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証明するものは

窒息と噴出の3月。
掛け持ちの仕事以外の時間を書類書きとスーパーの買い物に費やし、カブも一回乗ったのみ。
ああ、掛け持ち仕事先の送別会などは行きました。
社会への関わりを深めると比例する、この身動き取れなさと息詰まり。
本来なら幸せなはずなのですが。


先日で雪も終わりかな

自分に割ける時間を費やして、わずか50枚の書類を一ヶ月要して書いています。

民事訴訟における、同業の大御所が書いた私の鑑定意見書への対抗意見書への対抗意見書(笑)。
言葉と数字の、文字通りのバトルです。
隙を与えない文字列。
相手のミスを誘うまで2回のバトルを要しましたが、3回目にして完膚なきまでに叩く内容に仕上がります。


答えは見えないところに

地球上どこでも同じ重力が働いているはずなのに、同じ事象を見ていながら答えが違う。
不変かつ平等なはずの物理解が違う。
それを、ガッチガチに主観の塊であるはずの「言葉」が整えていく。
矛盾を挙げ、公式解で刺し貫き、創傷に塩分の濃い言葉を擦り込んで立ち直れないように追い込む。
お互いに、相手がいかに信用に足らぬ人物であるかを挙げつらう。
そういう場が裁判であり、この世に許される最大限の闘いの場。

全ての足跡を辿る


お互いの当事者は決して言葉を戦わせない。
弁護士が法廷に提出する証拠書類は、私とわたしの同業者の書いた書類の90%コピペ。
誰の為の闘いなのか、途中からわからなくなるのが通例。
これが事故解析や工学鑑定の世界。

枯れた方が強かったりします

攻撃性の発露は否定しません。
以前のような直接ネゴシエーションを交わす立場より、前頭葉の熱は限度に達しないと思います。
ただ、記録に残らない言葉を瞬発力の継続で相手に吐くのと、ずっと残される言葉を綴るのとでは、後者の方がエネルギーの消耗が激しいのです。
そんなことを長年している理由は、自分の中の報われない物事の昇華と言ってしまえばそれまでのものなのですが、ちゃきちゃきの文系男子が物理という欠けない剣の力に惹かれ宝探しを続けている、純粋に楽しみと好奇心を満たしてくれる場が愛おしいこともあります。

結局世の中を掻き乱しているのは人に他ならないのだ、という証明を突きつける為でもあります。

数千万円の利害のために真理を曲げることを厭わない工学博士どもを、一兵卒からのし上がった小物が沈める瞬間の悦びは、おわかりいただけると思います。


色を抜くと形が見えやすい

今日で仕上げです。
明日からは、自分のmoveで過ごしたいものです。

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