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ノロウィルス(終編)

今回は二人同時です。しかし我が家には一つしかトイレがないのです。そこで長女には洗面器、妻には自力でトイレという作戦(つまり無策)で臨みます。寝不足の日々はまだ始まったばかりなのです。


私は、翌日(月曜日)の仕事を休むことにしました。(職場では、予約が入っている患者さんへのキャンセルの連絡をしまくっている事でしょう。申し訳ありません。)


朝イチでふらふらの妻と長女をかかりつけの内科に連れていくのです。私と次女はクリニックの外で待ちます。すると長女のクラスメート、Aちゃんのママがクリニックから出てきました。弟くんを連れています。お互いに「お宅もですか?」感を出しながらの軽めの挨拶。何かを言ってますがそそくさと行ってしまわれました。


妻&長女は、やはりノロウィルスとのこと。

妻「おじいちゃんDr.曰く、『保育士さんも、バッタバッタ倒れてるってよ。オムツ交換した時に、つい消毒を忘れちゃうんだと』らしい。」


こわっ。


さすがは世間を騒がせるほどの感染力。それでも体を張ってくれている保育士さんのお陰で、我が子達はまともに育っているのです。


これまで、次々と倒れ苦しむ家族を見てきました。その度に「己の無力さ」を感じるのです。そして、それは「ある種の憂鬱さ」と言いますか、


「すっごい、苦しそうだなぁ。次は自分の番かぁ…嫌だなぁ。(症状が出るのが)結構急だからなぁ。いつかなぁ…。嫌だなぁ。」


という、己の身を案じる気持ちへと変化します。


火曜日
妻は微熱と関節痛がありましたが、長女は何も食べなければ元気そうです。どうやらピークは越えたようなので、私は仕事に向かいます。
職場の皆様への土産話もそこそこに、業務にとりかかります。何しろ自分の身を案じている私は、エチケット袋を片隅に用意。ランチもほとんど食べません。とにかく備えが大事なのです。しかしそんな心配もよそに、無事に午後の業務を終えました。業務後の他愛のない話で盛り上がります。


ノロが忍び寄って来ているとも知らずに。


あんなに備えが大事とか言っていたくせに、完全に油断しています。そこをすかさずついてくるのです。何か急に気持ち悪いのです。

来たか!すぐにピンときました。

ついに私の番のようです。
このタイミングで。
そそくさと、エチケット袋を持ってトイレに入ります。その姿を目撃されていました。狭い職場です。瞬く間にウワサが広まります。外で何か言ってますが、何にも分かりません。
ただ、
『バッタバッタ倒れてるってよ』
の言葉が私の頭の中でリピートされています。
そしてなぜか、ニュースを見て「ノロが流行ってるんだなぁ。大変らしいね。」と他人事だった頃の自分を思い返していました。


最後に聞こえた言葉は、

「トイレ流す時は、ちゃんとふた閉めてね。じゃあ。」



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