レクチャー: 不明熱・モノモノしい症例 その1
症例提示: 50歳台の男性. 1年前から繰り返す発熱を主訴に紹介となった
1年前(初診時)のエピソード:
・受診の2ヶ月前に一過性の咽頭痛と1週間程度の発熱を認めたが, 自然に改善した.
・2週間前より持続する発熱を認めたため来院した.
発熱以外の自覚症状は認めなかった.
・総合診療科を受診し, 精査にてCRP 9.73mg/dL, LDH 600台, フェリチン 337ng/mLと上昇あり. 血小板 14万と軽度低下を認めた.
・不明熱として精査され, ウイルス抗体検査や自己免疫性疾患関連の特異抗体は陰性であった.
・さらに2週間後(発熱から1ヶ月)にはフェリチンは1007, LDH 685と上昇傾向を認めた.
追加検査:
・この経過から, PET-CTも評価されたが, 特に有意な集積は認められなかった.
その後の経過
・診断基準は満たさないものの, AOSDを考慮しNSAIDを開始.
その後解熱し, 血液検査も改善. 2ヶ月後には完全に正常化を確認.
・その後もたまに発熱はあるが, 数日で自然に改善する経過.
今回のエピソード:
・1-2週間の発熱とCRPの上昇, LDHの上昇, フェリチンの上昇が認められ, 総合診療科より相談.
・受診時は解熱傾向があり, 身体所見は何もなし.
自覚症状も発熱が続くくらいとのことであった.
・今回もCT検査やウイルス抗体, 特異抗体など評価されているが, 問題なし.
・骨髄穿刺やランダム皮膚生検も行われたが, 異常は認めなかった.
診察時, 一般血液検査にてある所見に気づいた.
さて, 診断はなんだろうか?
ここから先は
4,315字
/
14画像
¥ 500
継続モチベーションになります。 いただいたサポートでワンコの餌にジャーキーが追加されます