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「起立性調節障害」 脱精神論者へ。

寝たくても寝られない、または起きたくても起きられない。
そんな、気分の悪い状態で他者から叱られたらあなたはどんな気持ちになるでしょうか。

近年「起立性調節障害」という病気が注目されています。

起立性調節障害は自律神経の働きが悪くなる病気です。
朝になかなか起きることが出来ない、朝の食欲不振、倦怠感、頭痛、などの症状が起こります。
夜には元気になり、逆に目がさえて眠れないこともあるそうです。

例えば、朝寝坊をした学生に対して、従来の「ちゃんと早く寝たのか、朝きちんと起きたのか。」のアプローチでは不十分かもしれません。
病気を考慮すると、新たな支援が必要になります。
「授業中寝てるからあいつは怠けている。」
「寝坊してるから生活がだらしない。」
そういった「サボり」だけでは説明がつかない可能性があるのです。

現在、中学生・高校生の約10%、軽症例を含めると約100万人が、起立性調節障害にかかっているといわれています。
また、患者の3~4割が不登校になるなど、不登校の増加にも大きく影響していると考えられます。

内面の特質や病気は外見よりも理解が難しいものです。

しかし、医学の進歩により、その理由と正しい対応が判明してきました。
一部の人々は、自身の経験だけで偏見や差別的な言動を行います。

自分が「精神論者」であることにも気づいていない。

これは浅はかな行為です。
自分だけの経験論や精神論にとらわれた、狭い正義感に頼らないようにしましょう。

「考慮しすぎると何もできなくなる」と言う指導者もいます。
だからこそ、相手を考慮できる余裕のあるシステムが教育現場に必要です。
生活レベルでのサポートやコーチングを提供し、勉強以上に自己管理のスキル、道徳心を教えることが、学校の使命だと思います。

将来的には、まだ知られていない障害が存在する可能性も高いでしょう。
今、目の前の子を叱っていても、もしかしたらまだ発見されていない原因があるのかもしれません。
そのため、大人たちは冷静に児童を観察し、生活面でのサポートを提供することが非常に重要です。
その場の精神論ではなく、まずは子供たちの特質、内的な病気を理解することから支援を始めましょう。

参考
子どもが起きない! | 渡辺正樹, むぴー |本


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