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【詩】春と風

春と風

2人はいつも一緒
生まれた時から一緒

春が寝ている横で風はいつも
横で丸くなって寝ていた

春が目で追うようになると
風は首を伸ばして上からのぞいていた

春が手を伸ばして風のしっぽをつかむようになると
風はしっぽの動きを止めて春が離すのをじっと待った

春がハイハイするようになると
風はゆっくり動いて春が追いつくのを待った

春が立つようになると
風はその横で支えるようにしゃんと座った

春が歩くようになると
風は同じ歩幅で歩いた

春が学校から帰ってくると
風はおかえりを言いに横へ来た

春が友達を連れてくると
風は横でまた丸くなって寝た

ある日風は外へ出たまま帰ってこなくなった

春は大きくなって知った
猫は自分のお別れが近づいたとわかると姿を消すって

ふう、私は今もふうがそばにいるのを感じてるよ

ほら、風が吹いている


#シロクマ文芸部

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