体的にはゲーム時間が20分 → 12分となり、アイテムレシピや地域の簡略化、逆転をしやすくする、等の変更が加えられた。

しかし、もう手遅れだった。

新規・復帰プレイヤーは大幅に変わりすぎたルミア島についていけず、既存のプレイヤーは大幅に変わったシステムに不満が噴出した。(事前に PBE のようなテストがあり、そこでのフィードバックが悪いにも関わらず改変を強行したことも原因の一つ)

結果として人口の3分の1が減少。ただでさえ steam のアクティブが150くらい、スマホはその4倍でアクティブが計1000人弱くらいのゲームにはあまりにも痛い結果となってしまった。
現プレイヤーには怒られるが、個人的にはゲームとして楽しめたし改変自体は間違ってないと思う。しかしかなりガチでやっていた自分ですらランクに潜るまで事前に3時間準備がかかるくらいの改変は、一般プレイヤーが諦めるのに充分だったのは想像に難くない。

改変を行ったのにも関わらず宣伝をほぼしないことも手伝い、結果としてこれがとどめとなりサービスが終了となった。

その後、上記改変のロールバックが実施された。
その4か月後には定期アップデートの終了が告知された。
後は皆さんが知っている通りだ。

書き出すと悲しくなってきたのでこのあたりで終わっておく。

ブラサバの次の展開

最後にこれからのブラサバについて書いていく。

ブラサバ自体は2022年12月8日(木) にサービスが終了する。他のサ終したゲームと同じように、ガチャが無料で出来たり、キャラの開放があったりする。興味がある方は一度インストールしてやってみるといいかもしれない。Steam, iOS, Android でプレイ可能なので環境がないという方はほぼいないだろう。

なお、オフラインモード等は実装されない予定だ。

起動がめんどくさいという方は下の動画だけでも見ていってほしい

note を書きながら見ているが、泣きそうになった。
ただ、スアの一言にあるようにブラサバは形を変えて続いていく。
かなり珍しいゲームだ。

本を閉じてもお話は続くのです。

17M-RFT33 權 秀雅

https://playeternalreturn.com/main?hl=ja-JP

エタリタ

記事の中でも少し触れたが、Moba風バトロワとして Eternal Return というゲームがサービスされている。

Steam でしかプレイできないのが難点であり初心者には中々とっつきづらい点もある。
ゲームとしてもぶっちゃけ下降傾向だ。この前お気持ち表明をして炎上していた。
ブラサバの後継作とは言い難いが、それでもブラサバにいたキャラは(アルダとロサリオとJP)を除いて実装されている。
キャラのモデリングもかわいいし何より一人でできる Moba だ。流行っていた時(2年前)と比べて大分ゲームの質もよくなってきた。
lol の息抜き等で初めて見てもいいかもしれない。(自分はそれなりに本腰いれてやった結果、lol が息抜きになった)


終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございます。
衝動的に書き殴ったので読みにくかったかもしれません。

ブラサバは自分の中では間違いなく一生語ることになるゲームかなと思います。界隈でつながってくれた方、ブログだけ見たことあるなって方、改めてありがとうございます。

自分の経験で、長くやってきたゲームがサービス終了することはほぼ初めてです。思ったよりも感慨深くなってしまいました。

もう一度、「別れ」の動画を見てきます。

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