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エフェクチュエーション実践講座17「社長とエフェクチュエーションについて議論してみた。」

はじめに

 エフェクチュエーションとは、現在の資源を最大限活用しながら、未来を創造するための行動を起こす思考法です。(エフェクチュエーションの基本的なことは以下)

 企業経営においては、大きな変革や革新を生み出す鍵となる可能性を秘めているので、エフェクチュエーカー達は皆、経営陣に「キラキラ顔」で説明するのですが、反応が悪いケースが多くあります。(以下記事参照)

 これはエフェクチュエーションの柔軟性、ピポット性と、企業が果たすべき計数化された業績の予想や結果の強固性、直進性という相反する二つの要素のコンフリクトの結果です。

 両者を、「どのようにして調和させる」かは、エフェクチュエーカーと経営者双方にとっての課題です。

 私は財閥系生命保険会社のデジタル共創オフィサーで、コーゼーションとエフェクチュエーションの両使いです。

 両方の良さと限界を理解しているつもりです。そこで社長とエフェクチュエーションについて議論しました。ちなみに社長とはこの人。

 社長はこう言いました。

1、企業は業績などの予想と修正、結果を計数化する使命があり、ピポット的なエフェクチュエーションはそのままでは馴染まない。上場企業で株価が変動する企業はなおさらだ。

2、一方でエフェクチュエーションのピポットアプローチは大きな果実をもたらす可能性があることも事実。上手くいくと社外からは評価され、上手くいかなければ発表しなければ良いのでは。

3、社長などトップがやりたいことをエフェクチュエーションの使い手が進めていくやり方が馴染んでいるのではないか。

4、経営会議でエフェクチュエーション的な計画を発表すると数字を求められる。それでは緊張して動きが制限される。それではピポットできないだろう。

5、企業でエフェクチュエーションをやるならトップの意思をエフェクチュエーションチームが理解し直轄でやっていくのが勝ち筋ではないか。

社長の意見(一部加工)

 エフェクチュエーションはピポット、つまり事業の方向転換という新規事業や革新的なプロジェクトで大きな可能性を秘めています。

 一方で企業が業績予想や結果の計数化を行う必要がある現実、特に上場企業における株価の変動を考慮すると、エフェクチュエーションの柔軟性は容易には受け入れられないことは理解できます。

 ただし、エフェクチュエーションのピポットアプローチが成功を収めた例は数多くあり、外部から高く評価されることは、企業にとって大きなメリットです。

 反面、試みが失敗に終わった場合でも、投資が少ないかほとんどないエフェクチュエーションでは、結果を公表しなければリスクを最小限に抑えることができます。

 この点が、エフェクチュエーションを取り入れる際の魅力です。

まとめ

 エフェクチュエーション企業で使う際には、トップの意思と支援が不可欠でしょう。

 エフェクチュエーションチームを直轄で運営し、トップのビジョンを深く理解することで、企業文化や既存のプロセスに捉われずに、柔軟かつ効果的な事業運営が可能になるのです。


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