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【名盤伝説】 ”Roby Duke” サウンドで勝負!実はChristian MusicだったAORの名盤。

MASTER PIECE AORテイスト満載のクリスチャン・ミュージック(CCM)の代表選手の一人Roby Duke です。

AORファンにとってロビーといえば、まずはこの1stアルバム『Not The Same (邦題: ロング・アフタヌーン)』(1982)です。国内盤もリリースされているだけに、爽やか系AOR路線として人気になりました。

↓実はオリジナルジャケットはこちら。差し替え作戦は大成功ですね。

当時は、このアルバムがCCM (Contemporary Christian Music)だったとは、多分誰も認識していなかったのではないかと思われます。大多数のリスナーが基本的には英語がネイティヴではないため、改めて歌詞をライナーなどでちゃんと見る(読む)こと無しに理解することはありません。極一部の方は「何だか説教臭い曲なんだよね」と呟いていましたけど・・・。まさかクリスチャンのための音楽だったなんて、英語の通じない日本人には説得力は全くありません。

AOR的な新作が不作だった90年中頃に、執念でアルバムを探し続けていた一部のマニアが見つけた金鉱!それがCCMの世界でした。そしてそこを深堀していくと、何とあの名盤も実は…という事実に突き当たります。

このロビーもその一人。何の説明もなく「昼下がりの心地よい音楽」なんて帯にあれば、ファンは飛びついちゃいますからね。もし英語が少しでも理解できていれば、そんな宗教宗派の曲だと認識できたのかもしれませんが、でもきっと分かっていても、調子良く聴いていたでしょうね(笑)。

そしてロビーの2nd『Come Let Us Reason』(1984)。このアルバム当時、国内盤LPは発売されませんでした。ところがCCMを掘り下げていたAORファンに見つかり(笑)大きな話題になりました。何せ参加ミュージシャンが・・・

Backing Vocals – Kelly Willard, Richard Page, Roby Duke, Steve George
Bass – John Patitucci, Nathan East
Drums – Bob Wilson
Guitar – Dann Huff, Wayne Brasel
Keyboards – Harlan Rogers, John Schreiner*
Saxophone – Larry Williams
Synthesizer – Larry Williams, Roby Duke

AORファンが黙っていられないメンツです。特にペイジスがコーラス参加ということでもロビーの爽やかな歌声にぴったりはまるナイスなキャスティング。たまりません。

まずはタイトル曲の「Come Let Us Reason」

ミディアム・テンポで1stの延長線上のポップな「All Lost」。ラリーのSEAWINDを思わせるシンセソロがGood Job!。

まったりスローテンポな、それこそ爽やかな風を感じる「Here I am」。

どうですか。こんなアルバムに出会った時のAORファンの歓喜の様子が目に浮かびますよね。2000年に中田利樹さんの手によりCool Soundから国内盤がCD化されます。ファン待望のリリースでした。

ところが出所がクリスチャン・ミュージックということもあり、初回ロットのみで、この2作とも今は国内ではほとんど流通していません。もちろん配信も・・・いずれも幻のAOR名盤扱いになりました。でもまたいつか何かの形で普通に聴ける日が来ることを願いたいです。

ロビーはその後、何枚かアルバムをリリースしていますが、2007年12月に51歳の若さで亡くなられています。永遠の爽やかボイスに献杯。


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