「心」って…折れるんだ。

 心が折れる。

 こんな言葉を聞くことが稀にある。

 昔、「「心が折れる」って…どういうことだろう…」、「どうなるんだろう」、「どうすればいいんだろう」…って、頭で考えたことはあった。もちろん、答えは出なかったけど。

 今の僕には、多分あの時がそうだったと思う出来事がある。

 感覚的には、立ってる姿勢から、ステップが少し高めの階段を上がろうとして、右足をその一段目のステップにかけようと床から持ち上げ、その次の姿勢である「体重を右足に乗せ、そして右足を踏ん張って、次は左足を上げて…」と考えながら、右足をステップにかけた瞬間、右足を支えてくれるはずの階段が、実は、そこに、なくて…。

ストンと…

右足が元の床に戻るような、そんな感じだった。

その瞬間、「頑張ろう」という感覚が「何かしんどい…もういいや…やめよう。」に変わった。全てにおいて…。

自分で自分の体を支えていることさえも、嫌になった。やめたいと思った。

横になった。

30分程して、子供が学校へ、妻は仕事に行き、家の中が僕独りだけになった。僕は這うようにして、冷蔵庫へ…。

冷蔵庫の中にあった冷えた缶ビールを開けて喉に流し込む。また開けては流し込む。開けては流し込む。

 それから数ヵ月の間、何かを自分で考えたという記憶があまりない。

ただ、仕事には行っていた。

でも、それ以外はひたすら飲んで、ひたすら寝ていた。

妻と子供には、妻の実家へ行ってもらった。

その後、三人で一つ屋根の下に暮らす日は訪れなかった。

心は折れる…。

今の僕はそう思っています。
だから、折れないように気をつけています😊

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